615 もうひとつ、有視界距離での艦対艦戦闘について質問させて下さい。
現有の「むらさめ型」が突発的に有視界距離(とりあえず20km程度とします)で艦対艦戦闘になった場合、艦対艦ミサイルHarpoonを使うのか、またESSMを使うのか、について自力問答をしています。

Harpoon
有利な点:完全打ちっ放し。高威力弾頭(488lb)
不利な点:片舷4発。亜音速。

ESSM
有利な点:弾数が最大16発。おそらく超音速。
不利な点:FCS-2-31を1基占有。弾頭威力は砲以上だが対艦ミサイル未満(90lb)

これがイージス艦あたりだと、 HarpoonよりもSM-2の方が、撃つ方も撃ち易いし、撃たれる方も嫌でしょう。
現有「あきづき型」がESSMを何発積むのかは知りませんが、最大64発装備なら、小生ならESSMを使う方が、撃つ方も撃ち易いし、撃たれる方も嫌だと思います。
対艦ミサイルを使うかどうかさえ疑問に思っています。

「むらさめ型」ではHarpoonは使うでしょう。ESSMは攻撃に使うと、防空能力が半減するでしょうから、あまり使いたくないでしょう。しかし、撃たれる側としてはESSMの方がHarpoonよりも嫌だと思います。

乱文続きで申し訳ありませんが、みなさんは「むらさめ型」は対艦攻撃にESSMを使うと思いますか? 撃たれる側としてはESSMの方がHarpoonよりも嫌だと思いますか?
なお相手側の艦級は限定しませんが、小生は「むらさめ型」と同程度の艦一隻を想定していました。

よろしくお願いします。

太助

  1. 知り合いの海自隊員(誘導)に聞いた所、「ESSMの対艦使用なんぞ欠片も考えてねぇよ、FCS2はそもそも対艦誘導に対応してねぇ」との事。
    続けて「何の為にSSMと短SAM別個に搭載してると思ってるんだ」とも言われました。
    薩摩

  2. そもそも、何故ESSMだと撃たれる方も嫌なのでしょうか。
    セミアクティブレーダー誘導は、目標との衝突コースをほぼ直進するのに対し、SSMは迂回やホップアップなどの回避機動をしますし、ESSMはシースキマーでもありません。
    どちらが厄介でしょうか?
    YK

  3. 回答ありがとうございます。

    >>1
    「FCS2はそもそも対艦誘導に対応してねぇ」とは、船と波の区別がつかないということですか?それともESSMの対艦攻撃には実は中間誘導が不可欠だが、FCS-2-31は中間誘導に対応していないという意味でしょうか?
    「 何の為にSSMと短SAM別個に搭載してると思ってるんだ」についてはどうなんでしょう。SSMの射程・誘導方式から考えて、水平線の向こう側を攻撃できるのがSSMの強みかと考えていましたが。まあ「水平線の向こう側」の情報はなかなかわからないということかもしれませんね。

    >>2
    SSMの方が厄介だと考えられたのですね。了解しました。

    太助

  4. >>4
    それ以前に米軍において「テストは成功した」だけのものを何故運用出来ると考えているのか不思議でしょうがないのですが。
    量産品にその機能が組み込まれているという話は聞いた事がありませんし、そういう運用を前提にしていないのだから対応するシステムが組み込まれている筈がない、そういうことだと思いますけど>FCS2
    薩摩

  5. >>4
    不思議の元は↓です。海軍のHPなんですが、
    http://www.navy.mil/navydata/fact_display.asp?cid=2200&tid=950&ct=2

    Primary Function: Surface-To-Air and Surface-To-Surface radar-guided missile.
    との記載があるんですよ。普通はESSM側にはその機能があるとみなして問題はないと思いますが。
    FCS-2-31については「むらさめ型」のESSM搭載の際に何かしらの改修が加えられたと考えていましたが、何がネックになって「FCS2はそもそも対艦誘導に対応してねぇ」になってしまうのか非常に興味をそそられます。ネックになる要素が些細なことなら機能を追加したら良かったのにと思いますし、大きな問題(船と波の区別が付かない、中間誘導に対応していないetc.)があるのなら機能の追加はなくても仕方ないと思います。

    太助

  6. 大した回答にはならないと思いますが、敵艦が「むらさめ」級と同等の規模であれば素直にハープーン(90式?)を使用するのではないでしょうか。

    他回答でも指摘されている通り、対空ミサイルであるESSMと対艦ミサイルであるハープーンでは弾頭重量等が違いすぎますから、より確実に打撃を与えるならハープーン一択かと。

    ESSMを含めて米海軍の艦対空ミサイルには全シリーズに対水上攻撃モードが存在しますが、弾頭、信管などは所詮対空用途ですし、イルミネーターの使用できる距離でしか使用できないなど使い勝手はあまり良くないと言えます。

    何かしらのトラブルでハープーンが使用できない or 近距離に接近した非装甲艇対処ならばESSMでも良い気はしますが(まぁ実際問題としてそういう場合は砲を使うでしょうね)。

    ちなみに対艦ミサイルたるハープーンでも意外にフリゲートやコルベットクラスを沈めるのでさえ苦労するそうですよ。
    dodo

  7. 書き込もうかと思っていた内容は上記の6にほとんど書き込まれていました。
    (dodoさんの回答は、お見事だと思います。)
    RIM-7(SEASPARROW)やRIM-162(ESSM)などの比較的小型の艦対空ミサイルも対水上目標攻撃に使うことも可能ですが、接近してくるテロ攻撃を意図した高速ボート等への緊急対処などが主体でしょうね。
    数千トンもあるフリゲートクラス以上の艦艇に一般的に散弾やロッドを(近接信管の作動により)放射状に空中放出する対空ミサイルの比較的小型の弾頭では明らかに威力不足ですね。
    艦上装備品のアンテナ類などの損傷は狙えますが、下手をすると嫌がらせ程度で終わる場合も考えられますね。
    MK@2004-

  8. ようやく出張から帰ってきたらほぼ書きこまれていたので、2点追加で。
    出張先で同期だった自衛官にこの話題を振った所、対艦戦闘やるなら仮に自衛隊で使用しているESSMに対艦モードがあったとしても敵ミサイルの迎撃に優先して使う、最初に撃つのはハープーンor90式SSM。
    対艦戦闘で相手の攻撃があるのが判っているのに、態々迎撃手段を減らして自艦防御を手薄にしてまで弱い武器を使う意味など全くない、との事でした。
    加えて米軍がESSMに対艦モードを持たせているのはアーレイ・バーク級フライトIIA以降の艦が標準ではハープーンを装備していない(必要があれば装備出来るが通常は装備していない)事、同級の防空能力強化でESSM配備が広範囲に進められている事があるのではないか、と。
    薩摩

  9. >>6
    回答ありがとうございます。
    概ね仰る通りかと思いますが、2点疑問があります。
    1)Harpoon x4で「むらさめ型」は機能不全に陥るか
    命中すればHarpoon x1で十分でしょうが、全弾撃墜される可能性はないのかな?というのが本質問の背景にあります。距離20kmを亜音速ですから60秒ほどですが。それともHarpoon x8が同時使用できる態勢になるまでSSMは撃たないんでしょうか。
    2)76mm砲の威力
    76mm砲弾の威力にかなり疑問をもっています。反対にESSMの威力を評価しています。炸薬量で比較すると
    、ESSMは76mm砲弾に対して10〜20倍(弾頭重量で6倍強、 炸薬/弾頭重量比で2〜3倍(推定))とかなり差が大きい。それに命中するかどうか(砲弾は外れるがミサイルに比べてかなりの連射、ミサイルは撃墜されるがESSMは恐らく超音速なので割とましか?)といった問題もあります。
    炸薬/弾頭重量比については以下のHPを参照しました。
    http://sus3041.sakura.ne.jp/contents/calcula/yamato_vs_harpoon.htm

    >>7
    ESSMで艦艇の撃沈は無理ですよ。アンテナ等の艤装を一時的に使用不可能にできれば十分でしょう。上の2)に書きましたが、ESSMが明らかに威力不足なのならば、76mm砲弾による対艦攻撃の意味がなくなってしまいますね。それとも炸薬量が5〜10%しかなくても砲弾の方が威力があるのでしょうか。昔は徹甲弾という炸薬/弾頭重量比が小さな砲弾があったかと思いますが、あれは口径がかなり大きな弾種だったはずです。

    >>8
    SSMを最初に使用ですか。上の1)にも書きましたが命中するんですかね、まあ相手次第ですが。命中が怪しいならSSM+ESSMで飽和攻撃!とも考えましたが、普通は防空優先ですよね。よく考えたらSSMは片舷4発でも両舷で8発あるんですよね。しかしSSM8発同時使用できるような方位に敵艦を位置付けると、FCS-2-31は2基使えるのかな。
    それからESSMとアーレイ・バーク級フライトIIAの関係ですか。SM-2があるのであの艦こそESSMの対艦攻撃はないかと思っていました。でも公式ファイルにはSM-2は艦対空としか記載されてないんですよね。
    ありがとうございます。

    太助

  10. 20kmは既に最短射程を超えているので問題ありません>正確な最短射程は秘密
    加えて90式SSMもハープーンもFCS2による誘導なんぞ必要としません、慣性航法とアクティブ・レーダー誘導です。
    極論すれば概略方位に撃つだけでもアクティブ・レーダー誘導で敵艦を捉えれば突っ込んでいく、FCSを必要としない対艦専用兵器です。
    ESSMを対艦用途に使用した場合、敵艦からのミサイル攻撃に対しFCSを用いた迎撃戦すら出来なくなります(誘導波の照射が必要な為)。
    てか、何で対艦専用兵器を持っているのに威力も誘導方式にも問題を抱えるESSMに拘る必要があるのかさっぱり理解出来ないんですが。
    てか、もしかして対艦ミサイルの誘導が全て自艦が装備するFCSによる誘導が必要である事を前提としてるんですか?
    薩摩

  11. >>10
    片舷4発のSSMで敵艦艇に命中するのか疑問に思っているからですよ。>>9にも書いたように両舷8発を使用できる方位に敵艦艇を位置付けると(ESSMの誘導にも砲にも必要な)使用できるFCS-2-31も1基になるのかなという懸念があります。(FCS-2-31は艦の横方向には2基指向できるが、前方並びに後方には1基ずつしか指向できないのでは?逆にSSMは艦の前方並びに後方には8基撃てるが、横方向には片舷4発しか撃てないのでは?という懸念です。)それとも敵艦艇の反対方向を指向したSSMも同時に使用できるのですか?
    あと>>10の書き様からみると>>1の「FCS2はそもそも対艦誘導に対応してねぇ」も対艦ミサイルのことをあなたに説明したのかもしれませんね。

    太助

  12. ……ハープーンや90式は発射後に入力した包囲に向けて旋回・飛翔するんで艦首向けてようが艦尾向けてようが関係ありませんが。
    なんか、根本から対艦ミサイルの飛翔・誘導パターンを御理解しておられないようです。
    そして対艦ミサイルは命中率を上げる為にシースキマーや回避運動、命中直前のホップアップ等の能力が与えられている訳で。
    ESSMはセミアクティブ・レーダーホーミングという誘導方式の関係上これらの行動がとれません(2で指摘されていますね、SM2もセミアクティブ・レーダーホーミングです)。

    そもそも「4発で命中するのか疑問」と言われても相手がどのような艦を想定しているのかすら書かれていないのでは答える側も判断のしようがないでしょう。
    だからこそESSMの対艦モードが使用出来たとしても専用の対艦ミサイルによる攻撃(=手持ち最大火力の投射)をするだろうという回答しか来ないのだと思いますが。
    個人的には例えイージス艦であっても単艦では近距離からのSSM8発連続発射には対応し切れないのではないかと思っています。
    薩摩

  13. >>12
    なるほど、右舷方向の敵艦艇に左舷方向を指向したSSMを発射しても、20kmの距離があれば敵艦艇に命中するという意見ですね。
    ちなみに敵艦艇の想定は質問文に記載しています。

    太助

  14. むらさめ型と同程度、と言っても国ごとに用途が違うのだから一概に比較できるものではないでしょう?
    例えば満載6000トン前後で最新のフリゲート/駆逐艦であればイタリアやフランス、ドイツならむらさめ型に比べ防空能力が高く同数の対艦ミサイルを装備しているので迎撃能力の差で不利でしょう。
    イギリスの45型駆逐艦(ちょっと大きいですが)であれば防空能力は高いですがSSMを装備していないので対艦戦闘には不向きです。
    中国の広州級駆逐艦であれば防空能力や対艦ミサイルの能力がはっきりしませんが、SSM16発は数字の上ではむらさめ型の防空能力を超えていると判断出来ます。
    韓国海軍の李舜臣級駆逐艦であればスペックデータではほぼ互角でしょう。
    仮想敵に定める艦を大きさだけで指定しても無意味です、カウンターパートとなる艦をきちんと想定すべきでは?
    それらの指定がないから12で書いたように「手持ち最大火力の投射」という回答しか来ないのでは、と言っているのですが。
    加えて10で書いたように敵艦からの攻撃を防御しなくてはいけないのに迎撃手段を減らす理由なんてどこにもありません。
    ましてむらさめ型は上記に記した殆どの艦より対空ミサイルの搭載数が少ないのですから。

    加えて20kmの距離があれば命中するという「意見」ではなくそういう「性能」です。
    発射後に旋回して目標を指向出来ないような対艦ミサイルにどんな存在価値があるのでしょうか?
    勿論迂回するコースを進む訳ですから命中までの時間は増加しますが、発射時間を少しずらせば命中時刻を合わせる事は十分可能です。
    薩摩

  15. >>14
    『「意見」ではなくそういう「性能」です。』と書き込まれても、小生としても『自称元自衛官が知り合いの現役自衛官の発言として物申す、云々』くらいにしか認知できないのですよ。公開された試験レポートか反対舷への射撃訓練の情報があれば教えて下さい。

    「FCS2はそもそも対艦誘導に対応してねぇ」もそうですし、
    「量産品にその機能が組み込まれているという話は聞いた事がありませんし」もそう、無闇やたらに事実と信じることは危険です。情報元の信用度を加味しつつ、意見、推測、伝聞、事実などを区別するように心掛けています。小生の書き込みに政府や軍、メーカのHPのリンクが多いのは、少しでも事実に近い情報源で話を組み立てるためです。わざわざ事実だと強調したい場合は、何かしらの信用度があるリンクなりを付加して下さい。

    もっとも本質問は、皆さんの意見を聞くことが目的でした(事実の収集ができれば申し分ないのですが)。ですが、>>14の方とは「FCS-2-31にもESSMにも対艦攻撃機能はない」とされて以降は、正直面倒くさいなと感じております、まあお互い様でしょうが。
    という訳で、質問をたてた手前ここまでお相手しましたが、そろそろ終わりにしたいと考えています。どうもお騒がせしました。

    太助

  16. 正確な兵器の諸元/護衛艦の戦闘プロトコールなど中の人以外知りようがないですが、公開されている情報に一般教養を加えればある程度のまでの推察は立てられますよね
    軍事系の話題は公開されている一次ソースに乏しいのがつらいとこですねー
    なんであれ場外乱闘はやめていたできたいものです
    ハル


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