195 金剛級の36センチ砲塔と長門級の40センチ砲塔は互換性があったという噂を聞きました。
本当ですか?
また、本当でしたら、何故積み替えをしなかったのでしょうか?(スリガオ海峡での扶桑山城など)
カシオ

  1. ローラーパス直径が36cm砲塔の7,721〜7,772mmに対して40cm砲塔は9,000mmですから互換性など無いんじゃないんでしょうか
    駄レス国務長官

  2. 先の方が答えられていらっしゃるように互換性はありません。イタリーは、ワシントン海軍軍縮条約の都合で、既にある戦艦の砲塔の個数を減らしてまでして、これまた既に装備している主砲の内径を削って主砲口径を大きくしましたが、5年の工期と新造費の倍の経費がかかったと言われています(伊藤正徳氏の著書等)。
     なお、金剛代艦建造の際に、各国との間でワシントン軍縮条約の改正についての議論があり、この際戦艦の主砲を14インチ、その他確か12インチに制限する話があったそうです。このため、金剛代艦の主砲は一応14インチとし、将来は砲塔の門数を減らして16インチにする(似た例が、最上です)ことも検討されたようです(福井氏)。それとの混同ではないでしょうか。
    UK

  3. >2.
    主力艦主砲口径の14in以下への縮減は1935〜36年の第2次ロンドン会議(日本は脱退)で討議されたモノです
    いっぽう金剛代艦は艦本(藤本)案も平賀私案も50口径41cm砲で計画され、時期も1930年のロンドン会議以前ですから、14in砲への口径縮減とは無関係なんじゃないでしょうか
    駄レス国務長官

  4. >3

     多分ジュネーブ海軍軍縮会議と、ロンドン条約の前交渉の時の話じゃないかと。両方とも主力艦の主砲口径の縮減と、排水量上限減少を英国が提案した記録がありますから。 
    大塚好古

  5. たぶん質問者様は扶桑型・伊勢型の36cm→41cm砲換装計画が念頭にあるんだろうと思いますケド、砲塔に互換性が有って旋回部を簡単に載せ換えられるワケじゃないですからね
    駄レス国務長官

  6. >艦本(藤本)案も平賀私案も50口径41センチ砲で計画され

    昭和4年7月31日付の平賀意見書「主力艦設計X」の中では主砲口径は52口径と記載されてます。
    本当に50口径で計画されていたのでしょうか?

    内藤初穂氏の 「戦艦大和へのレクイエム」46ページから47ページに記載されている平賀意見書を読んで疑問を感じたんで脱線質問をご容赦下さい。
    軍艦ファン

  7. >6

     あくまで私感で確答ではありませんが…。

     造兵側の資料だと、昭和三年頃から41cm50口径砲をベースにした41cm52.5口径砲の検討・開発を実施しているのが確認出来ます。平賀意見書に記載されている52口径砲はこれを指しているのではないかと思います。

     確かに同砲の開発は金剛代艦の検討と並行して実施されている様なのですが、昭和五年一一月に出された造兵資料だと、52.5口径砲は未だ試作・製造途上で、製造図面も一部が出図していない状態にありました。同資料に依れば、必要な予算が付いたとして試作砲の完成は昭和七年以降になるとされています。この様な同砲の開発状況を考えると、同砲は金剛代艦ではなくそれ以後の戦艦用主砲として開発されていた可能性も否定出来ません。

     実際に「金剛代艦は八八艦隊戦艦用に試作された50口径砲を使用する」という造兵側の資料を見た記憶もありますので、金剛代艦は「開発・製造が間に合えば52.5口径砲の装備も考慮する」が、基本的に50口径砲の搭載を前提として計画・検討が進められたのではないかと思います。
    大塚好古

  8. ↑資料を読み違えたので訂正。

     「必要な予算が付いたとして試作砲の完成は昭和七年以降になるとされています」
      ↓
     「必要な予算が付いたとして、試作砲の完成は早くて昭和六年六月になると報じています」

     あと追記ですが、この時点で試射用の砲架の製造は全く進んでおらず、「予算が付けば砲架の製造を行う」状態にありました。この際に「砲身の製造予算含まず」で砲架の予算が試算されていますので、砲身も未だ完工状態にはなかったと思われます。
    大塚好古

  9. 大塚様
    解答を感謝します。

    もう一つ本来の質問と関係するのですが、   >扶桑 伊勢型の41センチ砲換装計画
    これは本当に有った物でしょうか?
    学研の「日本軍艦発達史」162ページの史料に「研究の上日向 伊勢の主砲を40センチ砲に換装す」と記載されてますが×とされており真相が不明なので再度質問させて頂きます。

    軍艦ファン

  10. 横から失礼します。

    金剛代艦用と思われる砲塔図面には、50口径と52.5口径の双方で砲身のシルエットが記入されているものがあるので、大塚氏の言われるように、可能であれば新型砲を採用したいが、という状況であったと思います。

    ちなみに昭和3年以前の平賀による主力艦代艦の検討資料では、50口径砲と45口径砲の比較は確認できますが、52.5口径砲は確認できません。

    なお、伊勢型の主砲換装がどの程度真剣に研究された物かは不明ですが、ワシントン条約の時期に、扶桑型を16インチ砲化する改装案が艦政本部によって提案されている事実は存在します。
    東京の人

  11. >>10
    >ワシントン条約の時期に、扶桑型を16インチ砲化する改装案が艦政本部によって提案されている事実は存在します。

    扶桑型戦艦をどのような主砲配置に改装する案だったのでしょうか?
    宜しければご教授頂けませんでしょうか。
    Ranchan

  12. >11.
    平賀アーカイブの下記を参照願います
    資料番号:2228
    中分類:12
    小分類:01
    カテゴリ 軍艦構造:その他
    目録〔主力艦改装関係史料〕
    表題〔扶桑級改造案〕
    駄レス国務長官

  13. >>12
    有難うございました。

    (艦尾←)三連・(後部艦橋)・三連・(艦橋)・連・連(→艦首)でしたか・・・。

    (艦橋・後部艦橋位置は原図の空白配置よりの勝手な推測)
    Ranchan

  14. 山城や伊勢の主砲の16インチ砲への換装計画ですが、「計画」の定義如何ですが、なかったと思います。実質的に不可能です。今日と異なり、リベット構造かつ防食塗料の性能も悪い時代に、残りの寿命も短い旧式戦艦に、船体に比較して高価な主砲を新しく製造して取付けても無駄です。単に、砲塔を取り替えるだけでなく、重量が増えたことによる砲塔動力の増大、弾丸が大きくなることによる弾庫の変更、弾丸、装薬の弾庫への搬入経路も変更する必要があります。船体の重心や排水量も変化します。結局、新しく建造する以上の経費がかかります。それ以前に、発射台としての安定性にも問題が生じます。弾丸の威力はともかく、命中率も低下します。
    ちなみに、対象は違いますが、現在の航空自衛隊のF15戦闘機でも、旧式型(PreーMSIP)は、本格的な近代化の対象とされていません。
    UK

  15. >14.
    >結局、新しく建造する以上の経費がかかります。

    >12.の資料では改造費総額7百万円の見積です
    建造費ですケド、山城・伊勢・日向の3隻合計の予算が約8千6百万円、1隻当たり約2千9百万円ですから、改造費はその約1/4といったトコロです
    駄レス国務長官

  16. 15について、言い訳をする心算はありませんが、大和の建造費は1.4億円です。インフレがどの程度進行したか知りませんが、伊勢型の建造費は重量に比例するとすれば、大和と同時期であれば7000万円となります。改造の費用も、どの程度の改造か、予備砲身を使うのか、より正確には何時の時期なのか等で違ってきます。小生は、挙げられていらっしゃる数値に疑問を持ちます。
    小生が言いたいのは、戦艦の主砲口径を改造により増大化すること、特に門数を同じにして口径を増大化することは、実質的に不可能であるということです。堀氏も、世界の艦船の何処だったかで記されています。
    UK

  17. >16.
    >挙げられていらっしゃる数値に疑問を持ちます。

    見積もりしたのは当時の造艦実務の最高責任者なんですケド
    山城・伊勢・日向の建造予算額は戦史叢書「海軍軍戦備」に記載されてます
    あと>12.の資料では門数は2門減です
    駄レス国務長官

  18. 17ですが、小生が心配しているのは、資料の信憑性や作成の前提の検討があまりなされていないことです。改装の内容と金額については、挙げられた資料を持たず、原点をあたれないため知りません。しかし、巷間いい加減とまでは行かなくても、かなり疑問がある資料が出回っているため、議論するには、資料作成の前提や信憑性の検討が不可欠なことです。
     戦前の艦船のファンなら直ぐ調べられる事項を具体的に挙げて、かかる疑問ある資料について説明させて戴きます。例えば、
    @イタリーのビットリオバネット級の装甲ですが、世界の艦船等に記されている図では、舷側中央の上部には70mm程度の装甲が貼られています。しかし、写真ではその位置に舷窓が一杯並んでいます。装甲が在る箇所に舷窓があるかな?なお、世界の艦船はあくまでも趣味の雑誌であり、記載内容が間違っていても、小生は非難する心算はありません。
    A原子力潜水艦の解剖図では、原子炉はいつも艦橋(セイル)後方の下部にあり、その上部には遮蔽はありません。しかし、そこの上部甲板に水兵が多数並んでいる写真が多々あります。解剖図が正しいなら、命がいくつあっても足りないと思います。
    Bビスマルクの舷側装甲は、世界の艦船等に記されている一般的な図では第1次世界大戦型の配置で、水線近くに上下方向には短く、320mmの装甲が貼られています。しかし、沈没したビスマルクの位置が発見された頃の少し後、あやかって(?)出版された本(英語の和訳)では、そうではなく、第2次大戦型であり厚さも393mmとなっており、充分な高さです(393と数値が半端なのは、多分ドイツ語、英語、日本語での翻訳でメートルとフィートの換算の際に生じたと思う)。どっちが、本当?
     アイオワの主砲の初速でも、762m/s、739m/sの二通りが出回っています。戦後の改良された装薬や強装薬でなく設計時の、常装薬でのデータはいくらかな?わけの判らんデータを基に、大和とアイオワの仮想砲戦の勝敗を論じても意味がないのに。
    Cこの欄でも、金剛代艦の主砲に16インチ50口径等の長砲身の数値が出ていますが、条約明けの米国のNC級、SD級は、軽量化された45口径砲身、しかも40気圧、450℃のタービンで機関部をかなり軽量化し、副砲と高角砲を兼用しても、4万トン近くなりました。金剛代艦はスピードが少し遅いのは認めます。しかし、3.5万トンで本当に何処まで真剣に50口径(門数は9または10として)が検討されたか。検討はなされたでしょう。
    D改装費ですが、英国のレパルスだったかレナウンだったかは、戦争前の装甲の強化等を目指した改装で、建造時の半分の経費がかかったと言われています。これは、世界の艦船のみならずこの質問、回答(解答)ボードでもどこかで記されているのを見かけました。この際、主砲口径の増大はしていません。英国のインフレの程度は知りませんが、当時から軍艦の本格的な改装は、かなり経費がかかるのが普通です。
     17の方の挙げられる資料でも、信憑性はともかく、少なくとも前提とする改装の内容が、小生とかなり違うと思います。

     話を一番基に戻して、伊勢型、金剛型の主砲口径の増大(前提として、門数は同じ。砲身や砲塔は製造する。その他の要目も長門型と同じとする。また、船体のリベットは打ち直す。)は、2に記した様に新造に変らない経費がかかります。また、外国、特に米国と日中事変を口実に何時戦争をしかけられる、あるいは始まるかわからない時期に、何年もかけて行うことは出来ません。改装中は、戦争に使えない。リベット構造の船体自身の寿命もあまりない。このため、現実には、不可能です。
    UK

  19. >18.
    ネットにつながってるなら平賀アーカイブ ↓ をご参照ください

    http://rarebook.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/hiraga/index.jsp

    あと回答以外のことを長々書き連ねるのはご遠慮願いたいものであります
    駄レス国務長官

  20. >18.
    >アイオワの主砲の初速でも、762m/s、739m/sの二通りが出回って
     当該砲は、2700lb のAP弾で 2500ft/s、1900lb のHC弾で 2690ft/s で、共にネット上でもとうの昔に“一次史料”たる米海軍の「射表」さえ公開されており、今更何等の疑問も生じるような話しではありませんが? もちろんこのデータを扱うためには、「計画初速」と「射表初速」の違いをご存じの上、としてであることは申し上げるまでもありません。
     何に基づいたのか判らない“資料”なるものを振りかざして“史料”の信憑性云々を言われる以前に、もう少し調べる努力をされてから発言されたらいかがでしょうか? 駄レス国務長官氏などが折角貴重なソースを呈示しておられるのですから。
     老婆心ながら、“史料”と“資料”の違いはご存じですよね?
    艦船ファン

  21. 横から失礼します。
     ワシントン条約は、日米英の主力艦の主砲の口径、門数、装備方法の変更を禁止していたと思いますが、この問題についてどのように対処するつもりだったのかは、わかりませんでしょうか?
    カンタニャック

  22. 19と20に回答させて頂きます。
    小生が18で言いたかったのは、一次資料(歴史研究でないため、「史料」でなく「資料」が正しいと思います)でも、疑え、引用に注意せよと言うことです。たとえその内容が正しくても、作成の前提が違うと、結果的に誤りとなります。疑うべき事項の例として、(一次資料に換えて)巷間言われている事項について、最も信頼のおける、かつ誰もが容易に確かめられる多数の写真を根拠に挙げただけです。
    なお、アイオワの例は、前提の成否を確かめず議論しても意味がないことの例として挙げました。舌足らずで、誤解を生じさたことをお詫びします。
    UK

  23. >21.
    当該文書の右肩には華府会議期間中の大正11.1.7を示す「十一・一・七」の記入がありますので、条約の正式調印以前にあれこれ可能性を探ったモノの一端ではないでしょうか
    駄レス国務長官

  24. >22.
    で結局のトコロ、当該平賀文書についてはどのように判定なさったんでしょうか?
    >19.から丸1日経過してますから、とうぜん内容はもう確認なさったんでしょうね?
    駄レス国務長官

  25. 平賀文書は確認していません。
    該当箇所が当該文書の何処にあるかも判らないし、暇な時に探し出して、該当箇所の作成の前提や作成の目的を(平賀氏ほどではないが、小生も素人ではないので独自に)考慮した上で(あるいは検討した上で)、記載されている改装費用の信憑性、何故1/3の数値がでたか(前提や目的)を検討したいと思います。
    UK

  26. >>25
    19.で駄レス国務長官様がアドレスを張られています。
    また、私は12.のレスと「平賀アーカイブ」とのキーワードで5分ほどで「扶桑級改造案」まで行き着けました。

    Ranchan

  27. 扶桑改装案を紹介した責任があるので、余計なお世話ながらご説明しますと
    当該文書は駄レス氏が、このスレッドの12で紹介されたもので、全文6ページ程度のものです。

    また全部で77件がヒットする平賀アーカイブのカテゴリ「軍艦構造・その他」内には、関連するワシントン条約期の主力艦改装計画案や予算見積もりなどのメモが他にも難点か分類されているので、検討されるさいの参考になるかと思います。

    なお私見ですが、一連の主力艦改装費用の見積もりがやや控えめな理由として、使用される缶や甲鈑などの一部を、条約による廃棄主力艦から転用されることが見込まれていることもある程度影響していると考えます。
    東京の人

  28. >25.
    下記URLを全部コピーして、この画面の一番上の細長い空所にペーストしてEnterキーを叩けばすぐ見られます

    http://rarebook.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/hiraga/metadata.do?reqCode=metaimagelist&pid=22281201&spublish=true&packedparam=L21ldGFkYXRhLmRvP3JlcUNvZGU9bGlzdCZzcHVibGlzaD10cnVlJnN5ZWFyPSZzdGl0bGU9JnNkcmF3ZGF0ZV9lPSZlZGF5PSZzbW9uPSZzYnVucnVpPSZzcm93bnVtPTEwMCZzZGF5PSZzZHJhd2RhdGVfcz0mc2NhdGVnb3J5PUIwMTEzJmV5ZWFyPSZlbW9uPSY%3D

    素人でないなら短時間に結論出せると思いますので結果を期待しております
    駄レス国務長官

  29. >28.の訂正
    下線部にカーソル置いて左クリックすりゃすぐ見られますね
    駄レス国務長官

  30. 1.文字が読みづらいが、ざっと見たところ、27で他の方も記されていらっしゃる様に、18で記載した条件とかなり違うようです。例えば、小生は、日華事変時を前提としてこの欄の質問者に金剛の改装について回答しています。建造して大分経過しているため、船体主要部のリベットの打ち直しだけでもかなり時間と経費がかかるが、これが入っていないと思います。その他、1問あたりの弾数は同じとして、砲弾が大きくなれば、弾庫も増大し3連装砲塔は特にその水雷防御も変わって来るが、この資料の改装ではその辺もどの様にするのかも不明です。
    2.ワシントン条約締結で、多数の軍人のみならず工員も首になるが、それを防止したいため改装に持込みたい等の(現代の、特に米国で見られる)意図もあったかもしれないと思います。但し、これは小生の完全な推測(確実な資料に基づかない)です。
    UK

  31. >30.
    日華事変時うんぬんは貴殿が設定した前提ですから当該プラン(華府会議中で艦齢10年未満)の判断材料にはなりません
    あと3連装砲塔は1基で連装砲塔2基をリプレースするプランですから弾火薬庫の増大とはならないと思います
    その辺含めて「新造よりもコスト大となる」のか「実質的に不可能」なのかお尋ねしたく思います
    駄レス国務長官

  32. >30
    基本的な部分ですが、伊勢型戦艦の主砲換装の可能性を記述している「条約決裂後ノ昭和十五年末ニオケル国防所用兵力表」は昭和九年の調整ですから、満州事変後ではあっても日華事変とは関係ありません。
    18.でご自身が仰られているように、史料批判とは言わないまでも、史資料の基本的な情報に対しては注意を払う必要があるかと思います。

    その上でのことですが、大正期に検討された扶桑型の16インチ砲化改装は、ご想像のとおり、条約による新造主力艦の建造停止と工廠の能力維持を念頭に立案された可能性が高いです。
    平賀アーカイブ内にも、主力艦改装と重巡建造によって主力艦代艦の建造が可能となるまで、製鋼部の操業を維持することを狙った改装計画のタイムスケジュールが確認できます。

    一方で伊勢型戦艦の改装は、これが記載されている史料が昭和九年調整であることから明らかなように、昭和十年頃から開始する予定の伊勢型戦艦の大改装と条約脱退を共に睨みつつ、満州事変によって潤沢化した予算を用いて抜本的な戦闘力増強の可能性を「研究」したものと考えられます。
    したがって、UK氏が18.でおこなっている想定とはそもそも時期が異なっており、少なくとも数年に及ぶ入渠は折り込み済みです。

    にもかかわらず、伊勢型の主砲換装が実現しなかった理由を考えるためには、単純に技術的な難易度の問題上に(極論すれば、既に大正期に一度検討されている程度の案です)、そろそろ本格的に建造が準備され始める大和型戦艦等新世代の艦艇整備にリソースを投入した方が合理的と考えられた、あるいは航空や水雷という戦艦以外に分野に日本海軍の戦力整備の優先順位が向けられていた可能性等、同時期の海軍軍備の流れの中で、伊勢型の改装案を把握し直す必要があると思いますが、ここまでゆくと本来の質問から逸脱していますね。
    東京の人

  33. >舌足らずで、誤解を生じさた
     きついことを申し上げますが、舌足らずどころか、駄レス氏の呈示されたものも含めて、何一つまともな“史料”(資料ではありません)を確認することもせずに、世に氾濫する“資料”なるものを見ただけで、単に感覚的に発言されているだけでしょ?
     巷に流布されている訳もわからないものの信憑性など、どうでもよいのです。 意固地にならずに、もう少し素直になられたらいかがでしょうか。 折角皆さんがすばらしい回答を付けてくださっているのですから。
    艦船ファン

  34.  UK様に2つ。

    ・ヴィットリオ・ヴェネト級
     本国の書籍を当たられましたか。国内でも10Kせずに手に入ります。
    ・ビスマルク級
     ティルピッツの解体引き揚げに伴い、舷側装甲は現存し、そのような数値ではありません。
     現物そのものが存在するものについてまで、何を言っているのですか。

     まさか陰謀論とか言い出さないかと思っていますが、己の非違は認めた方が良いですよ。馬鹿らしい。
    梨地

  35.  最初に、33、34の方の意見について、回答させていただきます。
    ヴィットリオ・ベネットについては、巷間の情報が正しいのであれば、何故舷窓が在る箇所に70mm程度の装甲を張ったのかを今後検討したく思います。小生にとり、貴重な原情報を提供下さり有難う御座いました。なお、各艦艇ファンがこの点に何故疑問をもたれないのか、小生は不思議に思っています。理由を御存知であれば、心から御教示を御願いいたします。
     ビスマルクの装甲(弾庫の装甲)については、小生も一応(他の記載から)かなり信頼の置けると思われる出版物によっているので、今後注意を払っておきます。勿論、その資料が誤っておれば、信頼の置けない情報を記載したことについては誤ります。
     次に、昭和9年の平賀資料の伊勢等の主砲の換装ですが、小生は以下の疑問を持ちました。
    扶桑等の29メートル弱の船体幅で、本当に16インチ3連装砲等を搭載できたのか。また、昭和9年であれば、砲戦距離が伸びて、発射台としての安定性が重要されだした時期に、それを満たせたのか。水雷防御を考慮しなくても、発射に対する船体強度そのものは大丈夫か。前部に3×3としたネルソンは、一つにはリベット構造だったからと思いますが、大分問題が生じたそうです(福井氏等)。ちなみに、艦幅はネルソンは32メートル強、NCは33メートルであるだけでなく、舷側に重い装甲を張っているのは(インターナルアーマーでないのは)動揺周期の低下、発射台としての安定性を図ったと思います。16インチを10門であれば、重心や浮心が大きく上昇するが、どの様に補償するつもりだったのか。増加した人員は、どの様に収納するのか。居住艤装は相当金額とスペースが嵩みます。1門当たりの弾数が同じであれば、14×12に比べて16×10はかなりの弾庫の増加(必然的に防御装甲も)と所要砲塔動力(ボイラ出力)の増加になると思われるがどの様にする心算だったのか。重量増加に抗して速力を保持しようとすれば、機関出力も増大させる必要があります。昭和9年であれば、古い外板の換装もかなり必要と思われますが、どの様に考えていたのか。既に建造されている艦内での配管や配線のやり換え、新設はかなり工数がかかるが、どの様にする心算だったのか。小生には、資料作成の背景や、平賀氏がこのあたりをどの様に考慮されたかが全く不明です。従って、小生にはこの資料の数値の妥当性は不明です。結論として、この資料は目下の係争事項である、本来の質問へ対して小生が説明した事項の当否の判定の根拠にはならないと思います。
     最後に、本来の質問への回答に戻ります。金剛を16インチ2×4にした場合、重量がかなり増加するため、重心、浮心とも大きく上昇します。必要な人員も増加します。必然的に船体幅のかなりの増加(復元性の確保と発射台としての安定性)、居住区の大幅な増大が必要です。船体幅が増加すると、30ノットの速力を維持するためには機関部出力の大幅な増加も必要です。機関部も長くなるでしょう。必要な砲塔動力もかなり大きくなります。これも、必要なボイラ出力、その他必要な電力の増加となります。14インチから16インチでは、船体強度も元のままではかなり不充分です。小生が1例として挙げたリベットの打ち直しどころか、船体はかなりの補強、構造材の追加が必要です。弾庫と機関部長が増加すれば、装甲まで増加します。これらの面からも重量、経費、期間がかかります。内部の配管や電線の張替え、新設もかなり必要ですが、既に建造されている軍艦の内部であるだけこれも大事です。
    また、小生が前提としている日華事変の時期では、期間も重要です。
    結局、小生が挙げたイタリー戦艦の場合と同様に、主船体だけ残して全部新換えどころか、主船体そのものも新換えに近くなります。従って、小生が前提としている条件での16インチ2×4への換装では、1/3どころか新造費程度はかかると思います。
     後、本来の質問への回答からはそれますが、巷間流布している旧日本海軍に関する事項で、小生が疑問に思っていることを一つ挙げておきます。ご存知の方は、御教示願います。
     「連装砲塔の一斉射撃では、飛翔中の砲弾が相互に作用して散布界が広がる。その対策として、相互の砲の発射間隔を僅かにずらした」と言われていますが、10口径以上離れて音速の2.5倍で飛翔する長さ3口径程度の弾丸が、本当に飛翔中に相互作用するのかです。小生は、発射時の隣の砲身から噴出するガスの影響で散布界が広がるのではないかと思っていますが。

    UK

  36. >35
    まず基本的な問題として、伊勢型戦艦の主砲換装に関しては、昭和九年以前にそうした「研究」があったという以上の事実はありません。
    これは史料を確認して頂ければ明らかなことで、元来の質問者が書かれている、これを転載した学研の本でも確認できるはずです。

    (とりあえず、伊勢型の主砲換装案が昭和九年という日華事変以前の検討であることを理解して頂けたようなので、以下はその前提でのご説明となります)

    伊勢型を対象とした改装の具体的な内容は不明であり、当然のことながらその兵装に三連装砲塔の採用が考えられていたのか、まや十門艦であることが予定されていたのかも不明です。
    これはUK氏が、直接の関連があるかどうか不明な大正期の扶桑型戦艦の改装案と情報を混同しているために生じた誤解です。
    連装砲塔二基、三連装砲塔二基の十門艦案が伊勢型の改装案であった直接の根拠は、ありません。

    前にも書きましたが、扶桑型と伊勢型の改装案は時期も背景状況も違い、ごっちゃにして検討できるものではありません。
    今一度、それぞれの案についての事実関係を確認し直すことが必要で、その上でその技術的可能性なり限界性を論ずるのが正しい筋道だと思います。

    また金剛型に関しては、比叡を対象に傾斜装甲への変更が検討されている事実はあるものの主砲換装に関する事実は見あたらないので、日華事変云々とは全く無関係に意味のない議論になるかと思います。
    なお単純な主砲塔換装に関しては、この質疑応答の初期の段階でローラーパス径などの問題から不可能と論じられ、特にそれに反論がでなかったのはご承知のとおりです。

    なお砲弾の相互干渉ですが、おそらく相互干渉の意味を誤解されていると思います。
    この問題は、わずかに先行する砲弾の衝撃波コーン内に位置する後続の砲弾が著しい抵抗減少によって遠達してしまい、遠近散布が異常に大きくなる現象と認識されており、左右散布にはほとんど影響がないとされていたと記憶しています。
    この問題については二十センチ砲による実地研究と理論研究の双方が現存しており、一部は九弾の昭和館でも確認できたと記憶していますから、ご関心があれば当たられてみるのもよいでしょう。
    ところで、答えておいて言うのもなんですが、あまり関係のない質問を増やすのはよろしくないような気がします。
    ご興味があれば別の質問を立てられるのが筋でしょう。
    東京の人

  37. 36について
    散布界について、御親切な教示どうも有難う御座いました。小生の長年の疑問が解けました。
    なお、金剛の改装費用については、議論の内容が大分混乱してきたので、当方は切上げたいと思います。当方は、あくまでも15の主張される平賀資料では金額は新造の1/3であると言う見解に、改装内容の前提が相違するため、金剛についての当方の見解(新造以上)の反証にはならないといいたかっただけです。
    UK

  38. >37.
    金剛型の改装など貴殿以外の誰も話題にしてないんですケドね
    折角紹介した平賀資料がお役に立てず残念至極です
    長文の書き込みご苦労様でした
    駄レス国務長官


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