560 日本海軍の給油艦「足摺」型なのですが、このクラスは1940年度計画で空母へのガソリン補給を目的として建造されています。
このガソリン補給なのですが、戦前建造の赤城、加賀、蒼龍、飛龍(もしかしたら翔鶴型も?)が十三試艦爆(彗星)や十四試艦攻(天山)などの新型機搭載に際してガソリン搭載量が不足しており、これを補う為と考えて良いのでしょうか?
計画年度から考えてこのような結論になったのですが、実際の所はどうだったのか教えて頂けませんでしょうか。
薩摩

  1. これも回答がつかないようですので、わかる範囲でコメントします。

    揮発油運搬艦としては「足摺型」の前級に「洲埼型」がありますが、昭和14年度計画の「洲埼型」の建艦理由が(新型機対応なのかは)よくわかりません。ただ「足摺型」の建艦理由を狭義に捉えると、「洲埼型」の能力不足を補うためだったと考えるのが自然ではないでしょうか?

    さて、揮発油運搬艦の能力についてですが、
    1)昭和造船史では
    ・「洲埼型」:1隻で中型空母2隻に軽質油その他を補給するのが目的
    ・「足摺型」:1隻で大型空母2隻に軽質油と、真水、弾薬、加工品、魚雷、爆弾、生糧品などを補給するのが目的
    とあります。

    2)海軍造船技術概要には、
    ・「洲埼型」:洋上での空母への爆弾移載が最も困難であり、「蒼龍型」「翔鶴型」空母への爆弾移載は可能であるが、その他の空母へは不可。そのため燃料補給を主任務とし、爆弾補給を従任務とする旨の記述があります。

    つまり、「足摺型」は(軽質油補給量の拡大もありますが)爆弾の移載能力強化(デリックの大型化)を目的とした艦であったと思うのです。
    新型航空機との関係についてはよく判りませんが、「足摺型」だけではなく、前年度計画の「洲埼型」も絡ませて考察されるのがよろしいかと存じます。

    太助

  2. 太助様、回答ありがとうございます。
    洲埼型と足摺型の建造なのですが、wikiで起工時期を見ると洲埼が1942年3月25日なのに対し、足摺が1941年7月8日と計画とは逆に足摺が先に起工されています。
    竣工も足摺の方が早く、この点から見て洲埼型の能力不足を補うのであれば最初から足摺型を建造しても良いような気がしまして……。

    赤城、加賀、蒼龍、飛龍の航空機用燃料の不足については「日本の航空母艦パーフェクトガイド」で触れられており、タンク増設不可となっていました。
    なのでこの不足分を補う為ではないか……と考えた次第です。
    薩摩

  3. 少し言葉足らずで誤解を与えてしまったようですね。
    要は役割分担なんです。「足摺型」は能力強化型だが高価で数が揃えられない、「洲埼型」は能力は劣るができることも多い。そして>>1でも書きましたが、能力の決定的な違いは「爆弾移載能力」だと思います。「揮発油補給能力」だけを云々するなら「洲埼型」の量産計画を実行して、史実とは逆に「足摺型」がキャンセルされていたのではないでしょうか?

    蛇足を承知で世俗なイメージに例えると、
    「洲埼型」→汎用護衛艦
    「足摺型」→イージス艦
    「揮発油」→対潜能力
    「爆弾他」→対空能力
    になるのでは?「揮発油」補給能力は決して軽視するものではありませんが、「足摺型」の建艦目的はそれじゃないだろうと思います。

    これが、「揮発油」対応に関しての疑問であれば、「足摺型」だけではなく「洲埼型」を絡ませて考察された方がよいのではとした理由です。もちろん無理にとは申しませんが。

    太助

  4. えっと、完成する前から既に結論として「蒼龍型」「翔鶴型」への爆弾移載作業は困難であるとされていた、と言う事で良いのでしょうか?>洲埼型
    太助様のお話ですと、起工も完成も足摺の方が早かったにも関わらず、洲埼型の問題点を解決した艦であったと読めるのですが……。
    大型化に伴い各種補給能力が向上した事は間違いないと思いますが、揮発油と補給物品は排水量の増大に見合う分だけ増加(洲埼型排水量4465トン、揮発油1080トン、真水弾薬等440トン。足摺型排水量7951トン、揮発油2320トン、真水弾薬等880トン、歴史群像「帝国の艦船」)しており、後部5トンデリックが補給物資移送用となっています(前述書による)。
    20トンデリックは浮舟の揚降に使うものとされていて、同デリックの下部は補給用揮発油庫になっているのもそれを裏付けているように思えます(洲埼型も前部デリック下部が揮発油庫、後部デリックが物資移送用)。
    薩摩

  5. 「蒼龍型」「翔鶴型」以外の艦には、設計段階から「爆弾他」の移載はあきらめていたと小生は解釈しています。

    海軍造船技術概要の 「洲埼型」には次の記載があります。
    『本艦の計画に当り最も困難であったのは、洋上にて空母への爆弾補給であり、 蒼龍型及翔鶴型空母への爆弾移載は可能であるが、其他の空母では別に長い「スパン」の「デリック」の新設を要し、以の為15〜20トンの代償重量を求めることは困難であり、結局燃料補給を主とし爆弾補給を従として、設計を進めることになった。』

    漢字カタカナ文を漢字ひらがな文に打ち直したことと、旧字のtonをカタカナに置き換えたこと以外は原文のままです。

    もっとも『本艦の計画は其後色々と変り、』とありますので、実際の 「洲埼型」がどういった艦になったのかは、今少しの調べが必要かなと思います。日本海軍艦艇図面集にも 「洲埼型」は記載されていないようですし、、、

    太助

  6. 「洲崎」(2代)はS14年度計画(マル4)に1隻計上され、「空母に横付けして」軽質油や弾薬等の補給が可能な艦型として、竣功年度はハナからS18年度とされてました(「海軍軍戦備」に拠る)
    いっぽう「足摺」型はS15年度第二次追加計画に2隻計上され、前記「洲崎」の小型に対して中型として艦型拡大したもので、建造工程も「足摺」は「洲崎」より先行、2番艦「塩屋」はほぼ同時期でした
    なお同計画には「洲崎」と同型の小型4隻も計上されましたが、「高崎」(2代)の他は戦局の変化により建造中止となりました
    「足摺」型にせよ「洲崎」型にせよ、速力16ノットでは機動部隊との同一行動は無理ですから、前線と内地との中間地点(洋上または仮泊地)における補給(防舷フロートを挟んでの停泊時)が主眼と言うことになるでしょう
    ですんで艦載機の大型化と直接結び付けず、一般的な遠隔地での作戦上の要求と考えるほうが宜しいんじゃないでしょうか
    駄レス国務長官

  7. ……トラックあたりを根拠地として機動部隊作戦を展開する為の補助艦、と捉えた方が良いのでしょうか。
    スペックデータを見る限り、一度作戦を終えて帰投した機動部隊に対する航空機関係の補給を行うには十分な能力を持っているようですし。
    足摺型には航空機整備工場もあったようですし、確かに洋上での補給作業と言うよりは根拠地なんかで補給&不調機の整備に当たると考えた方がしっくりきます。
    爆弾等の移送作業も停泊中に横付けして行うのであれば問題なく行えるでしょう。
    ……もしかして当初は洋上補給を前提に考えてたけど、諸々の理由でそれが不可能と判断された&完成時には本来補給すべき空母部隊が出撃を繰り返せるような状態じゃなくなっていたので内地への揮発油輸送に回されたと考えた方が良いのかも?
    薩摩


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