青江様

同じ質問がありましたが、長年誰も回答していません。
「潜水艦の燃料ってどんなん？」2010/1/11 18:40

http://qa.gree.net/forum/question/6504829


軽油引取税は昭和31年の創設ですので、それ以前にはＡＢＣの区別はなかったはずです。

他国のディーゼル燃料を日本語に訳すと軽油になり、成分はほぼ現在の日本のＡ重油と同じものになります。燃料油清浄機（1950年ごろ舶用大型ディーゼルエンジン用に開発）がなかった戦前のディーゼル燃料は、軽油だったとしか考えらません。

よく日本海軍の潜水艦の燃料は重油：800トンとか書かれていますが、単なる誤りでしょう。
とおり

　日本の潜水艦用燃料は基本重油です。陸軍でも戦車は軽油ですが、大発は重油ですね。
大塚好古

大塚先生、ご訂正をしていただき、ありがとうございました。
当時の諸外国の潜水艦も、やはり重油なのでしょうか？
日本だけが重油なら、少し悲しいです。
とおり

米海軍の1922年の規格（海軍機関学会会誌第144号付録に記載）
1.燃料油（海軍標準油）「デーゼル」機関ニ用フル事ヲ得
2.重油Ａ　「デーゼル」機関ニ用フル事ヲ得（性状は前記1.とほぼ同等）
3.重油Ｂ　普通ノ粘度ヲ有スル油ニ適スル型式ノ「デーゼル」機関ニ用フル事ヲ得
4.重油Ｃ　粘稠ナル油ニ適スル「デーゼル」機関ニ用フル事ヲ得
5.潜水艦ディーゼル機関用燃料油　前記1.の水分及び沈殿物含有量を1/10に減じたもの

日本海軍の昭和２年制定、昭和19年改定の「海軍燃料経理規程」（日本海軍燃料史に記載）
1.軽油　重油機械用、軽油機械用、工業用及び兵器、機械手入用
2.１号重油　重油機械用、缶用（■寒用）　←　■はさんずいに互
3.２号重油　重油機械用（使用区分細目は海軍省軍需局長をして之を通牒せしむ）　
4.３号重油　艦艇の行動用、混焼缶を有する特務艦の行動用として特に要するもの（以下略）
5.缶用重油　上記4.に同じ
・・・となってます
日本海軍規程の１号２号３号が米海軍規格のＡＢＣに相当するものと思われますが粘度その他性状については残念ながら不詳です
実際の運用ですが特に大戦末期には柔軟（いい加減）であったものと想像します
駄レス国務長官

　おまけ。下のページにあるように日本海軍の重油は缶用・一号・二号の区別があります。

http://www.d4.dion.ne.jp/~ponskp/yamato/transport/nenryo_1.htm

　木俣先生の本によると「米潜が新二号重油と同等の良い燃料」を使っている、と報じられたそうなので、二号重油（B重油？）が大型ディーゼル用だったのではないかと。
大塚好古

＞３

　米潜は燃料の比重からみて、日本海軍が報じた様に二号重油相当の燃料と思われます。独潜は軽油ですね。
大塚好古

重油の比重は産地によって異なりますので等級識別の指標としては不適切ではないでしょうか
駄レス国務長官

>>1,3
他人がすでに使用しているハンドルをそのまま使うのは感心しないですね。
戦史１３５も私ではありません。

とおり

↑航空機の945の3を見て、コテハンだとは思わずに「単なる通りすがり」のつもりで、554の1と3に、深く考えずにとおり様のハンドルを使ってしまいました。誠に申し訳ございません。長年コテハンを続けている某氏よりも、悪質なネチケット違反をしてしまいました。深くお詫び申し上げます。航空機945の3の「とおり」氏とは別人です。IPをご確認いただければありがたいです。

通りすがりの別人2

どうもありがとうございました。
重油で使える粘度のものを使用していたと言うことでしょう。
青江

日本海軍の潜水艦が使用した燃料についての知識など御座いませんが、
下記のサイトが参考になるかと思われます。
（既にご存知かもしれませんが）

REPORTS OF THE
U. S. NAVAL TECHNICAL MISSION TO JAPAN
1945 – 1946
Operational Archives
U.S. Naval History Division
Washington, D. C.
December 1974

http://www.fischer-tropsch.org/primary_documents/gvt_reports/USNAVY/USNTMJ%20Reports/USNTMJ-200K-0292-0390%20Report%20X-38%20N-1.pdf

http://www.fischer-tropsch.org/primary_documents/gvt_reports/USNAVY/USNTMJ%20Reports/USNTMJ-200I-0478-0536%20Report%20S-42.pdf

ドイツの軽油・重油に関しては下記のサイトが参考になるかと思われます。
下記２点の資料はアジア歴史資料センターにあるもので、Ｕボートへの補給を
考慮した物と思われます。

「独逸船に対し燃料交付の件」
http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_C01000811300?IS_KIND=SimpleSummary&IS_STYLE=default&IS_KEY_S12=F2006083118101851446&IS_TAG_S35=InfoFolder&IS_KEY_A1=%E7%8B%AC%E9%80%B8%E8%88%B9&IS_TAG_S12=InfoFolder&IS_LGC_S35=AND&IS_TAG_A1=InfoD&IS_LGC_S12=AND&

「独逸船に供給すべき特殊規格燃料の供給可能量に関する件」
http://www.jacar.go.jp/DAS/meta/image_C04123856400?IS_KIND=SimpleSummary&IS_STYLE=default&IS_KEY_S12=F2006083118101851446&IS_TAG_S35=InfoFolder&IS_KEY_A1=%E7%8B%AC%E9%80%B8%E8%88%B9&IS_TAG_S12=InfoFolder&IS_LGC_S35=AND&IS_TAG_A1=InfoD&IS_LGC_S12=AND&

下記２点は米海軍が調べたものです。

German Naval Fuel Oil
http://www.fischer-tropsch.org/primary_documents/gvt_reports/USNAVY/tech_rpt_333_45/Report-333-45.pdf

Technical Report Number 187-45
German Diesel Fuels　August 1945
http://www.fischer-tropsch.org/primary_documents/gvt_reports/USNAVY/usn_187_45.htm

姫

大変参考になりました。
重ねて、感謝します。
青江