1947 カーチスP-40のF型ですがV-1650(マーリン28)を搭載してますが、この件は良く言われてるのが高空性能の改善ですが、在庫調整の為という話も見ました。F型からN型までの流れをみるとパッカード社の在庫調整の為採用というのが濃厚のような気がします。実際の所英国側から「マーリンエンジンを搭載してくれ」という要望はあったのでしょうか?
まさのり

  1. P-40へのマーリン装備はイギリス側から出た話で、V-1710が単段式過給機であることによる高高度での性能不足がイギリスでの実験で確認されたからです。マスタングのマーリン換装と基本的には同じ話です。彼らはマーリンを乗せたスピットファイアを日常的に使っていたのですし、V-1710に何が足らないのかを気付くことができた。

    出来上がってきたら、マーリン・マスタングの方が性能が良かったので、マーリンはそちらに集中され、P-40には使えなくなった。P-40F用としてもマーリンは不足してしまい、P-40FのV-1710搭載型であるR型が作られるという状況です。

    パッカード・マーリンが余るほど潤沢に存在し、さらにアリソンの生産を絞っても構わないのであったなら、P-38もマーリン装備になっていたはずですが、アリソンを稼働させ続けるため、P-40やP-38はV-1710のままとなりました。

    アリソンも高高度性能を向上させなければならないことに気づいて開発を行いますが、それが実用に持ち込めたときには、もうP-40はいなかった。そうした流れなのです。


  2. まあ、マーリン・マスタングの試作に対してXP-40Fの方がどちらかといえば本命視されていなった、ということは最初からあったかもしれません。


  3. 片さんありがとうございます。英国はマーリン搭載のP-40は同じ1段2速過給機のマーリンエンジンを積むハリケーンの補完と考えてたのかな。マーリンムスタングに対するアメリカ軍の塩対応を見てると、アメリカ軍戦闘機はP-38、P-47で充分。爆撃機隊はコンバットボックスで対応。制空権下での地上支援、相手航空勢力の影響が少ない/無い所はP-39/P-40と思ってたのかもしれません。だったらマーリンエンジンを搭載する理屈にはならなさそうです。
    まさのり

  4. 実際には、B-17がエスコートなしで1943年の暗黒の10月の3カ月前からすでに、護衛戦闘機としてはP-51が最も有望であると認識されています。それ故、パッカード・マーリンの集中が行われたのです。


  5. 1943年10月以前にはしかし、P-40にもマーリンを回す余裕があった。P-40とて高度4000m以上で空戦できるようにしたいし、継続的にマーリン装備型を生産したかったが、長距離護衛戦闘機の方がはるかに重要度が高かったのです。
    P-40のマーリン装備が、F型、L型、P型と進められつつ実機が少数生産に終わったこととP-51は切り離しては全く考えられません。



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