100 気象庁風力階級表によれば 風力8 風速34ノット(時速63km)で 「風に向かって歩けない」となっています。
合成風速がそれ以上になり、さえぎる物が無い空母甲板上での作業は どうなんでしょうか?
磁力靴?があっても 命綱無しで両手で物をもって作業すれば転倒しそうに思えます。
いくつか米空母甲板の動画を見たのですが 風があるように見えません。
最近の空母は 高速航行しないのですか?
利一

  1. 航空母艦の発艦作業は通常、20ノット〜30ノットの間で行われます。
    その理由はお考えの通りです。
    カタパルトなどの促進装置があればもっと低速でも問題なく行えます。
    BUN

  2. BUNさん 有難うございます。

    カタパルトを使わなかった第二次世界大戦時代の実写映画をいくつか見ました。
    爆弾装着などの甲板作業風景は 合成風速30ノット無いとしか感じれませんでした。
    甲板作業が終わり 安全確認後 増速あるいは向かい風側に転舵して一斉発艦を迎える手順だったのでしょうか?

    艦隊の対空射撃シーンの煙の動きを見ても 強い風速を感じません。
    本当に空母艦隊は高速機動していたのでしょうか。 
    利一

  3. 以下、第二次世界大戦の話ですが

    艦隊は作戦行動中でも巡航速度前後(15〜20ノット位)の速力であることが殆どです。この辺は燃料事情と作戦上の要求(含む敵情)により決まります。高速を出すのは被空襲時や潜水艦発見等の戦術的要求、または敵との距離を至急調節(離隔又は接近)する作戦的要求がある場合に限られます。

    ですから一般的には発着関係以外の甲板作業は15〜20ノット位の速力で、必ずしも向かい風でない状況で行なわれることが殆どです。

    また、敵発見後、即発艦するのが理想ですから、武装関係の甲板作業は敵発見前に済ませておくのが一般的です。
    第一次攻撃隊なら黎明時には完了していると思って良いでしょう。

    出沼ひさし

  4. 有難うございます。
    何か空母高速艦隊のイメージが崩れたような・・。

    駆逐艦の雷撃行動は40ノット近い高速であったと推測しますが、風に吹き飛ばされずに次発装填とか 良く出来たものだと思います。
    素晴らしい体力が必要だったでしょうね。
    利一

  5. 魚雷の次発装填も高速ではできません。
    出沼ひさし

  6. そういうものですか・・・。
    何か 艦の高速化に力を入れても割が合いにくいですね。
    利一

  7. 3の回答の第一段落を良くお読みになれば「艦の高速化」の意義が理解して頂けると思いますが。
    出沼ひさし

  8. 例に挙げて頂いたもので言えば
    被空襲時・・・飛行機の速度から見て回避の高速性は意味が薄い。
     露天の対空射撃操作も風で邪魔されるより 巡航の方が良いかと。
    潜水艦発見時等の戦術的要求・・・対潜水艦は護衛駆逐艦の例を見ても不要。対艦はそうですが、航空機時代に入り 艦対艦戦が成立しづらくなると重要度が薄くなります。
    敵との距離の調節・・・これも航空偵察で遠距離で発見できる時代になると瞬発的に出る高速より 巡航速度の高速性が必要でしょうね。質的に異なるものになります。
    つまり 速度が桁違いの航空機の登場で 戦術的な意味での艦の高速性の価値は下落した。
    反面 巡航速度の高速化は 現在の商船もそうですが より重要になった。
    ・・と言う理解でよろしいでしょうか。

    高速が一番必要と思えた空母で有っても、又駆逐艦の襲撃行動でも 艦上で作業する人間がいる以上 連続しての高速運用ができないことを教えて頂き 勉強になりました。
    利一

  9. がんらいWW2期の空母の高速は前進部隊として甲巡(重巡)と一緒に行動するために必要とされたものです
    「敵との距離の調節」ってのは、たとえば夜間に高速で敵側に進出して間合いを詰め、発艦後は逆に高速で敵から遠ざかって敵機の滞空時間を少なくし、空襲後はふたたび敵側に戻って早期に味方機を収容するようなコトです

    また駆逐艦の高速は敵艦の前程に出てから反航し好射点を得るために必要なものですから、魚雷発射後は適宜退避・減速して次発装填し次の襲撃に備えるってコトになるでしょう

    あと商船と軍艦ではそもそも巡航速力のイミが違います
    商船は2点間を定時かつ短時間で結ぶため巡航速力=常用最大速力ですケド、軍艦の巡航速力は航続距離との折り合いがつくベストスピードってコトになります
    なのでタービン推進ですと商船には巡航タービンが有りませんが軍艦には付いていて、だいたい18ノット以下はコレがメインで作動します
    巡航速度の高速化はすなわち巡航タービンの大出力化ですから、突き詰めると主タービンに近づいちゃうワケで、重量・容積・燃料消費についてメリットが薄くなります
    駄レス国務長官

  10.  航空攻撃回避の場合、航空機が目標の攻撃位置に付き辛くする、という点で艦艇の高速性能は大きな意味を持ちます。
    大塚好古

  11. 高速の必要性
    「被空襲時」:10の大塚さんの回答通りです。
    「潜水艦発見時」:潜伏海域から早く離脱するためです。もちろん、雷撃を受けたら緊急回避のため、高速を出します。
    「敵との距離調節」:9の駄レス長官閣下の回答通りです。
    高速を出す必要性は他にもたくさんあります。戦記等を読まれていればお分かりかと思いますが。

    それと「連続しての高速運用」をしない理由の第一は燃料問題です。高速航行は燃料を大量に消費します。
    利一さんは徒歩で外出のとき、常に全速で走っていますか?普通は歩きますよね。でも時間に遅れそうな時、ナイフを持った人が近づいてきた時は走ると思います。体力というリソースを必要に応じて配分していますよね。
    艦艇も同じです。普段は巡航速度で航行し、必要があれば高速航行します。燃料というリソースを必要に応じて配分するわけです。
    出沼ひさし

  12. 大塚さん

    沖縄戦でしょうか、40ミリ連装砲塔の実写射撃シーンを見ました。
    20ノット以下としか思えない様に思えました。
    露天の砲塔で30ノット以上の高速を出せば、給弾等作業に支障が出ると思います。
    対空射撃力より高速は重要なのですか。
    それとも舵が効き易いように15ノットは出すと言うことでしょうか。
    利一

  13. 駄レス国務長官さん

    第一次ソロモン 鳥海?の戦記で 魚雷発射から すぐ次発装填を命ずるシーンが有りました。
    蒸気タービン駆逐艦の加減速性能はそれなりですから、次回襲撃に備え 最大戦速近くで魚雷装填したように想像したわけです。
    風に飛ばされずに よくやったな と。
    利一

  14. >12

     艦艇が高速で機動することにより、航空機が攻撃位置に付くことを困難とする(最悪の場合、攻撃を断念せざるを得なくなる)・敵性航空機の攻撃位置に付くまでの時間が延長される分、防空戦闘機の迎撃時間も拠り長くなる等の戦術的優位が生まれます。また高速な分、艦側の攻撃回避が容易になることを含めて雷爆撃の実施が拠り困難にもなります。

     ミッドウェーの米雷撃隊撃滅時における日本空母部隊の艦隊機動や、南太平洋海戦におけるエンタープライズの防空戦闘の記録を調べれば、航空攻撃回避時に艦の速度性能・運動性能が如何に戦闘に影響するかが分かるでしょう。
    大塚好古

  15. >13.
    第一次ソロモン海戦の第八艦隊の速力は突入時と退避時が30ノット、合戦中は28ノット前後じゃなかったでしょうか 
    駄レス国務長官

  16. >14

     高速必要性への疑義と言うより 30ノット超で露天で連続しての対空射撃が出来るのか が疑問なんです。
     米40ミリのクリップや日25ミリ弾倉 両手に持って 風速60kmの中 補給に向かう・・ほぼ不可能なことだと思いますが 戦記で書いて有るのを知らないんです。
     もし択一であれば 私が艦長ならば高速より対空砲火を選ぶと思います。
    利一

  17. >15
    やはり30ノット近辺で装填したと考えられますよね。
    駆逐艦位の船で30ノットだと 波によっては最大加速度1G位有るんじゃないでしょうか。
    体が跳ね飛ばされる位大きく揺れる艦上で 30ノットの風に逆らって 魚雷を押して装填する。
    駆逐艦乗りは凄いです。
    利一

  18. >14

     高速必要性への疑義と言うより 30ノット超で露天で連続しての対空射撃が出来るのか が疑問なんです。
     米40ミリのクリップや日25ミリ弾倉 両手に持って 風速60kmの中 補給に向かう・・ほぼ不可能なことだと思いますが 戦記で書いて有るのを知らないんです。
     もし択一であれば 私が艦長ならば高速より対空砲火を選ぶと思います。
    利一

  19.  珊瑚海・ミッドウェーのヨークタウン及び護衛艦の事例を始めとして、30ノット超で対空戦闘やっている例はフツーにありますが…。
    大塚好古

  20. >17.
    気象庁 震度と加速度 に拠れば、最大加速度1G位でゆうに震度7ですから、そんなにも大きく揺れたらそもそも戦闘など出来ないんじゃないでしょうか
    駄レス国務長官

  21. >18
    「護衛艦が沈んだら意味をなさない。護衛の目的を達するため、全力を尽くした。
    個人の生死は考えず、艦の健在と乗員の安全を願った。
    艦隊の速力より相当速い、ほとんど全力の35ノットを出した。『大和』は24-28ノット。
    『初霜』は舵を大きく取って、艦隊速力に合わせた。」(当時駆逐艦「初霜」艦長 酒匂中佐)
    (「ドキュメント戦艦大和」(吉田満/原勝洋 両氏著 文春文庫より抜粋−)

    坊の岬沖海戦のワンシーンです。
    Ranchan

  22. 私はクルーズ好きですが 何度か天地が引っ繰り返ったような経験しました。
    艦にも招待して頂きましたが 平気な乗組員が不思議。
    わずか1m超の波で30ノットの巡視船むらくもは 上下加速度だけで最大2.3g 私なら入院です。
    波が高い外洋では 水船長110m程度の駆逐艦では 日常行動をするだけでも訓練が必要であったでしょうね。
       
    戦記では あっさり30ノット超で戦っていると伝えています。
    でも 露天での仕事が必須の艦では(戦艦や巡洋艦以外)、人間が訓練だけで 揺れと強風の中 重労働をこなせるのか 疑問でした。
    速度要求は絵に描いた餅で過大でないか と思った次第です。
    空母は勿論、艦に収容され機力化された現代艦でも露天作業は 幾つか有りますね。
    疑問は解けませんが 戦記が正しければ 訓練で可能で有り、人の力が偉大なのでしょう。
    利一

  23. >18
     別に30ノットの艦の上全てが30ノットの風に覆われてるわけではありません。構造物の影や防楯の裏側なら大した問題にはならないでしょう(たとえばオープンカーは100km/hで普通に過ごせます)

    SUDO


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