104 初めまして、いつも貴重なご意見を読ませていただいております若輩者です。

過去ログや、回答者様のサイトを拝読している内に気になる艦ができ、質問させて頂きました。
過去ログやサイトで名前を見かけるボロジノ級戦艦のスラヴァ(スラバ・スラーヴァ)なのですが、HPや本を探してみても、探し方が悪いのか、詳しく扱っているものがなかなか見つかりません(いくつかありましたが、記述が食い違っていたり、概略のみでかえって頭をかかえこんでしまいました)
『リガ湾におけるスラヴァの奮闘』は各所で目にするのですが、内容がさっぱりつかめずに、かえって蛇の生殺し状態となってしまいました。

そこで、特に気になっている点を質問させて頂きたく思います。
・第一次リガ湾攻防戦において、独巡洋艦と交戦しこれを撃沈したそうですが、相手方の艦名、経過とも全く分かりません。どのようなものだったのでしょうか?
・第二次リガ湾攻防戦において、独弩級戦艦2隻と交戦し、一度はこれをアウトレンジで撃退したとの亊ですが、詳細がわからず、気になっています。スラヴァは改装に際して最大仰角を上げ、射程を伸ばしたとの亊ですが、命中弾(あるいは至近弾)はあったのでしょうか?また、随伴していた艦(装甲巡バヤーンと戦艦ツェザレウィッチ?)は、この砲戦に参加しえたのでしょうか?
・潜水艦による攻撃が試みられたとの記述があったのですがこれは事実でしょうか?
・スラヴァは大破後、修理不能とされ閉塞艦として自沈したとの事ですが、これは一度港に戻って決断されたのでしょうか?それとも、海上で大破後、港までもたない(戻ってもしょうがない?)として処分されたのでしょうか?
また、スラヴァのリガ湾における一連の戦闘について、詳しく扱っている書籍、あるいはHP等ご存知でしたらご紹介願えませんでしょうか?
HPは上記の読み方で引っかかるものは大体見たかと思うのですが(見落としはあるかもしれません)書籍に関しては『死闘の海〜第一次世界大戦海戦史〜』で若干の記述を見つけただけです。

長文乱文で失礼致しました。
以上の点につきまして、もし一つでもご存知の方がいらっしゃいましたら、何卒ご教授下さいますようよろしくお願いします。
浜村

  1. とりあえずウィキ
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A1_(%E6%88%A6%E8%89%A6)

    > 詳しく扱っている書籍、
    書名 婆爾的海海戦史 第1巻 第2巻
    著者名 ドイツ民主共和国海軍軍令部
    出版社 〔東京〕海軍軍令部
    出版年 1930 年

    > ・第一次リガ湾攻防戦において、独巡洋艦と交戦しこれを撃沈したそうですが、
    当該戦闘で沈没した独艦艇は駆逐艦のみで巡洋艦は該当しません
    駄レス国務長官

  2.  第二次リガ湾攻防戦なら、下記の書籍が出てますよ。

     http://www.amazon.co.jp/Operation-Albion-Conquest-Islands-Twentieth-Century/dp/0253349699/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=english-books&qid=1251506673&sr=8-1

     基本的に陸戦主体の本で海戦の部は詳しくはないですが、概ね必要な情報は押さえていると思います。

     因みに同書に拠れば、スラヴァが独の弩級艦二隻を一旦撃退したのは、同艦にアウトレンジされた状態でドイツ戦艦に近弾が生じたことが、ドイツ側に一旦撤退の判断をさせた一因となったとされています。
    大塚好古

  3. あと日本語で読める本だと「ソビエト海軍-その歴史と戦略-」でしょうか。ネットの古書サイトなどで比較的入手しやすいかと思います。以下その本に基づいて記述。

     ・スラバによる直接の戦果は8/16に掃海艇1を撃沈のみ。
     ・大破後、脱出不能と判断され自沈。ただし閉塞に適したポイントではなかった模様です。
    じょーぢ

  4. まず皆様、稚拙な質問に丁寧な回答を頂きまして、本当にありがとうございました。
    おかげさまで色々と疑問も晴れて、一方で興味は尽きません。スラヴァと海軍だけの力ではないとはいえ、なぜ少数の旧式艦主体のロシア艦隊が、第一次リガ湾攻防戦で弩級艦多数を含むドイツ艦隊を撃退しえたのか、また、つい最近までは、漠然と『弱い』と思っていたボロジノ級とバルチック艦隊の実力はどういったものだったのか、もっと知りたいと思います。
    この時期の亊については、最近興味を持ったばかりだったので、ほとんど何も知りませんので。
    ご紹介して頂いた本は早速注文致しました(婆爾的海海戦史は見つかりませんでしたが…)。届くのが今から楽しみです。
    北東北の小都市に住んでいるので、こういう時には通販は助かります。
    以下、各氏に

    >>駄レス国務長官様
    >当該戦闘で沈没した独艦艇は駆逐艦のみで巡洋艦は該当しません
    ありがとうございます、該当なしですか。
    ドイツの損失軍艦で探していても、それらしいのが見つけられなかったのですが、何ケ所かで記述を見ていたのでもやもやが晴れなかったのです。

    >>大塚好古様
    >アウトレンジされた状態でドイツ戦艦に近弾
    あのクラスのドイツ艦をアウトレンジというと、15000〜20000m程度になるのでしょうか、それで近弾というのは驚きの一言です。
    以前、過去ログで『スラヴァが公算射撃を行った』との記述を読んだような気がするのですが(すいません、曖昧です)、どちらにしろ、遠距離砲戦の訓練がしっかりなされていたという亊なのでしょうか。
    黒海でのヤウズ・スルタン・セリムとの交戦においても、ロシア戦艦は相当頑張っていた(20000m超で命中弾?)記憶がありますし…

    >>じょーぢ様
    >スラバによる直接の戦果は8/16に掃海艇1を撃沈のみ
    なるほど、具体的な戦果がさっぱりわからなかったのでとてもありがたいです。双方とも、要塞と機雷源or主力艦隊との遭遇を恐れて深追いは避けていたような印象があります。潜水艦での損害も出ていましたね。
    >大破後、脱出不能と判断され自沈
    なるほど、そうでしたか。革命騒ぎで、修理を放棄されたのかもしれないとも思っていたのですが。
    >ただし閉塞に適したポイントではなかった模様
    確かに、wikiの写真を見る限り、閉塞艦というよりは浅瀬に乗り上げたような雰囲気でした。納得です。
    浜村


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