993  新幹線の開発には零戦の技術が使われたと書かれているものと銀河の技術が使われたと書かれているものと飛燕の技術が使われたと書かれているものがあります。どれがただしいのでしょうか?
ぎゃおす

  1. http://ja.m.wikipedia.org/wiki/銀河_(航空機)
    主に銀河かと思います。
    とげとげ

  2. ttp://ccc-cc.cc/?p=18988
    ここが面白いですよ。飛燕に付いては、製造が川崎重工だからなのではないでしょうか。
    通行人

  3. ・零戦
     0系新幹線のサスペンションを開発した松平精氏はかつて空技廠に籍を置き、強度試験に携わっていました。零戦の空中分解の原因究明で主要な役割を果たした人です。雷電の振動問題にも関わり、0系新幹線開発当時は「振動の大家」とされていました。新幹線開発物語では大抵「零戦のフラッター問題を解析した振動の大家」と紹介されます。空技廠の技師ですから零戦ばかりでなく海軍のあらゆる機種に関わったでしょうが、この人の業績で一番有名なのが「零戦のフラッター問題」、と言うか零戦の名前が一番メジャーなので何でも零戦に関係づけられてしまうのでしょう。

    ・銀河
     0系新幹線の車体を設計した三木忠直氏も空技廠から国鉄に再就職した人です。この人は銀河の機体設計に関わり、桜花の主任設計者でした。「特攻機・桜花の技術で作られた」では聞こえが良くないので「銀河の設計」ということになったのでしょう。0系新幹線の空力設計担当者は「DC-8の機首をアレンジした」と言っているので、外形には銀河も桜花も無関係です。

    ・飛燕
     既に指摘されている通り、川崎重工で製造されたから。

     零戦も銀河も飛燕も、直接的には関係ありません。どれが正しいかで言うなら「全部間違っている」けれど、零戦の空中分解事故解析に関わった技術者、銀河の設計に関与した技術者が設計し、飛燕を作ったメーカーが製造したことは事実。「全部正しい」と言うこともできます。

     こんなもん、大雑把に言ってしまえば、皆さんの殆どは「戦艦大和の技術で作られた家」に住んでいるわけで。ご存じの方もいるでしょうが、大和の射撃方位盤を作った愛知時計電機は現在「精密測定機器」で知られ、各家庭にある電気・ガスのメーターのトップシェアメーカーです。普段は目にとめることもないでしょうけど、アレは紛れもなく大和に用いられた技術の後継。「日本の家・建物の多くには戦艦大和の技術が用いられている」と言うことができるなら、「0系新幹線は零戦/銀河/飛燕の技術で作られた」も正しい。「測定器など建築とは関係ない」と言うなら「0系新幹線は零戦/銀河/飛燕とは関係ない」。どちらを採るか、どこに線を引くかは、人それぞれ。価値観、技術というものに対する考え方、新幹線開発を「かつて軍用機に関わった技術者たちが結集して作り上げた」物語として捉えるかどうか、によります。正しいか正しくないかで語れる話じゃないと思いますよ。
    Syn1


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