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初めまして。いきなり不躾な質問で申し訳ありません。 空母海鷹と神鷹ですが、どのような目的に使用するために建造されたのでしょう? ミッドゥェー海戦以降に改装が決定していますが、この頃は既に次期新型機を搭載するには甲板長さ、速力共に不足であることが 解っていた筈なので主力としては考えていたとも考えにくく、完成後もしばらくは輸送ばかりで護衛用としてにも見えにくいのですが ミッドウェー直後の海軍航空本部の文書で、商船改造空母は戦艦や巡洋艦などの改造空母を優先させた後に、みたいな記述もあり 何故、戦艦や重巡の空母化を見送って(航空戦艦や最上はありますが)低速小型商船改造空母をどのよに使用する予定だったのでしょうか? ハードラック |
- 神鷹は竣工後、すぐに海上護衛総体に組み込まれて輸送には使用されていないようです。
海鷹もほぼ同様です。
純粋に護衛任務用途だったのではないでしょうか。
エンリコ
- 海鷹と神鷹にほぼ匹敵する雲鷹では、昭和19年1月に着艦制動装置を「流星」艦攻級の新型機に対応した三式着艦制動装置に換装していますね。
昭和19年10月16日付けの『空母及び搭載機関係報告資料』では、大鷹型の項目として、零戦9機(補用3機)、天山6機で合計18機の搭載計画が記されています(天山の同時発艦数3機と、実用上問題があるようですが)。
ちなみに、昭和18年6月に行われた『帝国海軍の艦艇擬装並飛行機整備方針打合会議』の場で、小型航空母艦の飛行機発進について、射出機方式から、より簡便な補助ロケットにより離艦補助方法に開発重点が移されています。
現実に補助ロケットは実用目処が立ち、昭和19年夏には艦上実験も行われているようですから、海鷹・神鷹についてもそうした運用方法を想定した改装だあったのではないかと思います(伊吹の空母改装は、ロケット使用を前提に行われたのではないかという見方もあるようですね)。
実際、マリアナ沖海戦に敗北した後も、こうした低速小型空母によるサイパン攻撃が計画されたりもしていますし、好機が得られるなら決戦兵力にするつもりで、海鷹や神鷹も改装したのではないかと。
24ノットの隼鷹型が実戦で使えているのですから、21〜23ノットの商船改造空母が全く使えないとも思えません。米軍は護衛空母を、正規空母の艦載機補充プールとして活用しているようですし、このような使い道もあり得るような(日本海軍の兵術思想にあったのかどうかは、知りませんが)。
ちなみに、海鷹は昭和19年1月〜2月にかけて、輸送任務に就いているようです。航空母艦での艦載機輸送任務は地味ですが、戦線を支える上では非常に重要な任務ですから、こうした任務に投入できる艦艇が多いに越したことはないでしょう。
なお、海上護衛任務に投入されたのは、米潜水艦の被害が多すぎるための非常の措置であったのではないかと、個人的には考えます(海上護衛の必要性が低かったなら、決戦兵力の方にカウントされたのではという意味です)。
実際、空母は商船護衛には役に立たないという報告もあるようです。
戦艦や重巡洋艦の空母化は、工期を食うわりには、能力的に充分なものにならず(扶桑型や伊勢型を改装した場合は、隼鷹型相当の空母になりますが、新型艦上機を充分に運用するには、速力・艦型の双方で不足しているものと考えます。戦艦でこれなら、重巡改装空母はより役立たずでしょう)、決戦予想時機に間に合わないという判断があるようです。
ちなみに個人的には、神鷹と海鷹を同列に扱うのは悲しいですね。神鷹の飛行甲板は千歳型よりもやや広く(搭載機数ではやや上回り)、海鷹より20mも長いのですから。新型艦上機が運用困難という意味では一緒ですが。
高村 駿明
- 高村さんエンリコさんレスありがとうございました
なるほど、小型空母でも補助ロケットなどのメドが立ったので改装された訳ですね
ハードラック
- 海鷹や神鷹の改造を促した理由の一つに戦闘機を主体とした「直衛空母」として使用できるとの見通しがあります。
計画時には補助ロケットの目途は立っていませんし、新型機の同時発艦機数が極めて少なく攻撃任務に使用できないことも承知の上で改造が実施されています。
BUN
- どうもありがとうございます。助かりました。
高村 駿明