79  スクリューについて質問します。
1 スクリューは水面下にあり、通常見ることはできません。しかし、進水前の写真或いは模型などで見ることができます。そして、それらによると、スクリューは金色です。ということは真鍮でできていると思われます。では何故、真鍮製なのでしょうか。
2 特に大型のスクリューはどうやって作るのでしょうか。鋳造、鍛造、それとも飛行機のように骨組み作ってから上に外皮を乗せるのでしょうか。
3 スクリューは回転軸の先端についており、その回転軸は船体を貫通しております。したがって、その貫通部は何らかの対策を施さないと浸水してしまいます。
 どのような対策を行っているのでしょうか。プラスチック・モデルなどではグリス・ボックスなどを使っていたように思うのですが(^^;)。
 以上、宜しく御願いします。
二一斎

  1. 1.
    真鍮(黄銅)の中でもマンガンが添加された高力黄銅(通称マンガン青銅)と呼ばれるモノで、強靭性・耐摩耗性・耐海水性に優れています
    2.
    一体鋳造して機械仕上します
    T芝機械製の工作機械が旧ソ連に不正輸出されて同国潜水艦の静粛性が向上したため、米国で同社製品の排斥運動が起きたのは有名なハナシですよね
    3.
    船尾管stern tubeは一種の平軸受で、軸受材にリグナムバイテ(非常に硬くて油分を帯びた木材)、潤滑材として水(海水)を使用します
    もちろん若干は軸受隙間より船体内に浸入しますが、ビルジポンプで排水します
    駄レス国務長官

  2. >1
    2. 東芝機械のココム違反事件について
    輸出自体がココム違反だったこと及び当時のアメリカ政府が東芝機械が輸出した機械とソビエト潜水艦の静粛化を結びつけたことは事実ですが、この機械がソビエト潜水艦の静粛化には関係がなかったことがソビエト連邦崩壊後の情報公開で明らかになっています。

    けい

  3. 2.一体鋳造して機械仕上げ…

     機械仕上げだけではキャビテーションの発生を防げないので、端部だけは職人の手作業で滑らかに仕上げていたと思います。
    おうる

  4. >2.
    >3.
    ご指摘有難うございます

    >1.の3に補足
    船尾管の船内側の端部には填箱stuffing boxが設けられており、ここのパッキング(締付調整可能)で最終的に防水します
    駄レス国務長官

  5. 軸受けですが、最近はフェノール樹脂を用いているようです。
    私も詳しくは知りませんが…
    名前が長すぎる

  6. 最近の動向として、
    1.プロペラの材質はアルミニウム青銅鋳物が多くなっています。鋳造性が
      よく、耐食性にも優れています。
    3.軸が船体を関する部分は、大型船ではメタル軸受に油潤滑、その部分で
      海水をシールします。小型船ではテフロンを使用した軸受で海水潤滑、
      船体貫通部分には、船尾管シール装置(軸封装置)といわれるゴム製の
      リップシールタイプものを取り付けています。いわゆる「グランドパッ
      キン」方式は小型船ではともかく、ある程度大きくなると使用される度
      合いは低くなります。
    MK

  7. 3だけの回答ですが・・・
    最近の小型船ではFRP船体との相性を良くするため(接着性が良い)船尾管はFRP製のものが主流になりつつあります。ベアリングはゴム製のカットベアリングが既に主流で、リグナムバイターは主な産地である南米での伐採禁止のためあまり使われなくなっています。軸シールは旧来のグランドパッキン方式もまだ使われておりますが、しだいに商品名ディープシールもしくはその類似のリップシールアッセンブリーをインナーOリング、アウターゴムホースで船尾管に接続/シールする方式になりつつあります。

    大型船では金属船尾管、グランドパッキン方式がまだ多く、ただしベアリングはリグナムバイターは上記の理由で使われず、ゴム製カットベアリングになっているようです。新造船ではグランドパッキンの替わりに、メカニカルシールを使用するものも出て来ているようです。メカニカルシールはグランドパキンと違い、漏水させる必要がないため、ビルジ汚水の処理を軽減できるという理由が大きいと聞いています。
    elebras

  8. 皆様、ご教授有難うございました。大変、参考になりました。それにしても、リグナムバイターって凄い木ですね。
    二一斎


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