410 ラプラタ沖海戦で、エクゼターの射撃開始は6:20分。シュペーのエクゼターへの砲火の集中開始は6:25分です。発射速度が速いため、発射弾数の面からも、また弾着の修正が迅速になし得る面からも、エクゼターの方が命中弾数が多いと思われます。しかし、実際には、エクゼターは2発であり、この一方、シュペーは7発です(なお、細かい数値については、文献により」多少の相違はあるかもしれません)。この理由ですが、「@シュペーは排水量、艦幅とも大きいため、動揺周期が長く、ひいては砲身の(人の操作による)スタビライズが容易であった。A同じく発射台として安定していた。B弾丸が大きいため水柱も大きく、弾着観測が容易であった。」ことにあるのでしょうか。それとも、他に理由があったのでしょうか。
UK

  1.  エクセターは6時26分に第2(B)主砲塔に直撃を受けて機能を喪失しております。そして、同38分には第1(A)主砲塔も直撃弾を受けて同様の結果に陥っております。その上、先の第2主砲塔被弾時に艦橋も被弾しており、同所にいた者は、艦長と2名を残して全員が死亡し、操舵室も破壊されています。したがって、第1主砲塔被弾以降は第3(Y)主砲塔のみが発射可能だったわけですが、これも直接照準で行っており、このあたりが、相互の主砲の有効射程圏内で撃ち合いにも関わらず、大きく結果が異なった理由の一つではないかと思っております。
     
    hush

  2. hush様、解答をどうも有難う御座います。
    ただし、質問文に幾らか舌足らずの箇所が在りましたので、追加の質問をさせて頂きます。
    第1に、シュペーは最初は目標をあちこち変更していますが、そのシュペーから最初に命中弾を食らう前に、エクゼターの有効な命中弾がなかったのはなぜでしょうか。偶然でしょうか。それとも、命中弾は在ったが、威力が小さかったため、戦史では無視されているのでしょうか。
    第2に、2隻の軽巡はシュペーの目標になっていないため複雑な回避運動をしていないと思われますが、それでも最初の何分間(数分間以上、さる文献によると10分近く)かはシュペーに命中弾を与えていないようです。これは最初の質問に記した理由によるのでしょうか。あるいは、何発かの命中弾は在ったが、威力が小さかったため、戦史では無視されているのでしょうか。
    UK

  3.  この海戦については、ダドリー・ポープと酒井三千生の2冊の「ラプラタ沖海戦」が非常に詳しいのですが、あいにく見当たりません。したがって、シュペーが受けた被害についてはきちんと調べることができておりません。したがいまして、エクセターの放った2発の命中弾がいつのものであるかは存じておりませんので、1については、その2冊の本が出てくるのをお待ちいただくか、他の方のフォローをお願いしたいと思っております。
     2につきましては、シュペーの副砲もエイジャックスとアキリーズに命中弾を与えておりませんので、中口径砲にとって、この砲戦距離はやや遠いのかもしれません。しかし、もっと接近してからだと思いますが、イギリス側はシュペーに命中弾を与えており、この結果、中央部の非装甲部にあった蒸気管が破損して燃料の加熱ができなくなり、中間油槽に残っていた燃料しか使用できなくなっております。このため、シュペーは本国帰還はもとより戦闘継続も不能となって自沈したようですが、そういう意味ではイギリスの2隻の軽巡洋艦(1隻はニュー・ジーランドですが)の戦いは重要なポイントになると思います。
     なお、御質問にございました、シュペーの砲戦能力のほうがG部隊より高かったからという点につきましては、特に否定するものではありません。艦橋上にある測距儀を比べても随分と大きさが違いますし、大西洋を荒らしまわったこの艦と、初陣のイギリス部隊では大差があったと思うからです。ですので、シュペーの命中率がエクセターのそれを圧倒したのは、この点が大きかったはずです。しかし、緒戦においてエクセターが早々に大きく戦闘力を減じたのも大きかったのではないかと思い、1に回答させていただいたような次第です。1で「理由の一つ」とさせていただいたのは、そのようなわけです。念のため、書き添えておきます。
     
    hush

  4. これ ↓ に拠るとシュペーは0617の射撃開始より主砲全門でエクゼターを狙い、0623は散布界に目標を捕らえてますケド
    http://www.historyofwar.org/articles/battles_river_plate.html
    同記事にもあるように、観測位置が高いシュペーのほうが接敵の早い段階より有効な諸元を得られていたことと思われます

    あと毎度の事ですが質問の後出しジャンケンは止めてください
    駄レス国務長官

  5.  酒井版によるとエクセターは約200発を発射して3発を命中させ、エイジャックスは約1000発、アキリーズは1242発を発射して両艦で17発を命中させているそうです。うち、エクセターの2発の命中弾は緒戦におけるもので、1発は第5あるいは第6斉射によるものです。ただ、第8斉射発射直後に第2(B)主砲塔に命中したシュペーの主砲弾により引き起こされた大量の防盾等の破片がエクセターの艦橋に降り注ぎ、方位盤射撃塔が使用不能となっておりますので(したがって1に書きました艦橋への被弾は間違い)、以後の命中弾は直接照準によるものです。
     
    hush

  6. >5.
    hushさん、横から失礼します。 「直接照準」ではなくて「砲側照準」ですね。

    艦船ファン

  7. 皆様、御親切な解答をどうも有難う御座いました。
    UK

  8. >6
     フォロー多謝。
     
    hush


Back