460 |
つまらん質問で申し訳ありませんが、日本重巡で高雄型だけ、改装後の航続距離がエライ短くなってますが、何か特別な理由があるのでしょうか? 妙高型とかは、改装後も大して変わって無いんですよね。 一次資料に当たったわけでは無いので、自分の知識不足なのかもしれませんが、その場合はご容赦ください。 元祖T |
- 基準速度が14ノットから18ノットになってるからです
SUDO
- 回答ありがとうございます。
4ktでそこまで変わるんですか・・・。まぁ重油搭載量も減ってるみたいですが。
利根型が18ktで、結構アシ長いので、そんなに影響あるとは思ってませんでした。
あ、でも利根型は500t位重油多いですね・・・。
元祖T
- >>2.
排水量同一のとき機関出力は速力の三乗に比例するとすれば
18の三乗÷14の三乗=2.125ですから
すなわち出力が約二倍で燃費も約倍増しますから航続距離が半分近くに減るわけです
あと蒸気性状は高雄型までが飽和蒸気、最上型以降が過熱蒸気ですんで、その面でも燃費が改善されてるわけです
駄レス国務長官
- 具体的な解説ありがとうございます。
機関の進歩も侮れませんね・・・。
元祖T
- 機関出力(=燃料消費)は速力の三乗でしょうが、移動距離も速力に比例してのびますので、燃費としては速力の自乗が妥当かと思います。
しかし、最高速力時の馬力を比較すると、抵抗係数は改装後の方が大きそうですね。
・馬力=抵抗×速力×係数
・抵抗=抵抗係数×浸水表面積×(速力の自乗)×係数
・浸水表面積は垂線間長×艦幅で代用
で略式計算しました。実際は造波抵抗やらが絡んできますが、わかる範囲で。
一方で、基準速力時の航続距離を燃料搭載量を鑑みて比較すると、改装後の航続距離が意外と長いように思います。
※当初予測上限値:8000×0.876×0.605=4240 < 5049
・8000:改装前航続距離
・5049:改装後航続距離
・0.876:改装後燃料搭載量÷改装前燃料搭載量
・0.605:(改装前基準速力÷改装後基準速力)の自乗
で計算しました。
戯れ計算ですが、いずれにしても基準速力時と最高速力時で抵抗係数の大小が逆転しているようで気持ち悪くあります。予測上限値が改装後航続距離より長ければ、詳細がわからないのが残念ではありますが、まあ気持ち良く終われたのですが…
太助
- 5.
>燃費としては速力の自乗が妥当かと思います。
そうでした、失礼
>基準速力時と最高速力時で抵抗係数の大小が逆転しているようで気持ち悪くあります。
3.ではハナシを簡単にするため省きましたけど、機関単体の燃費が出力に対してUの字カーブですんで、底の領域か否かで変わるためではないかと
あと妙高・高雄両型に関しては、竣工時は巡航中は翼軸のみ運転で内軸は水流により遊転でしたが、抵抗となるため、第一次改装時に内軸に遊転タービンを付加した結果、巡航燃費を約一割改善したのと、第二次改装時に遊転タービンを撤去する代わり巡航タービン排気を内軸主タービンに導入して巡航中も4軸運転するようにした結果と考えられます
(利根型は当初よりこの方式)
駄レス国務長官
- なるほど、
(1)船体の抵抗係数は改装後で大きくなっている(最高速力の減少)。
(2)内軸運転方式の変更が巡航中のプロペラの抵抗を減少させた。
→巡航中は(1)の抵抗増大と(2)の抵抗減少を比較すると(2)の効果の方が大きく、結果として、単純に燃費を速力自乗とし(1)の抵抗増大を織り込んだ場合に比べて航続距離が長くなる。加えて、機関の最高効率点に近いか遠いかで燃費も変わってくる。
巡航時のみに効果のある改装項目があったのですね。
気持ちよく終われそうです。ありがとう。
太助