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高揚力装置に関連する質問です。 キ76に搭載された「フルスパン・スラット+ファウラーフラップ」の効果は、 主翼29.4u、全備1540kg、失速速度40km/hで計算する揚力係数が6.78、と 極めて高いです。 同時期、米国でも、「フルスパン・スラット+フルスパン・ファウラーフラップ」の YO-51ドラゴンフライなどのSTOL機が開発されています。 もしも、97艦攻あたりに、この高揚力装置を取り付けることに成功し、 揚力係数6.5ぐらいを叩き出せるとすると、全備3800kgの失速速度は、 計算上、55-60km/hになりそうです。 そこで質問です。 1.97艦攻に、フルスパン前縁スラットとファウラーフラップを装着するとして、 揚力係数はどのくらい、と見込むべきでしょうか? 2.自分の見立て(揚力係数6.5+)がいい線を突いていた場合、 97艦攻で第2射法(速度185km/h@高度10m)の雷撃の力量を持つ搭乗員 であれば、120km/h@高度10m前後での雷撃が可能(着陸速度+60km/h 程度)、と考えたくなりますが、いかがでしょうか? 3. こういう超低速(米軍迎撃機の失速速度未満)かつ海面スレスレで 接近する雷撃機を、米軍が迎撃する場合、どういう手法が想定されますか? それこそSTOL観測機に機銃を搭載して対抗するのでしょうか? 七試 |
- 3だけ。
平射砲の直撃のリスクさえあるので軍艦に近づけない。(WW1時代の状況)
夜間攻撃を掛けても一旦、探照灯照射を受けたら外すこともできない。(海軍の夜偵の実情)
そして、目標と速度差が無いので適切な雷撃位置につけない。
こんな感じではないかと思います。
BUN
- 回答ではなくてすみませんが質問者様が超低速での雷撃が有効?との考えを持つに至った背景がよくわからないのですが、
もしかしてソードフィッシュが低速すぎて敵機の攻撃を受けにくかったり敵艦の対空砲火が当たりにくかったりしたとか、赤とんぼの特攻機が命中した実例とかが、念頭にあったりするのでしょうか。
超音速
- 揚力係数は、どのように計算するのですか。
じゃま
- 航空機は翼の迎角が大きくなる程、揚力も大きくなるけど迎角を大きくし過ぎると翼上面の気流が剥離して失速します。
前縁スラットは迎角が大きくなっても翼下面の気流を上面に流すことで翼上面の気流が剥離しないようにして揚力係数を高くするもの。
ようするに迎角を出来るだけ大きくする為だけの装置。
キ76やシュトルヒみたいに固定式だと水平飛行中は揚力の足しにならないし逆に抗力が増えて速度や航続距離が減少してかえって邪魔なんです。
引き込み式にすると重量が増えるし。
前縁スラットを含めた揚力係数が最も大きい状態って迎角を大きく取った機首上げ状態なので雷撃の側的が困難にならない?
jas1
- >>1 迎撃機を出す手法はかなり厳しい、という意味でしょうか?
>>2 「ソードフィッシュが低速すぎて」とか「赤とんぼ特攻機」は念頭にあります。
100オクタンガソリンの供給に苦しむ日本の場合、
高出力高性能を狙う「王道」とは別に、敵迎撃機が失速するような低速機に振る方向もありえるのかな、と考えた次第です。
ソードフィッシュの巡航速度は、ギリギリBf109等の失速速度よりは上だったから、それなりの撃墜例があるのでしょうから、零戦でも失速スレスレの120km/hで雷撃できるかもしれない機体を妄想してみました。
>>4 >雷撃の側的が困難にならない?
かもしれませんね。ただし、敵機の迎撃リスクは極めて小さそうですが…
七試
- 常識的に対空砲火で狙い放題ですし、優位な射点に遷移するのも難しいよって話です。もちろん迎撃機がいたら楽勝で虐殺になるだけです。
ソードフィッシュをメッサーシュミットが苦労したからと言っても、一般の艦上戦闘機はもっと低速で飛べますし、別に高い相対速度で襲撃してはいけないなんてルールはないんです。海面ギリギリだってのも一般の船舶が機銃掃射でボロボロにされてるという現実を思えば低速雷撃機を機銃掃射の要領で襲うのなんて簡単な話です。
事実としてチャンネルダッシュのソードフィッシュは敵から同情されるほどの悲惨な目にあって全滅してます。
SUDO
- イ)揚力係数は、それ自体、速度の関数です。
ロ)だから、ひとつの式の中に、ふたつの未知数、速度と揚力係数が現れて、
単純に計算はできない。
ハ)それを避けるために「失速速度が40km/h」という仮定を置いたのでしょう が、そのような仮定をしてはいけない。
ニ)そのような仮定を許せば、揚力係数は、いかようにも操作できてしまう。
それを、大きいとか、小さいとか、言っても無意味です。
ホ)従って、この議論は、根本から誤っていると思います。
じゃま
- 攻撃法の実用性は別にして、
全備重量の九七艦攻が揚力係数6+で120km/hで飛行という仮定に現実性がないように思います。
wikipedia日本語版によると、失速速度40Km/hとなっていますので、全備重量1540kg翼面積29m^2で計算すると揚力係数は約6.9という数値になりますが、これは前縁スロットとフラップの組み合わせで実現できる数値とは言いがたいように思います。
(吹き出し、プロペラ、ジェット後流などを利用しない場合、揚力係数は3前後が常識的な数値です。)
着陸を想定した軽荷重状態(wikipedia記載の自重1150kgに近い)で、約40km/h(代)というのがキ76の実態ではないでしょうか?
本題の方では、
速度自体は大正時代の艦上攻撃機が飛んできた、アプローチと逃げ足はその約2倍となっていると考えればよろしいのでは?
い
- 揚力係数の式には、失速に関する情報は含まれていないでしょう?
これは、「低速で雷撃できる飛行機ができたら、おもしろいナ〜」
というif話だと思います。
だから、敢闘賞!
じゃま
- 高度0m、速度100km/hくらいの動標的というと鉄道の列車がありますが、容易に機銃掃射を命中されてしまっています。
米軍機側のガンカメラにはそうしたもののほか、次第に高度を落として海面付近まで高度を落としてしまって機動の自由を失い撃墜される日本軍機も捉えられています。
自らが攻撃を仕掛ける自由度、敵戦闘機に捕捉された時に回避する機動の自由度は、じゅうぶんな速度と高度(これもイコール速度でもあります)を得た上でのことです。
対空砲火に対してはたしかに高度を出来るだけ下げることで対策することが行われていますが、その前に高度を下げる時点で位置エネルギーをできるだけ速度に変えるようにされています。
片
- >9 揚力係数の式には、失速に関する情報は含まれていないでしょう?
失速した時の速度と揚力(=重量)から求められる実測値が失速時の揚力係数だよ。
「失速速度が40km/hが仮定」とか書いてるけど、wikiにも書かれてるし憶測で書き込まないほうがいいよ。
あと、なにが敢闘賞!だよ。自分の無知を棚に上げて質問者を小馬鹿にする態度は改めた方がいいよ。
不快だし。
jas1
- ttp://www.warbirds.jp/ansq/11/A2001686.html
似たような話掘ってきました
Alphabette
- >>4 「引き込み式にすると重量が増えるし」とありましたが、実際どうなんでしょね?
YO-51ドラゴンフライに関しては、以下の写真を見る限り、
収納式のフルスパン・スラットと、フルスパン・親子(ファウラー?)フラップを装備していそう、なので。
・スラット収納状態 https://www.flickr.com/photos/sdasmarchives/5685117198
・スラット展開状態 https://www.flickr.com/photos/sdasmarchives/5684547987
>>8 「吹き出し、プロペラ、ジェット後流などを利用しない場合、揚力係数は3前後が常識的な数値」
とのご主張ですが、Fi-156の着陸速度51km/h(失速速度なら40km/h[25mph]以下との説あり)、
主翼面積26u、全備1260kg、を踏まえて、40km/hにおける揚力係数(最大揚力係数モドキ)は6.28ですね?
キ76と比べ、ファウラーフラップとスロテッドフラップの違いにより、
Fi-156の(失速時の)揚力係数がやや低めに出るのは、納得できる範囲内でしょう。
キ76 とFi-156は、双方ともフルスパン前縁スラットを搭載しており、この効果とフラップの効果が相まって、
「揚力係数は3前後が常識的」を乗り越えているのは、と考えている次第ですが、いかがでしょう?
なお、失速時の揚力係数のことで>>7に突っ込もうと思っていたところ、先回りしていただいて、ありがとうございます(笑)
七試
- 質問を3つ書いたのは失敗でしたね。1番目と2番目の質問に絞って書いた方が良かったかもしれない(苦笑) 架空機の妄想ネタを架空機の館でいろいろ披露してくれて、この回答に一番的確な回答をしてくれるかも、と期待したSUDOさんですら、3番目の回答にほぼ終始されているのを見ると…
>>10 鉄道の場合、線路の上しか走れない、という自由度の無さ、というか、数秒先の予想位置が極めて解り易い、という点をどう見るか、でしょうか?
ふと思ったのが、例えば、POWは、それほど対空機銃を装備してなかった、ということでいいんでしょうか?
>>12 参考資料ありがとうございます。あの中の7,8のやり取りが気になったポイントでした。
七試
- >11.
>失速した時の速度と揚力(=重量)から求められる実測値が失速時の揚力係数だよ
そうではありませんよ。
揚力係数の式は、速度や代表面積などと、揚力係数の関係を定義したものです。
実測値ではありません。
そんな実験をして求めるものではありません。
>「失速速度が40km/hが仮定」とか書いてるけど、wikiにも書かれてるし憶測で書き込まないほうがいいよ
これも誤りで、速度を仮定すること自体、よいことではないのです。
そもそも関数なのですから。
やるなら、いろいろな機体の関数の差分を、ある範囲で積分して、その大小を比較するというようなやりかたですかね。
じゃま
- >15
面白いので調べてみたんですが、実験的に算出すると書いてありますね=揚力係数
じゃまさんの主張は y=ax の式において a が x の関数であると言ってるように見えます。
とおり
- >14
>鉄道の場合、線路の上しか走れない、という自由度の無さ、というか、数秒先の予想位置が極めて解り易い、という点をどう見るか、でしょうか?
高度が海面すれすれならばうかつな旋回はできないんですよ。旋回すなわち高度低下ですから。超低空では機動の自由がない、というのはそういうことです。
片
- 1)質問者の方は、揚力係数を計算されていますが、実験は、なさっていないと思います。
何かの仮定を置けば、実験しなくても計算はできます。
けれど、その仮定が妥当かどうかの問題は、いつもついてきてしまいます。
実験するにしても、代表面積はどう定義するか、といった仮定はやはり必要になってしまいます。
2)揚力係数はいろいろな変数の関数です。
どの変数に対しても連続的に変化するので、条件によっていろいろな値になってしまう。
だから、揚力係数の絶対値が問題になるのではなく、相対的な変化が問題になります。
ある機体の揚力係数が6のときに失速が起こっても、別の機体では揚力係数が6であっても、失速は起きないかもしれない。
3)失速に近づくにつれて、揚力係数は小さくなることが知られています。
でも、失速は瞬間的に起きるのではなく、翼の一部から、徐々に進んでいく、漸進的なものです。
「この揚力係数に対応する速度で失速する」という一点があるわけではない。
針で突いたような一点が「失速点」になるわけではない。
「このあたりから失速が始まっているようだ」から始まって
「これはもう、完全に失速しているなあ」で終わるという、
ある範囲を持ったものです。
でも、それでは、いろいろ不都合なので、
「ひとまず、ここを失速点としよう、これ以下の数値は避けるように設計しよう」
という、エンジアリング・ジャッジをするわけです。
会社によっても、設計者によっても違うかもしれない。
いいかげんだと怒る人がいるかもしれません。
じゃま
- >7 イ)揚力係数は、それ自体、速度の関数です。
と断定してますが、これの根拠はなんでしょうね?
あちこちに出ている揚力=の式は、揚力がVの二乗に比例することを言っているわけで。恐らく実測から導かれた式と思われますが、問題の係数に仮にVの影響があるとしても無視できるということでしょう。
とおり
- >19.
揚力係数CLは、
CL=L/[(1/2)ρV**2S]
で、Lは揚力、ρは気体の密度、Vは速度、Sは代表面積です。
だから、速度が変われば、揚力係数も、それにつれて変わっていきます。
それで、速度の関数です。
>恐らく実測から導かれた式と思われますが
昔は実測と理論と二人三脚でやっていたけれど、今は現象がだいぶ細かくわかってきたので、何か仮定をおけば、理論だけで計算できますよ。
こういう値を実験で出すのは、ものすごくお金がかかるし、ものすごくたいへんですよ。
大きな風洞を作って、ばかでかいブロワーで空気を送るか吸い込むか、をやってたくさんデータをとるので、何人もの人が何週間とか数か月かかったりする。
おおざっぱに、40km/hの流速を出すなら、数百kWクラスのモーターが要るので、電力会社と直接交渉しないといけなかったりします。
こういう実験が、あまりにもたいへんなので、その手間をはぶきたいから、
流体の数値計算法が昔から研究されてきたわけです。
じゃま
- どうしても気になったので書き込みます。
揚力係数が(対気)速度の関数というのは表現として不適切だと思います。
20の式はあくまで実験から揚力係数を求める為の式で、揚力は翼面積Sと対気速度Vの二乗に比例するので、それぞれで割っているだけです。
もちろん、対気速度が変わればそれに応じてレイノルズ数が変化し、結果として揚力係数も変化しますから、「速度の関数」という表現が誤りとは言い切れませんが。
ハ140
- >21.
ハ140さん、はじめまして。
ひさびさに手応えのあるご指摘をいただき、ありがとうございます。
揚力係数の式が、無次元数を得るための定義に過ぎない、というご意見に、まったく異論はございません。
おっしゃる通りだと思います。
ただ、揚力係数の式は、CL=f(L,ρ,V,S)
の形で表すことができ、Vがイクスプリシットに現れています。
レイノルズ数を媒介としなくても、じかに計算できるので、
Vの関数だと思いました。
何が関数で、何が関数でないか、はノミナルなゲームになって、いくらでも議論できてしまいますね…
質問者の方が計算されたように、何か仮定を置けば、実験しなくても揚力係数は計算できる。
しかし、全く相似形の物体でなければ、その絶対値を比較しても意味がない。
球と四面体のレイノルズ数の絶対値を比べても、仕方ないでしょう。
球なら、球どうし、四面体なら全く相似形の四面体どうしの比較なら、
その絶対値は意味を持つ。
違った形状の物体なら、その相対的な変化のみ、意味がある。
流速を2倍にしたときの、球と四面体の熱伝達率がどれだけ上昇するかの比較をする、そういう相対的な比較の場合なら、意味がある。
といった答えで、ご納得いただけますでしょうか。
むりでしょうか。
わたしも三式戦の、特にII型のファンでありまして、
今後もよろしくお願いします。
じゃま
- > 揚力係数CLは、
>CL=L/[(1/2)ρV**2S]
>
>で、Lは揚力、ρは気体の密度、Vは速度、Sは代表面積です。
> だから、速度が変われば、揚力係数も、それにつれて変わっていきます。
> それで、速度の関数です。
じゃまさんは、2行目の式から「揚力係数CLは速度の関数です」とおっしゃるのですね。じゃあ、じゃまさんの理屈によれば2行目の式からCLはSの関数ということですよね。Sの変化にLが正比例するので、CLは微動だにしませんよ。じゃまさんは、「揚力係数は面積の関数である」と主張されますか?
与えられたレイノルズ数に対してVが変わればLも変わりCLは一定であるというのが、古今東西、普通の人にとっての認識だと思います。だからこそ、「係数」と呼ばれているのだと思います。
(私の航空工学は趣味の範囲内です。もし私の認識が誤りでしたら、文献と共にご指摘頂けれありがたいです。)
もちろん、(19)や(20)で言及されているようにレイノルズ数が大きく変われば定数そのものを変えるという認識ですよ。
本トピの元々の質問に対して、(レイノルズ数依存性は考慮の上で)みなさん、揚力係数は定数としてしてカキコされています。なので、それに沿ってカキコすべきです。(個人的にはレイノルズ数依存性がどの程度なのか興味がありますが。それは別トピにすべき話です。)
じゃまさんのカキコは分かっている人にはバカらしいし。分かっていない人にとっては誤解を与えるし。前半はどうでもいいですが、後半は人に迷惑をかけるので良くないですよ。(11)の最後の2行も真摯に受けとめるべきだと思います。
ちょん太
- 被弾する確率を下げて、魚雷発射の確率を上げるために、少しでも高速の雷撃を考えるのが現実だと思いますが。それはさておき。
質問者さんがおっしゃっているように、キ76は計算上揚力係数が6.78がでる。この数字は、普通の(例えばNACAの)翼型テータからすると、大きすぎますよね。(8)で「吹き出し、プロペラ、ジェット後流などを利用しない場合、揚力係数は3前後が常識的な数値です」と
もおっしゃってますので。
機体を浮かせているから、揚力といえば揚力なのでしょうが、通常の翼型のイメージではないのではないでしょうか。キ76では、離陸では大部分のプロペラ後流を高翼機の翼下面に当てて地面効果で浮き上がる力を得ているのだと思います。着陸では、どうなんでしょうか、アプローチの垂直降下速度で浮いているように私は想像します。
なので、高翼機ではない97艦攻にフルスパン前縁スラットとファウラーフラップを取り付けても「揚力係数」6とかの水平飛行は無理なんじゃないかと個人的に想像します。
ちょん太
- >20
>19.
揚力係数CLは、
CL=L/[(1/2)ρV**2S]
あ〜あ〜あ〜あ〜、そう来ちゃいましたか。
じゃまさんはやはり一次式 y=axのとき a=y/x だからaはx(あるいはy)の関数だと考えているようですね。趣旨はわかりました。
>だから、速度が変われば、揚力係数も、それにつれて変わっていきます。
それで、速度の関数です。
オリジナルの式から言えば完全に間違っています。いうまでもなく、Vが増せば揚力もVの二乗に応じて増すのがオリジナルの式であり、揚力係数は変らない(と定義しているのがあの式です)。式の定義を理解できず勝手に変えてしまうのでは議論にならないですよね。
とおり
- だいぶ荒れてきましたね。
鳥町32番地までお越しください。
ぞんぶんに議論いたしましょう。
お盆休みですし。
じゃま
- >26
誤りを指摘するのに25一行目は不要でした。失礼しました。
とおり
- キー76の「最低速度40km」と「最大揚力係数6以上」について補足です。
「設計者の証言」(酣燈社)という本に、元日本国際航空工業設計者益原幸三さんという方の書いた記事が載っておりました。
「迎角も大きいのでPEも大きく指示速度は36キロメートルですが、正確な値は求められませんでしたが、とにかく日本飛行機の最低速度の記録だと思います。」
PEはPitot管Errorのことでしょうか?
最低飛行速度について、少し歯切れの悪い表現になっています。
記載されている速度は、操縦席の計器に表示れている数値で、計器の誤差を補正した対気速度(揚力係数の算出にはこの速度が必要)ではないようです。
機体の姿勢が大きく上を向いた状態なので、全圧管の感度がマイナス(速度を過少に表示)側にずれていることを含んだ記述だと思います。
巡航状態の速度表示誤差は航法に影響するので、マニュアルに修正値が載っていると思いますが、離着陸の際の速度は計器の指示に従えばよいので、「失速速度(計器指示)40km/h」という表現は実用的ではあります。
ちなみに、同じ本の中に「彩雲」の設計者内藤子性先生の書いた記事もあり、
前縁スロット+後縁親子(2段)ファウラーフラップで最大揚力係数2.35という数字が示されています。高揚力装置フル装備でも設計値はこれくらいが相場なのでは?
い
- >>28
PEはおっしゃる通りPitot管Errorか、それとも速度計測→ベルヌーイの定理と連想してPotential Energyか?
キ-76の飛行姿勢を調べているうちに、ピトー管配置はどうなっているのかも気になりました。ちなみにシュトルヒは以下の模様。
http://majo44.sakura.ne.jp/planes/fi156/01.html
駐機状態(機体の姿勢が上向いた状態)でピトー管が水平に張り出しています…やはりピトー管のむいた方向が標準的な進行方向なんでしょうが、普通の航空機とは飛行姿勢からして違うということでしょうか。>>24にも書かれているように高翼機ならではの例かと思います。
キ-76もシュトルヒ同様のピトー管配置なのか / 翼の折りたたみ機構等の兼ね合いで主翼と並行に配置されていたのかも気になりますが。
本題と外れて失礼しました。
太助
- >>29 PE Position Error
航空機のマニュアルでは、機速に対する速度計の修正値のことだそうです。
ピトー管式速度計は、ピトー管の先端の圧力(全圧)と側面の壁圧(静圧)の差をテコで拡大して、指示針を回すのですが、その力(全圧-静圧)は流速の二乗に比例して増減するので、低速では力は極端に小さくなります。
PEは、低速側ではプラス(表示が実速度に対して低め)高速ではマイナスになっていると考えられますので、設計者の方の、「修正なしの値だけど36km/h」という表現になってるのだと思います。
質問の本題に戻って、「時速40km/h」は計器表示で、少し低めになっているとすると、迎え撃つ軍艦からみた速度はもう少し高いことになります。
い
- >>30
Position Errorで調べてみました。
http://www.jal.com/ja/jiten/dict/p173.html
http://airex.tksc.jaxa.jp/pl/dr/AA0047396000/en
ベローズやダイアフラムといった指示計部位の問題ではなく、ピトー管取り付け位置の気流の乱れの問題らしいですね。よって、PEは低速ではプラス / 高速ではマイナスとは一概には言えないのではないでしょうか?添付したJAXAのリンクを読むと、機速ではなく飛行姿勢の影響が大という感じがします。元記事の「迎角も大きいのでPEも大きく」という記述も感覚からいえば納得できるのですが、JAXAのリンクにある実例( 位置誤差推定飛行実験の結果、巡航形態では対気速度の計測値に2.1%加算し、着陸形態では1.4%加算すれば、より精確な対気速度が求められることが明らかになった。) と照らし合わせると、ちょっと感覚的に過ぎる表現であるという印象を持ちました。「巡航形態」が低迎角、「着陸形態」が高迎角としたらですが。
太助
- >>31
どんどん本題から離れて申し訳ありませんが、
PEについて、語源はPOSITION ERRORですが、操縦マニュアル記載の数値はピトー管検出位置での気流の乱れに対してのものに、検出器の誤差を加えたものになっているようです。
例えば、スピットファイアのマニュアルでは、
100-120マイル/時で計器表示値から4マイル/時マイナス
160-180マイル/時で修正値0
270マイル/時以上で計器表示値から8マイル/時プラスとなっています。
JAXAの飛行試験機に比べてかなり修正値が大きくなっていますが、これはピトー管の取り付け位置の差も大きいと思います。JAXAの試験機は胴体の先端ですが、スピットファイアは迎角による誘導速度の大きい翼の近くです。
計測器の誤差については、
KI-76の最高速度220kmと時速40kmの動圧(速度計にかかる圧力)の比は
1:0.03になりますので、最高速度を検出できる速度(圧力)計で最低速度近辺の値を精度よく計測するのは難しいと思います。
最高速度での動圧を計器のフルレンジとすると、最低飛行速度ではフルレンジの3%程度の値を計測しなければならないので、計測誤差は相対的に大きくなります。
い
- なんだかこの設問から思いが運ばれてしまうのは、フェアリー・バラクーダの主翼や尾翼がなぜあのような形なのか、というところだったります。
それにしても、バラクーダもその機能を有効に使うのは発着艦のときです。
キ七十六の主翼翼型は、迎角24°で最大揚力係数CL≒1.7を発揮すると思われます。これに大面積フラップを開いて低下してしまう迎角を前縁スラットを使うことでさらに増大させるのですが、おそらくそれだけではCLは4にも達しないはずで、さらに地面効果が必要となるのでしょう。
仮に九七艦攻をバラクーダのように高翼にしたとしても、こうした大迎角で雷撃するのは極めて困難です。迎角24°の時点ですら、目標は操縦員の目の前に立ちあがったカウリングの陰に完全に隠れてしまいます。
そもそも過程される戦術的要求も現実と乖離著しいわけですし、あらゆる意味で実用的な機体が得られそうには思えません。
片
- バーラ同様に、質問者さまのご発想とは逆に、97艦攻に高揚力装置てんこもりで発着艦性能を確保し、そのぶん主翼面積を減じて最大/巡航速度を増す、というアイデイアなら成り立ち「得る」でしょうか?
航続距離はともかく航続時間が不足するような気もしますし、雷装彩雲モドキな気もしますし、それには発動機馬力が足りない気もしますが・・・
ロク
- >34
日本では親子式ファウラーフラップなどの高揚力装置の発達と発動機出力の向上は時期的に並行していて、いずれも九七艦攻よりあとに来ているわけですから、おっしゃるとおり雷装彩雲でよいのではないでしょうか。
片
- >35 ご教示多謝。
「日本では〜平行していて」に引っ掛かりました。
概観でもありがたくぞんじますが、諸外国ではどうだったのかお教えいただければさいわいです。
ロク