129  水中翼船について質問します。
 低燃費で高速運行が可能…とは聞きますが、大型化がむずかしく頑張っても600トンぐらいが限度とも聞きます。低燃費とはいっても「高速な割に…」という但し書きが付きそうですし、港湾も水中翼船に対応する専用の岸壁が必要になるため設備投資も大きくなりそうです。大型化ができないとなると輸送コストの減少も通常の船舶ほどのコストパフォーマンスは期待できないように思います。
 ドイツ軍は地中海での輸送(アフリカ戦線?)に水中翼船の導入を図った例があるようですが、水中翼船の軍事利用はミサイル艇等の小型戦闘艦艇に限られ、高速輸送手段としては民間の定期/不定期航路等の小規模輸送に限られるようです。
 船舶による輸送コストは陸上輸送のおおよそ1/100…という話は聞きますが、水中翼船の場合はどうなのでしょうか?
おうる

  1.  例えば東海汽船は東京〜大島の航路に一般的な貨客船とジェットフォイル(水中翼船)の両方を投入しております。
    http://www.tokaikisen.co.jp/ship/hendo0911.shtml
     この運賃表によると、貨客船だと4270円(燃料油価格変動調整金460円)で、ジェットフォイルは6940円(燃料油価格変動調整金740円)となってます。
     東海汽船が相応の経営収支を保っていると考えた場合、ジェットフォイルの距離あたりのコストは一般船舶の二倍には届かない程度で済んでいると考えてよいかと。もっとも、水深のある港湾等の設備投資を公的資金に委ねているのかもしれない等、必ずしも公平な比較とは言い難いかもしれませんが。
    SUDO

  2. http://www.mlit.go.jp/hakusyo/transport/shouwa41/ind060202/003.html
    昭和41年の運輸白書なんで古すぎて参考にはならないとは思うが、この中で「水中翼船は一般旅客船の約5倍の経費を必要としている」と書かれています。
    当時は水中翼船と言っても半没型水中翼船がほとんどで水中翼の接触を防ぐ専用の接岸施設を必要としてましたが
    現在のジェットフォイルは水中翼が折りたたみ式で、半没型と異なり翼の左右への張り出しもないため港に特別の設備なしに着岸できるので港湾等の設備投資は必要ないかと。

    ただガスタービンを使用しているのでエンジン自体が高価でメンテナンスも経費がかかりそうではありますが。
    jas1

  3. http://www.h2.dion.ne.jp/~kokudoh/column/050526.htm
    ちなみに搭載貨物量とか無視して乗客一人あたりの燃費で単純に比較すると一般船舶の1.5倍位だそうなので1.の運賃はおおむね妥当なのかなと。

    jas1

  4.  ありがとうございます。
     3倍までは届かないだろうとは想像してましたが、やはり普通の船舶とは正面切って渡り合えるほどのコストパフォーマンスは無いようですね。乗客がシートベルトを締めていなければならない…ということからも、そもそも最初から貨物輸送には向いていないように思えます。
     高速旅客輸送という一種の隙間市場だから経営が成立しているものであり、軍用水中翼艦艇も高速ミサイル艇に限られるのも仕方ないと納得しました。
    おうる

  5. 蛇足ながら流木に衝突しただけであれだけの大事故になるし、台風で流木が流れるたびに運行ができなくなるなど、ちょっと軍用にしては確実性に欠けるような気がします。
    wittmann

  6.  遅くなりましたが。

     http://profile.yahoo.co.jp/consolidate/9173

     では2008年度は黒字に転じております。航路経営は運航航路トータルでの収支が重要ですので。中古船のまとめ買い購入で前船の「アルバトロス」よりも安いと聞いております。

     もう一つ、同社の水中翼船は宿泊施設を持っていないので、乗員は日帰りで帰れることになり、在来船に比べて乗員の人件費が安く済みます。

     …ただ、荒天の度に機関長が船底を人力で上げて着水を防ぐのは勘弁して欲しいですがw
    RNR


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