545 「魚雷は〜」を読んでいると「ある程度主砲門数を満たしていれば多門数より大口径が強い、合理的」であるかのように思ってしまうのですが
@WW2に参戦しロンドン条約が有名無実になった各国で巡洋艦主砲の大口径化が起きず6インチ・8インチ主砲を持つ巡洋艦の建造を続けたのは何故ですか?
A特に28cm主砲の設計・製造経験のあるドイツがヒッパー級の主砲を8インチとしたのは何故でしょうか? 排水量も全幅もドイッチュラント級以上なので28cm連装砲塔3基など載せられそうですが。
にわかザ素人

  1. >「ある程度主砲門数を満たしていれば多門数より大口径が強い、合理的」
    射法上必要な門数は最低6門とされるので、同じ武装重量なら小口径多数より6門以上を確保した上で大口径少数に振ったほうが有利というセオリーは確かに存在します。巡洋艦や計画までで終わった戦艦を含めると6門艦が結構あります。
    とはいえ故障や損傷などで砲塔が1基や2基使用不能という状況は容易に起こりえるので、その意味では6門艦はかなりのリスクを負うことになります。したがって現実には8〜10門艦が適度なバランスということです。
    >@
    重巡洋艦は8インチ主砲を持ちながら防御力は8インチ対応ではないので、重巡以下を撃破するには8インチ以上は不要だからです。主砲を8インチ以上にしても戦艦を撃破できるわけではないので中途半端なだけです。戦艦などには高速力と魚雷でもって対抗するのが通常です。
    アラスカ級などは「巡洋艦主砲の大口径化」と言えそうですが、これは例外として。
    >A
    A・ヒッパーは計画初期では6インチ砲巡洋艦とされていたのが、史実のように肥大したわけです。8インチ連装砲塔4基は約1020t、ドイッチュラントは28センチ3連装2基で約1200t。防御か機関重量を削るか、艦型をさらに肥大化させるかすれば28センチ6門も載るでしょう。そしてそれは改ポケット戦艦のような存在になるでしょう。しかし改ポケット戦艦というのはシャルンホルスト級の当初の計画がそれだったのです。
    「魚雷は〜」を読まれたならポケット戦艦に対抗してダンケルク級、さらに対抗してシャルンホルスト級〜という対抗艦種の連鎖はご存知と思います。A・ヒッパーが起工された1935年という時期において改ポケット戦艦を整備する価値はすでにありません。
    独海軍の巡洋艦に対する考え方というのはどうもよくわからないところがあるのですが、単純に見ればA・ヒッパーは英国など他国が持つ重巡洋艦に対抗したかったのでしょう。
    超音速

  2. 条約のからみを忘れてました。A・ヒッパーは英独海軍協定に従った結果です。
    大戦中の巡洋艦は主砲口径拡大よりも対空火力や防御力の強化が重要で、対空射撃では大口径少数はむしろ不利になってきます。1万5000tのウースター級、1万7000tのデ・モイン級など肥大した巡洋艦も出現しますが、主砲口径はそのままで自動化による発射速度向上で火力を強化し、主砲の対空射撃能力も向上させています。

    先述したアラスカ級が例外というのは、ポケット戦艦から所謂中型戦艦までの流れの中に同級が存在するからです。
    超音速

  3. それぞれの国にそれぞれの事情が存在し、それらが関係するので一概には言えませんが、
    1万5千トンの船体に31cm砲を6門搭載し、魚雷も備える予定の超甲巡初期案が、質問者の想定する「主砲が大口径化した巡洋艦」に一番近いように思います。
    結局、アラスカ級に対抗した3万トン31cm9門艦になってしまいましたが。
    きっど


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