500 真珠湾やマダガスカル、シドニー攻撃に使用された甲標的甲型には防潜網切断器など、敵の妨害に対抗する「オプション」が取り付けられていましたが、ルンガ泊地攻撃やキスカ島基地等に派遣された甲型にも同様の装備がなされていたのでしょうか?ご教授よろしくお願いいたします。
タービン

  1. キスカ島のものには防潜網排除用ガードは付いていなかったようです。
    世界の艦船別冊の日本潜水艦史(旧版)にある米軍撮影の捕獲艇写真の解説では以下となっています。

    「これらの艇はミッドウェー占領後、同島の防衛に充てる予定のところ、作戦の失敗でキスカ島に転用されたもので、任務上港湾侵入を想定していないため、ハワイ作戦の参加艇のように防潜網排除用のガードを装備していない。」
     

  2. 港湾襲撃ではないため、防潜網に対する対策が必要なかったためです。
    ただ、シドニー/ディエゴスアレスで使われた第二次特型格納筒は、使用定数以上の改造艇が作られたようで、実際にガダルカナルでも使用されたものが、米軍に撮された写真で1艇確認できます。
    GO

  3. GO様、丁寧なご回答を頂きまして、どうもありがとうございます(文脈から推測するに、1番目の回答もGO様でしょうか? 誤っていたら申し訳ありません)。
    建造された甲標的が流用・転用された履歴の一端を知ることができ、大変興味深く思います。
    ガダルカナルの甲標的が第2次攻撃隊と同仕様のものであった事は全く知りませんでした。
    因みにこの件でGO様が参照なされた写真というのは、此方でしょうか(間違っていたら申し訳ありません⇒http://www.history.navy.mil/photos/images/h97000/h97250.jpg)?
    ご指摘の点を踏まえて良く注視しますと、確かに何か棒状のものが艇首に付いているようにも見えますが……。
    タービン

  4. >タービンさん

    よろしければこちらも参照してみて下さい。
    www.h3.dion.ne.jp/~okumoto/
    マルヤ

  5. タービンさん
    1は誰なんでしょう?私ではありません。
    写真はこれですよ。艇首の防潜網カッターの破損が激しいのですが、セイルのものは原型を保っています。ただ、現在はすべて撤去されて、すっきりした状態でアメリカに展示されています。

    オーストラリア戦争博物館に展示されているものの、写真をアップしてますので私のブログで見比べてください。
    http://blogs.yahoo.co.jp/xxx7372111/3020008.html
    GO

  6. タービンさん
    ちなみに防潜網カッターを付けたのは、甲標的甲型を改造した特型格納筒という、潜水艦発射型の甲型の内、港湾襲撃用のものです。
    通常の甲型にも、局地防衛(キスカなど)の甲型にも、通常の特型格納筒にも付いていません。
    防潜網カッターは作戦用途に合わせた装備と考えていいででしょう。
    ただ、予備があった場合、そのままガダルカナルのように使用された事例があります。

    GO

  7. >マルヤ様
    HPのご紹介有難うございます。これは本項で回答を頂いているGO様のHPでしょうか。拝見しましたらば、読んだ事のある書籍が幾つか見当たったので驚いております。

    >GO様
    重ねてご説明いただきまして有難うございます。
    港湾攻撃に従事した各攻撃隊のイメージが甲型に対して強く残っていたせいか、今までこれを特型格納筒とイコールで考えておりました。実はそういう事情になっていたのですね。
    ブログも拝見致しましたが、此方の予想していた以上に綺麗に保存されていた様で驚きました。移転に伴って装備が撤去されてしまったのは少し残念です。
    また、GO様ご執筆の「特殊潜航艇全史」、つい先日手に入れることが出来ましたので、これより読み始めて、勉強したいと思います。有難うございました。
    タービン


Back