42 31ではお世話になりました。ありがとうございました。
また航空母艦の質問で恐縮なのですが、未成空母伊吹は重巡時代から缶と機械を半分に減らしています。
これはスペースの確保が必須だったので減らされたのでしょうか?
それとも重巡のような速力が不要で29ノットで十分だったために減らされのでしょうか?
また伊吹と301号艦の主機と缶は天城と笠置に流用されたという話がありますが、
伊吹は缶と主機の半分を残しているため笠置?に充当するものが足りなくなるような気がします
それとも伊吹の缶と主機は別のところからもってきているのか
あるいは笠置の半分は別の所から缶と主機を持ってきているのでしょうか?
ハードラック

  1. 前段
    伊吹(第300号艦)は空母改造のための重量捻出源として主砲塔と雷装の全部、および主缶主機の半分を撤廃し、2軸72,000軸馬力で29ノットとされました
    これによって浮いた缶室スペースを重油タンク、機械室スペースを軽質油タンクに転用してます
    艦内区画は艦首を右として
    (左舷)
     軽質油タンク・機械室・重油タンク・第四缶室・重油タンク・第二缶室
     軽質油タンク・機械室・重油タンク・第三缶室・重油タンク・第一缶室
    (右舷)

    後段
    天城(第5001号艦)と笠置(第5004号艦)の主缶・主機は第300号艦・第301号艦用に準備されたものを使用してますが、仰せのようにどの分をどのフネにとか、また不足分をどう都合つけたかまではチト判りかねます
    以上「海軍造船技術概要」第二分冊に拠る
    駄レス国務長官

  2. 駄レス国務長官さん、レスありがとうございます。
    出典まで示していただいて大変助かります。感謝に堪えません。
    後段はちょっと気になったのでついでに質問したのですが、妙な質問で済みませんでした。
    重量を減らすために速力低下を忍んで主缶主機を半減し、空いたスペースを利用した、つまり
    重油タンクとガソリンタンクのために主缶主機を削除した訳ではなかったのですね。
    伊吹は重心を下げるためバルジを付けたりしたようですが、主缶主機は付けたままの方が重心を下げる効果がある気がしますがそうでもないのですね。
    ハードラック

  3. >2.
    重心もさるコトながら、フネはまず水に浮くコトが最重要ですんで、飛行機や飛行甲板や格納庫やエレベータなどを載せるためには、相応の重量軽減が不可欠ってコトなんですね
    あとバルジは重心低下でなく浮力増大が主眼と思います
    重心もただ低いだけでは復元力過大→動揺周期小となって具合が悪いので、艦種ごとに適正なGM値の範囲ってモノが有ります
    駄レス国務長官

  4. >1.の補足
    伊吹の艦内区画は昭和造船史第1巻に図が載ってます
    あと鈴谷型・蒼龍型・雲龍型の主機は基本的に同一なので、本来ならコンスタントに製造されるはずのところ、製造能力の関係で第300号艦・第301号艦から転用したり、ついには間に合わなくなって葛城・阿蘇・生駒に駆逐艦用の主機を載せたりしたワケです

    >3.の訂正
    同著の断面図を見ると、伊吹の追加バルジは喫水線の上下にほぼ対称的に付いてますので、重心低下も相応に意図されてますね
    失礼しました
    駄レス国務長官

  5. 駄レス国務長官さん。
    色々教えていただいてありがとうございます。助かります。
    調べていただいたりしたみたいで、本当に済みません。
    >相応の重量軽減が不可欠ってコトなんですね
    なるほど、空母への改造が配慮されていた剣崎や大鯨、千歳などの艦型と異なり、重巡洋艦を改造して空母にするのは
    結構大変なことなのですね。
    信濃も時間がかかってますし、戦艦、巡洋艦の転用は容易でないのですね。
    >鈴谷型・蒼龍型・雲龍型の主機は基本的に同一なので
    それで転用が計画されたのですね、知りませんでした、ありがとうございます。
    「海軍造船技術概要」「昭和造船史」両方とも欲しいですけど値段が高いのですね
    貯金して買いたいですがそれまでは図書館などで読んでみたいと思います。
    ハードラック


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