36  キングジョージ5世型戦艦は竣工直後に主砲の不具合が多発したと聞きます。その不具合とどういったものでしょうか。16インチ砲ではなく14インチを採用したのになぜ不具合が起きたのでしょうか。やはり四連装砲塔に問題があったのでしょうか。
らいおん

  1.  4連装砲塔に不具合があったのは確かです。
     プリンスオブウェールズがビスマルクと砲戦したさいも、連装の第2砲塔は支障なく砲撃していたとのことですから。

     ただ、多くの戦艦は同様の不具合を出しています。大和型もリシュリュー級もビスマルク級もネルソン級も竣工時には不具合があり、改修されて実用度を上げていったようです(米戦艦は不具合が少なかったようですが)。

     ですから、KGV級に取り立てて大きな欠陥があったわけではありませし、実際有効な改修も行われています。北岬沖海戦において、デュークオブヨークの主砲はシャルンホルストに有効な打撃を与え続けたわけです。
    高村 駿明

  2. 高村 駿明さまご回答ありがとうございました。
    14インチ砲とはいえ新設計なのだから初期不良は当然ですね。竣工したときにはすでに大戦は始まっており不具合が大きく問題とされたのでしょう。誉と栄の初期不良問題との差のようなものですね。大和と違い前線で戦い続けただけに初期不良は深刻だったのでしょう。まあそれだけ良く働いた役に立ったのですね。
    らいおん

  3.  キングジョージV世はビスマルクに対して、0900〜0913の13分で22斉射(約40秒間隔)を放ち、その内14斉射で夾叉しています。
     0922に装填機構の不具合が生じて、第1・3主砲は発砲不能となりますが、これほどの密度で砲撃できているものを「深刻な初期不良」まで言うべきかは微妙ですね。

     デュークオブヨークがシャルンホルストに対しては、77回も砲撃しているそうなので(こちらは不具合なし)、場合によっては困るのも確かですが。

     ちなみに余談ですが、誉と栄の差について。栄発動機もまた、冷却問題などの不調に悩まされた発動機です。
     戦争後期になっても、同一時期に誉を搭載した四式戦や紫電と、栄を搭載した隼や零戦では、前者の稼働率が高い場合すらあります。
    高村 駿明


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