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公算射撃について質問します。過去ログでは究極主砲1門でも公算射撃は可能とありますが、主砲6門(レナウン)、8門(フッド)、10門(POW)では、やはり後者になるほど実戦において有利なのでしょうか。 備後ピート |
- 厳密には射撃プラットホームとしての船体幅、前後砲塔間隔の長さ等によっても散布界は違ってくるでしょうが、ここではそれほどまで突っ込まず例に上げた3隻の間のことと考えてください。
備後ピート
- そもそも「公算射撃」という言葉の定義はどのようなことでしょう?
艦船ファン
- 「射撃指揮所からの統一指揮により同一の諸元で主砲各砲が射撃し、形成される散布界で目標を包むように射撃する。またそのように諸元を調整する」表現はうまくないかも知れませんが、その点は過去ログを参照いただければ。
備後ピート
- 「1門でも公算射撃は可能」というのは目標が動かず時間を無限にかければ理論上は、という意味ではないでしょうか。
実際は一度の着弾で遠近左右に散布するように一斉射で3門以上。よって交互撃ち方をするにあたっては6門以上が最低限とされていると思います。巡洋艦は6門が意外と多いです。
実戦では故障などで数門が撃てないときもあるし、被弾すれば砲塔ごと使用不能になったりしますし門数が多いに越したことはないということでは。
この分野は理解が浅いですが私はこのように理解しています。
超音速
- >3.
ちょっと違いますよ。 どのような方法を用いて「散布界で目標を包むように」射撃諸元を決定していくか、と言うことの一つとして、公算学(確率統計学)を応用した方法がいわゆる一般的に言われる「公算射撃」あるいは「公算射法」です。(旧海軍の砲術にはそのような用語はありませんが)
したがって、厳密な意味では一斉射弾数の多少と公算射撃とは関係ありません。 要は散布界が構成できればよいのですから。
もちろん、斉射弾で夾叉が得られれば、一斉射弾の弾数が多いほどその中から命中弾が得られる確率は高くなりますが、その確率のことと「公算射撃」とは意味が違うことにご注意下さい。
艦船ファン
- 公算射撃は戦車等でも行われる訳ですから砲1門でも可能ですよね。
一度に撃てる砲が増えれば確率も高くなりますから有利でしょうね。
マルヤ
- >6.
それは単なる「単発(単砲)命中確率」の話しで、ここで話題にしている「公算射撃」のことではありませんね。
もちろん質問者の方も「公算射撃」を勘違いされておられなければ、ですが。
艦船ファン
- >7
確かに違いますよね。
ただ質問と質問者さんの1の補足、そして艦船ファンさんがすでに解答してる内容にもあるように門数が増えれば有利でいいのではと思いました。
マルヤ
- もとの質問の意図がわからなくなってきたんですが、
口径をワンランク小さくしてでも門数の多い方が有利なのでは、という意味なんですか?
コロラドよりテネシーの方が強いとか、ノースカロライナは14インチ×12のままのが有利とか、最上の主砲換装は不要だったとか、シャルンホルストは38センチ積めなくて正解とか???
超音速
- 口径をワンランク下げても門数が多い方が有利という意味ではありません。KG5級の356ミリ45口径は〜中略〜その威力は列国の381ミリ砲に匹敵するといわれていた、とのイギリス戦艦史(海人社)の記載により例としてあげたまでです。
381ミリ42口径と同クラスの砲が、6門、8門、10門と増えていくにつれ、公算射撃を行うのに有利になっていくのでは、という意味です。分かりやすく国を同一にして並べたのですが、誤解を招きやすかったですかね。
備後ピート
- 口径をワンランク下げても門数が多い方が有利という意味ではありません。KG5級の356ミリ45口径砲は〜中略〜その威力は列国の381ミリ砲に匹敵するといわれていた、とのイギリス戦艦史(海人社)の記載により例としてあげたまでです。
381ミリ42口径と同クラスの砲が、6門、8門、10門と増えていくにつれ、公算射撃を行うのに有利になっていくのでは、という意味です。分かりやすく国を同一にして並べたのですが、誤解を招きやすかったですかね。
備後ピート
- なぜか二重投稿になってしましました。失礼しました。後の方が正しいです。
備後ピート
- 小生は次のように考えています。
門数は最低限4門程度は必要だが、それ以上あっても効果の向上は少ないと。
添付HPにt分布表が記載されています。
http://kogolab.chillout.jp/elearn/hamburger/chap2/sec3.html
公算射法の第一歩は標本平均から母平均の位置を推定することだと解釈しての話です。
上の添付HPは1次元のt分布ですが、弾着点の遠近と左右のばらつきに相関が無いとすると、このt分布表がそのまま適用できると考えましたがいかがでしょうか。
常日頃使うことのない知識ですので怪しげな所感になっていますが、議論のたたき台くらいになれれば幸いです。
太助
- >>11
8門艦以上は交互撃ち方でも4門以上を確保できるので、6門艦よりは有利だと思います。
8門艦と10門艦はあまり変わらないかなとも思います。
太助
- 公算射撃とは、どういう射撃なのか、もう少し具体的に知りたいものです。当時の戦艦の砲撃手順を知りたいものです。以下、ど素人のコメントで恐縮です。
戦艦が主砲を一斉射撃するときの散布界の形状とその散布界の代表点(中心点)のデータは、各艦、事前に持っていると思います。これらのデータは、温度、湿度、気圧、海上風、上空風等の気象条件でノーマライズされていると思います。
つまり、最初の射撃はこの気象条件(未知数は上空風?)のデータ取りだと思います。早い話、当該海域において、測距離計で2万mの目標に射撃したら「散布界の代表点」が南東方向200m足りなかったら、照準距離を南東方向2%増しにするってなカンジになるとおもいます。
当該海域でのこの補正量を取得したら、後は、この補正を加えた照準量で打ちまくるということになると思います。
あとは、数打ちゃ当たるの世界で、門数の多い後者になるほど実戦において有利になると思います。
まあ、蛇足でなんですが、実戦では、照準うんぬんより、敵艦位置予測が最重要だと思います。砲弾到達所要時間が30秒だとすると、30ノットの船は約450m移動しますので、30秒後の敵艦の位置の想定如何じゃないでしょうか。
ちょん太
- >15.
ご参考までに。
>温度、湿度、気圧、海上風、上空風等の気象条件でノーマライズされている
それは弾道学を中心とする「射撃理論」の範疇ですね。
射撃理論というのは、お書きになった全ての要素を含めて(それ以外にも多くの要素がありますが)、単発(単砲)の砲弾を如何にしたら命中予測点(専門用語で目標未来位置)を通過させるかと言うことに尽きます。
これはあくまでも「理論」です。 しかしながら、現実的にはその射撃理論で用いる全ての要素に「誤差」というものが入り(生じ)ます。
この誤差には人的なものもあり、ハードウェア上のものもあり、また計測不可能なものもあります。 これらの誤差を完全に取り除くことは不可能です。
そこでこの「誤差」の存在を前提にして、統一指揮による斉射によって散布界を構成し、この散布界をもって如何に早く目標を包むか(夾叉させるか)(=試射)、そしてその夾叉を如何にして持続させるか(=本射)、ということが「射法」になります。 (試射・本射は厳密に言うと少し違いますが、簡単にはこのようなことです。)
当然、射法にはそのために公算(確率統計)を用いる方法もあれば、用いないやり方もあります。
日本海軍が編み出したものは、公算学を“緻密”に応用した方法で、そのために通称「公算射法」又は「公算射撃」と言われます。 もちろん先にも書きましたように、日本海軍自身はその言葉は正式用語としては使っていませんが。
単に「公算射法」「公算射撃」と言うとこの旧海軍の射法のことですので、先の単発(単砲)命中確率などのことを指す場合にはそれなりの前置きが必要になります。
そして、この日本海軍の射法の第一歩は「戦闘公誤」と言われるものです。
なお、艦砲射撃における射撃理論及び旧海軍の射法についてお知りになりたければ、次のところをお読みになるのがよろしいと思います。 射撃関係の色々な用語の解説もあります。
HP『海軍砲術学校』中の『砲術講堂』:
http://navgunschl.sakura.ne.jp/koudou/koudou_frame.html
艦船ファン
- 帰宅して海軍砲術史を開いてみました。
戦闘公誤は、各砲種、各射距離を通じ、殆んど変わらず大体70m程度であったとあります。また、これから平均散布界は1斉射の平均弾数に応じ概ね定まるので
・4〜6弾の場合 平均散布界 200〜300m
・8〜10弾の場合 平均散布界 300〜400m
との記述がありました。やはり4弾以上ないと母平均の推定ができず、そもそも正規分布とかけ離れたものになるのだろうと思います。
(12弾以上の場合は割愛したのでしょう)
>>15
弾着は、全遠弾、全近弾、夾叉弾といった区別しかできなかったみたいですよ。
太助
- >>17
コメント、ありがとうございます。
>弾着は、全遠弾、全近弾、夾叉弾といった区別しかできなかったみたいですよ。
着弾観測の報告はそうなんだと思います。
例えば、前方2万mの照準で着弾報告が全近弾。次に2万300mで全近弾。次に2万600mで夾叉弾ってなカンジなら、修正量を前方600mとするんだと思います。
ここで、砲弾到達所要時間が30秒だとすると、重要なのは30秒で600mずれるということです。即ち上空の風が秒速20m(40ノット)吹いているというデータだと思います。(数字は適当に、暗算しやすい数を選びました。)
ちょん太
- >>16
詳細な解説、ありがとうございます。
さらに、凄いホームページのご紹介、ありがとうございます。
少しずつ拝読させていただきます。
>当然、射法にはそのために公算(確率統計)を用いる方法もあれば、用いないやり方もあります。
「用いないやり方」とは、想像ですが、数秒で着弾する、日露戦争の日本海海戦での砲撃戦のようなものと考えてよろしいのでしょうか? 着弾水柱を観て修正量を目測指示。
「公算(確率統計)を用いる方法」とは、目標未来位置をはじめとする各種データを射撃計算機(正式名称は存じませんが。)にインプットして大砲の諸量を決める方法。
と理解してよろしいのでしょうか?
そうでしたら。
WW2の戦艦には、タンスぐらいの大きさの歯車式の射撃計算機が装備されていたと、なにかで、読んだ記憶があります。
ここにインプットすべきデータが全て正確なら着弾点が(ある誤差以内で)予測でき、複数弾打てば戦闘公誤を伴い着弾する。このように理解して宜しいのでしょうか。
インプットすべきデータは、たくさんあると思います。当該海戦時に必要なのは、気象データのみならず、自艦の運動に関するデータや、コリオリ力を計算するなら自艦の緯度、またその砲身の何弾目とかのデータも必要だと思います。これらのデータ誤差に、発射火薬の量の誤差、射撃時の艦のピッチングやローリングの誤差等が加わると思います。これらの誤差が、いわゆる誤差伝播の法則(全てのシグマの2乗を加えたルートが全体のシグマ)に従って、最終的に、着弾点の誤差や戦闘公誤になるんだと思います。
1つ前のカキコに示しましたように、これら当該海戦時にインプットすべきデータの中で、最も得にくく、しかも最大の誤差要因になりうるデータが上空の風のデータだと思うんです。この風のデータは試射した結果から逆算していたのでは無いかと思ったんですが。どうなんでしょうか?
ちょん太
- >19.
>用いないやり方
例えば、米海軍における代表的な射法は、弾着時の散布界の中心(=射心)と目標との距離(=距間量)を測定、観測あるいは推定して、その全量を修正していくやり方です。 全門(多数砲)による一斉打方で、散布界が比較的広く、かつ斉射間隔が比較的短い場合に採り得る方法の一つです。
>目標未来位置をはじめとする各種データを射撃計算機(正式名称は存じませんが。)にインプットして
>インプットすべきデータが全て正確なら
射撃指揮装置における弾道計算、即ち射撃諸元の計出は「射撃理論」を具現化したものです。 そして現実問題としては、そこで如何に正確に計算された値で撃っても、狙った一点にピンポイントには弾着しません。
入力データには必ず誤差がありますし、例え入力データが正確であっても入力データ以外の要素・原因によってその計算値どうりには弾は飛ばないからです。 ご指摘の弾道風などもその一つです。
それらの「誤差の総和」が最終的に実際の弾着誤差(距間量、散布界、射心移動など)となって現れますので、命中させるためにはそれを解決するための何らかの方法が必要です。 その一つが「公算射撃」「公算射法」です。
即ち、測定も予測も出来ない、射撃理論で計算も修正もできない、そう言った類の総和によって生じる実際の弾着誤差を、公算学を応用した「弾の撃ち方」によってカバーしていくということです。
それらの誤差がどの様な要素、理由によって発生するのか、そしてその誤差を撃ち方によってどの様にカバーするのかは、先にご紹介したサイトに詳しく書かれていますので、そちらをご覧下さい。
例えば戦闘公誤が“砲種や射距離に関わらずほぼ一定”ではないことも実際のデータとともに記載されています。
戦闘公誤というものは、ハードウェアによるスタティック・データではありませんので、ハードとソフトの状態・状況、そして環境要因によって変わってくるものであることは当然のことだからです。
>少しずつ拝読させていただきます。
もしこの方面に興味がおありでしたら、是非一度じっくりと。 お薦めです。
艦船ファン
- >>16の添付HPでは大口径砲の戦闘公誤について意外と大きな値を記載していますが、それ以外は大体70mです。近距離での戦闘公誤は大きな値を記載していますが、そもそも遠近方向の弾着の散布がそれほど問題にされる距離かどうかですね。
おそらく海軍砲術史では、ある程度の落角がある場合について戦闘公誤70mと記載していると解釈できます。
太助
- >21
当該HP記載のデータは、旧海軍の射撃データ及び海軍砲術学校の「射撃学理参考書」などの教科書類に記載のものと整合が取れますので、正しいと言えます。 そして「砲種や射距離にかかわらずほぼ一定」でないことも明らかです。
もちろん、貴殿がどのような解釈をされようともそれはご自由ですが。
艦船ファン
- >>22
ほう、すると海軍砲術史には意味のないウソが記載されていると仰るか。戦後の本ゆえに、文字数の制限や誤記などがある場合もあるでしょうが、70mという値を記載していることからも、執筆者は当該HPと同じような資料にあたっていることは明らかでしょう。つまり戦闘公誤が近距離では大きな値をとることも承知しているはずです。それでもなお>>17のような表現を用いたのは、近距離での戦闘公誤は気にする必要性が薄いとの判断からでしょう。近距離とは的の垂直防御に当たる確率が高い場合ですから、水平方向の散布と比較しないのも確かにありだと思います。このくらいの噛み砕いた解釈ができると、海軍砲術史をウソ書と切り捨てることもなくなるはずです。もちろん切り捨ててもらっても当方は全くかまいませんし、それは貴殿の自由ですが。
太助
- >23.
今ここで話題にしているのは公算射法(射撃)のことであって、弾道理論のことではありません。
そしてこの公算射法では、砲弾が目標のどこにどの様に命中するのかなどは全く考慮していません。
舷側に当たるか甲板に当たるかなどとは全く無関係です。 目標が戦艦であるのか駆逐艦であるのかも関係ありませんし、その船体の装甲板の厚さも防禦構造も関係ありません。
公算射法において、目標を「物体」として考慮するのは、強いて言えば「命中界」だけです。
また公算射法とは、“射距離に関わらず” 目標に対する“弾着の遠近”を問題にし、斉射弾の散布界を以てどうやったら“目標を夾叉できるか”が命題なのです。
公算射法とはそういうものなのです。
戦闘公誤のことも含めて、『海軍砲術史』に誤りがあるかどうかは、皆さん方各自が“キチンと調べられて”評価されればよいことで、ここでは関係ありません。
ましてや当該書は射撃理論や射法理論についての解説書でも教科書でもありません。 失礼ながら、その記述にある一部の文言を引用されてのご自身の“推論”を主張されてもしかたがない話しではないでしょうか。
一度公算射法について、まずは戦闘公誤とは何か、それはどの様な意味があり、どの様に用いられるものなのか、をキチンとお調べになられることから始められたらいかがでしょうか? その意味でも先にご紹介したサイトはお薦めですよ。
あるいはまた、もし貴殿が当該サイトの内容以上に艦砲射撃についての射撃理論や射法理論について詳しいサイト、出版物などをご存じでしたら、是非ご教示下さい。 私も勉強させていただきますので。
艦船ファン
- 話を射法と門数のことに戻しますか。
貴殿推薦のHPにもこういった記述がありました。
『3門以下での射撃などは、射法立案の際に問題にしていなかったように思われます。』
これに対しての論拠として、小生は>>13の添付HPを貴殿に推薦しましょう。どうも貴殿はそのHPに記載されている以上のことを推察する気概に欠けているように見えましたので。頑張って勉強してみてください。
太助
- >25.
ありがとうございます。 旧海軍の砲術・艦砲射撃に限らず、専門事項の攻究というものは上限も終わりもありませんので。
>推察する気概に欠けて
残念ですが、本項については“推察する”つもりも、その必要もありません。 ご質問いただいた旧海軍の公算射法について、旧海軍自身が言っているその事実をそのままここでご説明しているだけですから。
そして、本スレ当初のご質問については説明を既に終わっておりますので、当該HPに記載されてないことについての内容をお望みなら、項を改めていただければ、いくらでもご説明をいたします。
艦船ファン
- では小生の方もこれで最後にしますね。
>>5で述べられていますね。
『したがって、厳密な意味では一斉射弾数の多少と公 算射撃とは関係ありません。 要は散布界が構成で きればよいのですから。』
これに対して、ご推薦のHPにも
『3門以下での射撃などは、射法立案の際に問題にしていなかったように思われます。』
とあるんですよ。噛み砕いていうと、6門艦は射法に基づいた交互撃ち方は期待できないが、8門艦以上はそれが可能だと。
なぜ3門以下と4門以上で別れているのか?ご推薦のHPには『〜ように思われます』と記載されており、根拠がわからない。
これに対して『推察する必要がない』で片付けようとされる。
いや『3門以下での射撃などは、射法立案の際に問題にしていなかったように思われます。』という内容自体が気に入らないのでしょうか。
小生はこの内容はもっともだと思いますし、その根拠を推察して>>13あたりを記述している訳です。
太助
- >27.
当該サイトの記述をもう一度良くお読み下さい。 どこに“大中口径で3門以下の場合を問題にしていなかった”と書かれているのでしょう?
念のために、同サイトの記述を転記します。
「小口径砲を装備する駆逐艦などにしても5〜6門での射撃の場合を考えていました。 3門以下での射撃などは、射法立案の際に問題にしていなかったように思われます。 即ち、大中口径砲を主体とし、小口径でも5〜6門の場合についての例題で答えを出し・・・」
もしこの表現に疑問を持たれるのであれば、それは当該サイトの管理人に直接お尋ねになるのがよろしいでしょう。 私は全く疑問に思いませんし、貴殿のような解釈にもなりませんが。
付け加えるなら、最も肝心なことは3門以下では「戦闘公誤」が成り立たないことにご注意下さい。 もし「戦闘公誤」がどのようなものかをご理解いただけるなら、これは言わずもがなでしょう。
そして先にも書きましたが、旧海軍の公算射法はこの「戦闘公誤」の上に成り立っていることをお忘れなく。
もちろん当然ながら、旧海軍の「射法」は、この公算射法の部分だけではないことも。
では、本題から大分外れてきましたので、私もこれで。
艦船ファン
- ご解説、ありがとうございます。
>用いないやり方
>例えば、米海軍における代表的な射法は、弾着時の散布界の中心(=射心)と目標との距離(=距間量)を測定、観測あるいは推定して、その全量を修正していくやり方です。 全門(多数砲)による一斉打方で、散布界が比較的広く、かつ斉射間隔が比較的短い場合に採り得る方法の一つです。
これは、私が例示しました「日本海海戦時の砲撃戦」と基本的に同じですよね。
>狙った一点にピンポイントには弾着しません。
私は「誤差伝播の法則うんぬん」と申しましたので、私も、当初から、それは当たり前の話だと思っております。
砲弾が確率統計学的誤差を伴い着弾するのは当然の話です。それは、既知のパラメータがそれぞれ固有の誤差を持ち、いわゆる誤差伝播の法則で固有の誤差が全体の誤差となって着弾点がばらつくからです。
>即ち、測定も予測も出来ない、射撃理論で計算も修正もできない、そう言った類の総和によって生じる実際の弾着誤差を、公算学を応用した「弾の撃ち方」によってカバーしていくということです。
測定も予測できない事柄は、自然科学の学問の対象には成り得ず、「学」とは呼べないと思います。まあ、上空風や敵艦の運動に関して「測定も予測できない」と言うのなら、話は分りますが。
ちょん太
- 私は、戦闘公誤や公算学といった、当時の専門用語は、未だ正確に理解しておりません。ただ、WW2当時の艦砲射撃が如何なる理論を持って準備され、どのように実践されていたかに興味を持っておりました。このホームページをご覧の方々も、そのような人が大部分だと想像します。
射撃とは、弾の目標への命中を期して、銃砲を操作することだと思います。こう想定したとき、「射撃理論」というのは、弾道計算学と確率統計学を包含しているものだと私は思っておりました。(どうも、弾道計算のみを射撃理論とされているように思いますが。)
弾道計算も単なる大学の教養の力学の程度の範疇でしょうし、確率統計学についても同様だと思います。ただ、発射火薬のファクターとか、弾丸のファクターとか、砲身の内面のファクターだとか、発射時の艦の運動とか、専門家でないとつかみきれないファクターが多いだけの話だと思います。
にも関わらず、どうして、こう、議論がかみ合わないのかなと、不思議におもいました。
17で述べられている「戦闘公誤は70m程度」を、戦艦の主砲を複数発射した場合の地球固定座標系の固定目標に対する着弾点のばらつき(の1シグマ)が70mとします。
(戦闘公誤の定義を私が誤解しておりましたら、後半部分のみを用いて以後の議論を進めさせてください。)
これは、大砲から発射された直後の砲弾の質量及び形状、重心の速度ベクトル、並びに回転角速度が、着弾点の水平長さ換算で70mの誤差を持っているということですよね。(正直、こんなに性能が良いとは思っておりませんでした。)
例えは、この砲をもって、2万m離れた敵艦を攻撃するときに、最も必要で重要となるファクターは、何なんでしょうか?
弾道に沿った大気の情報と敵艦の行動予測ですよね。
弾道に沿った大気の情報は、試射によって想定するしか道はないと思います。敵艦の行動予測は、同じ船乗りとしての行動の読みだと思います。
最後まで不確定要素として残るのは、後者ですよね。これに対して、公算学もへちまも無いと思いますが。
ちょん太
- >>30
戦闘公誤とは、公算誤差、半数必中界のことですね。
シグマに定数0.6745を掛けた値になります。定数は1より小さいため、シグマは戦闘公誤よりも大きな値となります。約1.5倍あたりでしょうか。
http://books.google.co.jp/books?id=NePPvAnhYX8C&pg=PA200&lpg=PA200&dq=%E5%85%AC%E7%AE%97%E8%AA%A4%E5%B7%AE+%E6%A8%99%E6%BA%96%E5%81%8F%E5%B7%AE&source=bl&ots=7O0gH6NJfl&sig=il4biNFmZ7Vakyw1y9_gx5aEnpM&hl=ja&sa=X&ei=X3l5UcFV0a-JB6LqgcAI&ved=0CDgQ6AEwBA
太助
- >30
目標の変針看破及び対処と公算射は別の技術です。
任意の点に弾着を導く手段が公算学であり、その任意点をどこにするかはまた別の技術です。
>31
陸軍で言う公算躱避では?
SUDO
- >>32
ちょっと調べましたが、公算躱避でよろしいと思います。
ひっかかる点があるとすれば、半数必中界の時代などによる定義の変遷でしょうか。
噛み砕いていうと、50%弾着区域の半径と定義されているか、幅(直径)と定義されているかですね。
現在では半数必中界は一般的に半径で定義される一方、旧陸軍などでは公算躱避の倍つまり直径で定義されるということでいかがでしょうか。
太助
- >31
勉強になる資料のご提示、ありがとうございます。
拝読させていただきます。
でも、私は、
(戦闘公誤の定義を私が誤解しておりましたら、後半部分のみを用いて以後の議論を進めさせてください。)
と一応、記述してますので、本議論では、不要かとぞんじます。
(資料の提示に関しては、大変感謝しております。)
>32
コメント、ありがとうございます。
>目標の変針看破及び対処と公算射は別の技術です。
>任意の点に弾着を導く手段が公算学であり、その任意点をどこにするかはまた別の技術です。
その、公算学と言うのは、一体なんなんですか。
私は、それを知りたいのです。
2万mでも、弾着30秒でもいいですから、
30ノット(25ノットでもいいですが。)で移動できる敵艦を
砲撃するには、どのように理論だてて、どう実践しようとしていたんですか。WW2当時の海軍は。
ちょん太
- >34
それこそ艦船ファンさんが紹介されたページに書かれてますね。
目標は等速直線運動をしていると仮定することで、未来位置を想定するんです。
具体的には「変距率盤」「距離時計」「測的盤」でぐぐってください。
SUDO
- >>34
何か気に障ったようですね。申し訳ないことです。
あなたへの対応もこれで最期にしますが、議論の方がんばって下さいね。
太助
- >35
コメント、ありがとうございます。
>目標は等速直線運動をしていると仮定することで、未来位置を想定するんです。
それは、おめでたい想定ですね。着弾に30秒かかる仮定ですよ。
って、貴殿も、そう、お思いになりませんか?
>「変距率盤」「距離時計」「測的盤」
新しい専門用語を、あげていただくのは、それは、それで、勉強になるのですが・・・。ここでは、焦点がぼやけるだけだとおもいます。
>目標は等速直線運動をしていると仮定することで、未来位置を想定するんです。
に対して、どうしてそれが最良の想定なのか、貴殿のコメントがないと
議論になりません。
私が敵艦なら、発射の光を見たら、進路を変えますが。
ちょん太
- 自らの進路・速度を変えると再度照準をやり直すことになりませんか?当時の砲戦は結局敵の弾より先に自らの弾が当たることを祈って打ち続けるものだと思いますが?
通りすがり
- >37.
>それは、おめでたい想定ですね。
こちら ↓ はお読みになったんでしょうか?http://navgunschl.sakura.ne.jp/koudou/riron/shokyu/point/point_frame.html
>「変距率盤」「距離時計」「測的盤」
これらの射撃支援ツールも等速直線運動を前提に開発されたモノです
>私が敵艦なら、発射の光を見たら、進路を変えますが。
それは「敵のタマは届くがこちらのは届かない」とかで逃げるしか生存のすべが無い場合だと思いますケド
運が悪いと逃げた先に弾着する可能性もありますね
あと「議論」をお望みなら議論ボードに行かれたほうが宜しいかと
駄レス国務長官
- >37
目標が変針してるかどうかは観測して見えてます。また大型船舶は舵切ってから効き出すのに時間がかかります。
つまり敵が撃ったのをみて舵を切っても弾着点から大きくずれた場所に遷移するのは難しいのです(散布界はそれなりに広いですから)
予め舵を軽く入れておいて行脚がついてる等の工夫をしておかないと、なかなか難しい話になりますし、舵を切ると自分の側のデータもパアになりますんで、自ずからできる範囲というのは限られてきます。
SUDO
- >39
コメント、ありがとうございます。
そのページ(座標系)は読みました。そのページ(座標系)に関しては、大学の教養の初歩の力学なので、どうのこうのという話ではないと思います。前述してますように、そのホームページは、私、興味がございますので、全部、拝読させていただこうと思っています。
前述しましたように、大砲から発射された直後の砲弾の質量及び形状、重心の速度ベクトル、並びに回転角速度が、(地球座標系に対して)エラーバーを持つ数値で与えられれば、後は、大気の物性値で着弾点がエラーバーを持って決まります。ただそれだけのことです。
>それは「敵のタマは届くがこちらのは届かない」とかで逃げるしか生存のすべが無い場合だと思いますケド
リーチの短い戦艦なら、向かってくるでしょう。相手が大砲を撃って光った後で、進路を若干ズラせば良い話ですから。お互い届く距離内なら、数撃ちゃ当たるの話です。
一番の問題は、着弾まで30秒かかることです。30ノットで30秒なら約450m進みますよね。敵艦の着弾の範囲が70mだとすると、その70mの範囲に対して450mが大きすぎると、お思いになりませんか?
投網で魚をとるときに、魚の3倍くらいの直径の投網では話にならないと思います。歩みの遅い亀なら取れますが、魚は、まず、無理です。
ちょん太
- >40
コメント、ありがとうございます。
>つまり敵が撃ったのをみて舵を切っても弾着点から大きくずれた場所に遷移するのは難しいのです(散布界はそれなりに広いですから)
30秒は、長いですよ。30ノットの場合、敵砲が光ってから10度変針しても80m以上ずれます。いわんや20度においておやです。
データ設定にどの程度の時間がかかるのかはぞんじませんが、30秒より一桁少ないんじゃないでしょうか。
外野席の方々にも何がしのプラスになったとは思いますが、さすがに当初の質問者さまの意図から大きくずれてしまったと存じますので、私のコメントは、これを最後とさせていただきます。
ちょん太
- >42
>40の
>また大型船舶は舵切ってから効き出すのに時間がかかります。
の箇所は全く見ておられなかったのでしょうか?
- >>42
公誤と散布界を混同してませんか? 平気で200mぐらいは散布範囲なんで簡単には射撃圏から抜けられませんよ。
船舶は舵を切ったからって直ぐには向きは変わりませんし、その時に速度も落ちるんで、30ノットで10度切ったら30秒後に80mずれるというわけでもないんです。大型船舶ですと30秒だと殆ど何も変わらないんじゃないかな。
また船舶自身が自分がどのぐらい動いたのか正確に把握出来ませんから(高精度なジャイロがあってもかなり怪しい面があります)舵が効いちゃったら元データの多くがパアです。そして光学測距で的データを精測しなおして相応の精度になるにはよく訓練されてても数分、下手すると十数分かかります(だから取り敢えず観測で撃っちゃって弾着見ながらデータ書きなおしとかやるわけですが)
つまり左右に舵を切りながら応射するというのは射撃精度の面でかなり困ったことになります。近距離で機関銃撃つならまだしも遠距離砲戦では射撃を諦めるのに近い行為になるんです。
これがレーダーですと繰り返し測距の頻度と精度が非常に高いのでまた話が変わってくるのは、例えばサマール沖海戦の矢矧の戦闘詳報とかで確認できますね。
SUDO
- >41.
前進距離(敵艦に予測され済み)と横移動(退避)距離を混同してますよ
何度変針するのか知りませんが三角関数で計算できるでしょ
駄レス国務長官
- コメント、ありがとうございます。
最後と言いながら、休日で、山菜の酢味噌あえと日本酒で、出来上がって
しまって。またカキコしてしまいました。GW?に免じてお許しください。
これを、ほんと、最後にいたします。
>大型船舶ですと30秒だと殆ど何も変わらないんじゃないかな。
これは↓、ミッドウェーの時の飛龍の回避行動です。真っ直ぐ進んでいたら、当たっていたでしょうね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E6%B5%B7%E6%88%A6
爆弾の落下時間は、30秒くらいあったのではないでしょうか。
>よく訓練されてても数分、下手すると十数分かかります
大気の条件とか、変更不要なデータも多いと思いますので、
そこまで、かからないとおもいますが。
(まあ、これは、私の想像で、全くあてになりませんが。)
私は、あの、例の、精工社?製でしたっけ、タンスくらいの大きさの
機械式の射撃の計算機の仕様がしりたいです。
いろいろ、勉強になる、コメント、ありがとうございました。
ちょん太
- 空気抵抗有する自由落下(時間から計算) - 高精度計算サイト
http://keisan.casio.jp/exec/system/1164007737
質量250kg
落下時間30秒
空気抵抗係数0.24kg/m
ですと、
落下距離2,313m
と、出ました。
この高度で飛龍側から投弾が見えるのか?
弾着位置を予想出来るのか?
至近弾を与えるのも厳しい高度に思えるのですが。
しゃるほ
- 急降下爆撃の場合だと、垂直方向の初速度がゼロではないので、もっと上から落とすことになります。
しゃるほ
- >46.
>これは↓、ミッドウェーの時の飛龍の回避行動です。真っ直ぐ進んでいたら、当たっていたでしょうね。
こんなに大角度変針したら測距から試射から修正から全部一からやり直しになります
風向きだって変わっちゃいますよね
>(まあ、これは、私の想像で、全くあてになりませんが。)
その通りで、想像であれこれ書き込まれるのは止められた方が宜しいかと
駄レス国務長官
- 思い切り単純化して、彼我双方で艦の性能、射撃技量が全く同一とし、自艦は相手の発砲を見て転舵で回避するが相手はそうしないケースを考えます
相手の発砲閃光を見て即座に変針して、自艦の進路が安定するまで1分以上は確実にかかるでしょう
それから的針的速を取るのに複数回の観測が必要なので、これまた1分以上
それを元に新たな射撃諸元を出すのですから、相手の発砲=変針からどう急いでも数分は掛かります
一方、等速直線運動を続ける相手側は、自艦進路の諸元はそのまま、的針的速のところからで良い訳で、データが揃うのも相手側が先です
そうすると、こちら側の射撃準備が整う前に相手側から次の斉射を受ける→こちらはまた発砲閃光を見て変針→諸元をいちから取り直し→・・・のループに陥りませんか?
そして、変針しても相手側の弾着までに散布界から出られなかったら、こちらは全く撃てないまま一方的に撃たれ、何斉射目かで遂に被弾する事になります
- >46-47
元記事見れば分かるようにB-17からの水平爆撃ですから高度は約5000mかと。
ついでにいうと爆弾が見えなくても投下のタイミングは凡そ分かります(爆弾の弾道なんて想像出来ますんで)水平爆撃は速度と高度で落とすべきタイミングが決まりますんで、進入コースに乗ったと判断した所で舵を切りだすんです。航空機の側は目標が舵を切ったと分かっても直進で投下しないといけませんから照準追随が非常に難しくなり、投下時点で外れちゃうんです。
んで、光学測距は一種の職人芸で、一つの測距データを出すだけでも数秒必要です。艦艇はこれを複数の測距儀でタイミングを合わせて行い、結果を集計して平均値を出して測距データとします。これを複数回行うことで、必要なデータを得ます。速度とか移動方向とか距離変化率とかは継続した複数回の測距から編み出すわけですが、そう矢継ぎ早に回数を重ねられないのは理解できるかと思います。このあたりがどのぐらい手間取るのかは各艦の演習記録とかみてみるとよろしいかと。
SUDO
- ちょっと時間の余裕が出来たので、コメントさせていただきます。
>47
空気抵抗係数が0.24kg/mで一定だと仮定すればの「高精度計算」なんですよ。
「空気抵抗係数kのデフォルト値は、スカイダイビングにおける値を想定しています。」との但し書きがあります。
爆弾は人間より速く落ちます。
厳密には、空気抵抗係数は速度にも依存するでしょうから、速度毎の係数そろえて数値積分しないと精度の高い値にはならないです。
まあ、それよりは、爆弾に関する高度と落下時間のデータを探すことだとおもいます。
望遠鏡で爆弾が見えるかどうかは知りませんが。重い爆弾を落とした時に飛行機は急激に軽くなるので、上方に大きな力を受けることになり、飛行機の運動が変わりますから、その変化は望遠鏡で見えるんじゃないでしょうか。
ちょん太
- >49
>こんなに大角度変針したら測距から試射から修正から全部一からやり直しになります
>風向きだって変わっちゃいますよね
「全部一からやり直し」、これは単なる貴殿の想像ですよね。
地球固定座標系に対する風向きは変わりませんよ。大気の情報を取るために新たに試射をする必要は無いのです。
ちょん太
- >50
>相手の発砲閃光を見て即座に変針して、自艦の進路が安定するまで1分以上は確実にかかるでしょう
>それから的針的速を取るのに複数回の観測が必要なので、これまた1分以上
>それを元に新たな射撃諸元を出すのですから、相手の発砲=変針からどう急いでも数分は掛かります
貴殿のご意見は承りました。
私は、「と〜りか〜じ。」「もど〜せ〜。」程度の10秒程度じゃないかと思っています。艦が加速度運動をしても、測距離の係りの人は、常に敵艦を照準していると思います。
基本的には、自艦の三次元の速度と加速度が分れば、等速直線運動は必要ない話です。さりながら、WW2当時の戦艦がそこまで達していたかは大きな疑問です。
ですから、私は当時のれいの「タンス大の歯車計算機」の仕様が知りたいと何度もコメントしておりました。
お互い、ここで水掛け論を交わしても、建設的ではございません。
それよりも、「例のタンス大の歯車計算機」の仕様を調べるのに注力した方が宜しいかと。
ちょん太
- >53
>地球固定座標系に対する風向きは変わりませんよ。
確かに地球固定座標系に対しては変わらないでしょう
ですが、艦は地球固定座標の上で遊動しています
そしてその固定座標に対して自艦が如何なる運動をしている・したかを厳密に観測測定できなければ、風向きが地球固定の絶対座標に対し一定であっても、結局は自艦を原点とする相対座標系で観測測定し直すしかなくなります
この艦は速力幾らで舵角幾らだと切り始めて何秒間は旋回半径幾ら、何秒後から何秒後までは半径幾ら…と事前に細かく分かっているなら自艦の未来位置を細かく算出できるかも知れませんが、まずその表を作るのに莫大な時間と手間がかかる上、風波などで受ける影響の差異を考えると現実には上手くいきそうにありませんね
>54
>私は、「と〜りか〜じ。」「もど〜せ〜。」程度の10秒程度じゃないかと思っています。
ほんの少し調べるだけで、戦艦級艦艇が転舵を始めて実際に艦の進路が変わり出すのに下手をすると1分以上の時間が掛かることは分かるはずなのですが
逆に「10秒程度じゃないかと思っています。」の根拠はなんでしょう?
乗客としてでも船に乗った経験はおありですか? 小型船舶でもそんなにひょいひょいと変針定針するものですか?
>基本的には、自艦の三次元の速度と加速度が分れば、等速直線運動は必要ない話です。
例えば、何故戦車の行進間射撃が難しいのでしょう?
射撃側のブレ程度の僅かな変位でも、その僅かな変位が弾着点では大きく拡大されるのはお分かりになりませんか?
射撃諸元の算定時には船体の動揺にも専任の観測手を置いて観測補正を行っているくらいです
風波での動揺すら諸元に影響を持つのに、時々刻々で変化し続ける回頭時の船体傾斜をどう処理するおつもりですか?
- >54.
>ですから、私は当時のれいの「タンス大の歯車計算機」の仕様が知りたいと何度もコメントしておりました。
Friedman著“Naval Firepower”に載ってますよ(日本製じゃないですケド)
そんなに高くないので尼損より購入して読まれては如何でしょうか
駄レス国務長官
- >厳密には、空気抵抗係数は速度にも依存するでしょうから、速度毎の係数そろえて数値積分しないと精度の高い値にはならないです。
空気抵抗係数kのディメンジョンがkg/mですので、これは単に速度の2乗に対する抗力の比です。
航空機等で使われる、動圧-面積比の抗力係数とは異なり速度には依存しません。つまりk自体が御指摘の積分の結果ですので、さらに積分すると意味が失われます。
なお、私はお手軽に利用できる計算サイトとして「高精度計算サイト」という名のサイトを御紹介したまでで、精度の高い値を得たい意図はありません。
>望遠鏡で爆弾が見えるかどうかは知りませんが。重い爆弾を落とした時に飛行機は急激に軽くなるので、上方に大きな力を受けることになり、飛行機の運動が変わりますから、その変化は望遠鏡で見えるんじゃないでしょうか。
望遠鏡、双眼鏡は倍率を上げれば像は拡大しますが、遠近方向については利得が無いので、真下から見上げても高高度飛行中の機体の高度変化を視認する事は出来ません。
投弾を見る事が出来たとしても、高倍率ブレ補正無しでは弾着位置の予想には使えません。
高倍率では視野が狭くなりますし、オートフォーカスも無いので、高度が下がってくるとピント合わせも不可能で、肉眼の方がまだマシなんじゃないでしょうか。
>飛龍の回避行動
下の方にある蒼龍の航跡は360°回ってますが、これも投弾を避け続けた結果なんでしょうか。
激しく動き回って狙いを付けさせないだけだと思いますが。
少なくとも敵機が爆撃運動に入った瞬間に急転舵して急降下爆撃を妨害する伊勢の手口は、弾着位置予想に時間を空費したりしていないはずです。
しゃるほ
- あまりに酷かったので静かにしていましたが、小生も誤解が解けるように祈りつつもう一度投稿を。
>>28の艦船ファン氏よるリンク先の転記ですが、文章の途中からだけ転記されていますね。主文を抜かして従文だけしか転記されておりません。
http://navgunschl.sakura.ne.jp/koudou/ijn/shahou/riron/surf/surf_frame.html
小生が関係する2段落をそのまま転記します。
サイトの内容が全て正しいのかは不明ですが、以下の文章の主体は「大中口径砲」であって、「3門以下での射撃などは、射法立案の際に問題にしていなかったように思われます。」の対象は、「大中口径砲を主体とし、小口径でも」と解釈できると思います。
以下、転記です。
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ただし、旧海軍における砲術のバイブル とも言える 『 艦砲射撃教範 』 には、この射法を詳細に規定、教示していますが、旧海軍における 艦砲射撃の主体は、あくまでも大中口径砲 が中心であって、小口径砲を装備する駆逐艦などにしても5〜6門での射撃の場合を考えていました。 3門以下での射撃などは、射法立案の際に問題にしていなかったように思われます。
即ち、大中口径砲を主体とし、小口径でも5〜6門の場合についての例題で答えを出し、その答えを総括的な文章で書き示したものが旧海軍の 『 艦砲射撃教範 』 であったと言えます。
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太助