556 戦艦の加速力が載っているサイト・文献などありましたら教えてください。
艦が急旋回を行った際の速度低下を回復するのに、だいたいどの程度の時間が必要となるかを知りたいので、特定の戦艦ではなく、一般的な傾向を知れればと思っています。
takka

  1. ずいぶん長く回答が付かないですね…

    どうしても戦艦の加速力がまとまっているサイトが見つからないのであれば、ご自身で概略計算なさるのが良いかと思います。以下のサイトのプレビューをクリックすると論文の内容が読めるのですが、トルク一定を仮定した場合の加速力計算は公開情報(排水量、垂線間長、幅、機関出力、最大速度)からなんとか概略計算できるのではないかと思います。
    http://ci.nii.ac.jp/naid/110003871146

    気になった点を書き出しますと、
    1)添付の論文は潜水艦を前提に論じていますが、水上艦の場合は造波抵抗を必要に応じて考慮する必要があります。もっとも造波抵抗だけを取り出して云々いうのは難しいので、他の抵抗成分とまとめて取り扱うのがよろしいかと考えます。
    2)水の付加質量20%とさらっと書いてありますが、これに関しては以下のサイトがよくまとまっていると思います。
    http://ocw.hokudai.ac.jp/Course/GraduateSchool/FisheriesSciences/MarineIndustryScience/2006/page/materials/MarineIndustryScience-2006-Text-All.pdf

    最初に挙げた論文の基本が義務教育で習うF=m・aなので、
    付加質量をどうとるかが、加速度aの計算結果に直接に効いてきます。内容が解らなければ、付加質量は0でも問題ないと思います。

    以上が小生の書き込みですが、これには、艦が急旋回を行った際の速度低下がどの程度になるのかといった情報は含んでおりません。あくまで回復過程の加速力計算の手法の紹介です。何かしらの参考になればよろしいのですが。

    太助

  2. 太助さま、回答ありがとうございます。

    紹介していただいた論文を読んでみたのですが、前提となる知識(定数が何を意味しているのか)が欠けているためどうも理解できませんでした。こちらで適当にモデル化して解こうとも試みましたが、案の定解けない微分方程式になってしまい挫折。船舶用の流体力学をしっかり勉強せねば…。せっかく回答を下さったのに申し訳ありません。

    その後フッド等英軍艦のv-tグラフが見つかったのでこれを参考にしようと思います。
    http://www.hmshood.com/ship/hoodspecs4.htm

    質問した当初は公試運転の際に最大速度だけではなくv-tグラフを作れるような時間ごとの速度も実測しているのではと軽く考えていましたが、ドップラーレーダーやソナーのない時代に船の瞬間速度を測るのは困難ですから実測したデータはありませんよね…。

    takka

  3. >>2
    良いサイトを見つけられましたね。急旋回後の速度もちゃんと記載してある。ただ最大速度に達するのに30分以上かかっていますよね。ここには注意が必要かと思います。といいますのは、これは缶の出力を徐々に上げていった場合のグラフであり、急旋回時のように缶の出力が最初から高い場合に比べて、非常に長い時間がかかっているのではないかと思われるからです。>>1のリンク先の論文にもv-tグラフがありますが時間軸は秒単位であり、>>2のサイトの時間軸が分単位なところに違いが端的にあらわれています。

    ところで、論文の中身は一字一句を理解するのは難しいですね。概略の考え方だけ借用できれば十分だと思います。単位も書かずに申し訳ないんですが、次のような略計算も個人の戯れとしてはあってもよいのではないでしょうか。

    1)最大馬力=最大推力x最大速度÷75
    この式に最大馬力(定格の機関出力またはその1.1倍)と最大速度を代入すれば最大推力が求まります。

    2)最大推力=最大速度時の抵抗=抵抗係数x浸水表面積x最大動圧
    ・最大推力は1)でわかっています。
    ・浸水表面積は大胆に垂線間長x幅で近似します。
    ・最大動圧=(1/2)x海水密度x(最大速度の自乗)になります。
    以上を代入し、抵抗係数を求めます。

    3)速度vの時の抵抗=抵抗係数x浸水表面積x動圧
    ・抵抗係数は2)で求まり、速度によらず一定と「仮定」します。
    ・浸水表面積は2)の途中で近似しました。
    ・動圧=(1/2)x海水密度x(速度vの自乗)です。
    ちょっと仮定や近似が多いですが、速度vの時の抵抗が計算できます。

    4)質量は付加質量を考えずに、排水量と等しいとしましょうか。

    これらを運動方程式F=m・aに代入すると、
    (最大推力-速度vの時の抵抗)=排水量・加速度
    となり、「最大速度で舵をきって減速し、その後、速度vまで速度が回復した時の」加速度を略計算できます。あとはお好みで効率を考慮したり、抵抗係数を速度の関数にしたりで満足感を得ます。

    あまり難しく考える必要はありませんよ。

    太助


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