611 皆様、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
2015年元旦の艦船欄への初質問です。

 独巡戦シャルンホルストは、計画より5000t近く重くなって完成し、
乾舷の低下による様々なトラブルとその対称療法的な対策に終始しました。

 それに対し、建造中も含め日英の艦船が実施したようなバルジの装着による
喫水線の低下=乾舷の回復は、なぜ行われなかったのでしょうか?

 同級のグナイゼナウは、その後主砲の換装工事が着工されますが、
その際も増加する排水量への対応は、艦首の延長で応じることになっており、
バルジの装着は計画されていません。

タミヤ1/700改造 ドイツ海軍戦艦グナイゼナウ 38cm砲搭載型
www.din.or.jp/~yamapan/html/model/ship/gneisenau38.html
参考:過去ログ
B2001604.html - Warbirds.jp

 これは、
1)バルジの装着は、第一次世界大戦後に確立された技術で、
  ドイツには伝わっていなかった。
 (同級以外でもバルジの装着事例がなさそうなので)
2)イタリア戦艦の改装事例からみて、大陸列強では艦首の延長の方が
  トレンドだった。

などによるものでしょうか?

ご教示いただければ幸甚です。   

                           2015.1.01.元旦 9:35記
NG151/20@謹賀新年

  1. 「グナイゼナウ」は前部に主砲塔×2、後部に主砲塔×1基を配置していました。
    主砲塔交換は、その旋回部だけでも1基あたり750tから1064tになり、前部が約600t、後部が約300t増加します。
    また、艦内の主砲関係の諸設備強化(砲塔の旋回、砲の俯仰、弾丸の装填など)、さらに主砲関係の重量増加分を支えるための艦内構造強化、砲弾の重量増(1発あたり約320s→約800kg)などもあります。
    これらの負荷は、主砲塔が2基配置されている前部の方が後部より大きいはずです。

    よってバルジによる浮力増加より、艦首ツリムを是正するべく艦首延長による艦首部浮力の強化を選択したものと思います。

    またバルジが見られないのは、抵抗増による速力低下を嫌った面もあると思います。
    Ranchan

  2. 小生の知識に間違いがなければ、シャルンホルスト級は@英仏を過度に刺激しないこと、A38センチ砲は開発中であったことのため、取敢えず28センチ砲を装備して完成させ、状況によっては、あるいは後の時点で38センチ砲に換装し、この際艦首を延長するすることが最初から計画されていた、このため最初からそのような設計がなされていたということによります。
    速度の低下が少ないという考慮も勿論あったと思います。
    なお、バルジそのものは、魚雷対策として昔から在りました。

    UK


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