436 質問435に関連して、ふと疑問に思ったことを質問します。軍艦の3連装砲の場合交互撃ち方というのは1)中央砲と左右の砲で交互に撃つ。2)右砲又は左砲と他の2砲で交互に撃つ。3)そもそも3連装砲においては交互撃ち方という概念がない。のいずれかでしょうか?3連装砲といっても最古参のダンテ・アリギエーリからアイオワまでいろいろと変遷はあるでしょうが、そのうちごく一般的なものというものと理解していただければ。
備後ピート

  1. 1)です。

    艦船ファン

  2. 艦船ファン様、早々の回答ありがとうございます。個人的には3)ではないかと思っていたのですが、勉強になりました。重ねてありがとうございました。
    備後ピート

  3. もしかすると誤解をされる方もおられるかもしれませんので補足しておきますと、ここで言う「交互打方」というのはあくまでも旧海軍で言うところのもので、です。

    旧海軍では艦砲の撃ち方(発砲の仕方)に「一斉打方」「交互打方」「指命打方」「独立打方の4種類がありました。

    「一斉打方」は全砲台の全砲を、そして「交互打方」は各砲台ごとその半数をもって(つまり全砲数の1/2)、同じタイミングで同じ目標に対して発砲することです。 これは砲塔砲ばかりでなく、砲廓砲などでも同じです。

    また「指命打方」とはその名のとおり指命(指定)された砲や砲塔・砲台のみが撃つもの(主として陸上射撃や試験時など)、「独立打方」とは各砲塔あるいは各砲ごとに撃つもの(対空射撃や極めて近距離での射撃の様に、極度に発射速度を要求する場合など)です。

    そしてこれらの内、この旧海軍の「交互打方」に相当する用語は他の海軍にはありません。 例えば「Split Salvo」や「Partial Salvo」というものがありますが、これらは「交互打方」の様な場合もあり、「指命打方」の様な場合もありで、実際にどの様に撃つかはその時その時で状況に応じて現場で決められるものです。

    もちろん米海軍などの3連装砲塔においても、旧海軍で言うところの「交互打方」の撃ち方を行う時には1)の方法です。 これは発砲時に砲塔の左右方向への振れ(衝撃及び振動)の影響を極力少なくするためです。

    ただしより正確に申し上げるならば、旧海軍では「交互打方」の正式定義として3連装砲では“右中左交互に、又は左右砲中砲交互に”と規定されています。 しかしながら、1門ずつ交互にというのは陸上射撃などの特殊な(ゆっくりじっくりと腰をすえて撃てばよい)場合に限って使用されるものであり、かつこれで実際に射撃訓練を行ったことはありません。 射法上、対艦射撃においてこれを用いる理由も必要もなかったからです。

    艦船ファン

  4. 痒いところに手が届くような説明ありがとうございます。いやあ、勉強になるなあ。
    備後ピート


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