663 質量(大きさ)と出力重量比と最高速度の関係について質問いたします。
陸海空の輸送機械すべてに共通する質問なのですが、サンプルとして船は陸空機械に比較して大きさと出力重量比に大差あるものをピックアップしやすく、船底形状も縦横比こそあれ略同といえますし、転がり抵抗や誘導抵抗など機種別、輸送システム別に大差ある成分も船にはなさそうなので、このカテゴリーを選択しました。

前置きが長くなりました。
水上艦の、質量、機関出力、最高速度、の3項目を型別に比較すると、ほぼ完全に「重い(大きい)物が高速度を出しやすい」という乱暴ともいえるな結論に達します。もちろん時代が新しくなれば、より少ない出力で相対的に速度は速くなっていきますので、比較は同時代艦です。
たとえば蒼龍航空母艦と陽炎型駆逐艦の比較では、蒼龍は陽炎に対して質量(公試)7.4倍、機関出力2.9倍、出力重量比2.5倍と、動力性能で大きく劣るにもかかわらず最高速度はどちらも35kt前後とほぼ同程度です。もっともその速度に達するまでの所要時間は陽炎が圧倒的に早いのでしょうけど。また、大型船とでは船底形状が違いますので一概に比較はできませんが、英米独が運用した高速攻撃艇群は40ktを手に入れるためにあまりに大きな出力負担を甘んじて受け入れているように見えます(あくまで大型船目線で)。
これらから同速度を維持するには大きいほうがエネルギー効率が高いのは間違いないと思いますが、この理由をご教示願います。
DDかず

  1. 車は違うと思いますが、船の場合における抵抗の大きさ(後ろ向きの成分)はざっくり言うと「浸水表面積」に比例します。面積ですからスケールの2乗ですね。一方で前進しようとし続ける成分は質量に比例します。質量は平均密度が同じならば体積に比例するのでスケールの3乗です。
    つまり船はスケールの3乗で前進しようとし、2乗で後ろ向きに引っ張られるわけです。よって大きな船ほど前進し易い≒馬力もスケールの2乗で済むわけです。

    太助

  2. 質問そのものが出鱈目です。
    1.排水量型の船の場合、十数ノットまでは摩擦抵抗が主であり、速度は馬力に比例します。それ以上では、造波抵抗が大きくなり、23ノット程度以上では、最高速度は略馬力の3乗に比例します(前進力=後方への水量×水量の速度の自乗)。
    航空機であれば、音速前後で、空気抵抗は大きく増加し、ある程度超えると逆に少なくなったりします。
    2.高速艇や水中翼船の前進は、また別の機構、物理的、流体力学的作用があり、排水量型とは異なってきます。
    また、プロペラが発揮できる水力には、水深からの制約があります。小型、高速艇ではこれも厳しくなります。
    航空機のジェットエンジンでは、現象はもっと複雑になります(高度も絡んできます)。
    3.排水量型は、数千トン以下の小型船では通常は波による抵抗の増加があるため、最高速度は現実にはカタログ値です。
    4.船の大小を問わず、機関からの制約もあります。一般的に、大馬力ほど比重量は軽くなります。この点では、大型船が有利です。航空機では、あまり大きすぎるとエンジンが無いということもありえますが。
    5.また、その速度に達するまでの所要時間とは、加速性能であり、最高速度とは直接の関係は少ないです。特に軍用機の場合。例えば、F16とF104を調べて下さい。
    ともかく、船舶関係、航空機関係等のある程度専門的な書物で勉強して下さい。王道はありません。


    UK

  3. ちょっと>>1では理解が厳しいかと思い直し、追記します。

    基本的に速度を維持するということは、抵抗で低下したエネルギーを推進器で同等量補うということを意味します。
    ここで、
    ・抵抗=動圧×浸水表面積×抵抗係数
    ただし、動圧=(1/2)×海水密度×(速度の自乗)

    また、単位時間のエネルギーは、
    ・「エネルギー=力×移動距離」
    ・力=抵抗
    ・移動距離=速度×時間
    ・馬力=単位時間のエネルギー=エネルギー÷時間
    より
    馬力=抵抗×速度×(係数)
      =浸水表面積×(1/2)×海水密度×(速度の3乗)×抵抗係数×(係数)
    となります。
    これが必要な馬力です。>>1に示したように浸水表面積はスケールの2乗で大きくなります。船の排水量がスケールの3乗で大きくなるのに比べて、増加率が小さくなります。また速度の3乗に比例して(抵抗係数も速度と共に増加して)馬力が必要になる例が、質問文にある40ktのケースですね。

    太助

  4. 大雑把にいうと>>3で示した「抵抗係数」ですが、
    ・抵抗係数=摩擦抵抗係数+造波抵抗係数+α
    になります。
    ここで「摩擦抵抗係数」はレイノルズ数に依存した値をとり、「造波抵抗係数」は主にフルード数に依存した値をとります。お題の35ktやら40ktやらの速度では、恐らくどちらの抵抗係数も大きいと思いますが、船の大小でいうと、船が短いほうが(特に)造波抵抗係数が大きくなってしまいます。このあたりの兼ね合いもあって、船は大きくなるほどエネルギー的に有利になります。

    この程度の話でよければ、ブルーバックスB-1579「図解・船の科学」が簡便にまとまっていると思いますよ。

    太助

  5. >2
    ちょっと気になる記述があったので。

    >航空機であれば、音速前後で、空気抵抗は大きく増加し、ある程度超えると逆に少なくなったりします。

    これは正確には空気抵抗ではなく、抵抗係数です。

    空気抵抗= 抵抗係数 × 動圧 × 基準面積

    で定義されていますので、速度が高くなって抵抗係数が小さくなっても
    動圧の増加のほうが支配的ですので、空気抵抗が小さくなることは
    ありえません。
    taka

  6. ありがとうございます。

    太助さま
    1番目でおおよそ理解できましたが、その詳細な解説、誠にありがとうございました。
    DDかず

  7.  質問者が知りたい事がほぼそのままズバリ扱われている本があります。

    http://www.amazon.co.jp/%E8%88%B9%E8%88%B6%E3%81%AE%E9%80%9F%E5%8A%9B%E3%81%A8%E9%A6%AC%E5%8A%9B%E3%81%AE%E6%A6%82%E7%AE%97%E6%B3%95-%E6%A9%8B%E6%9C%AC-%E5%BE%B3%E5%AF%BF/dp/4425710320

     内容の約3/4が参考資料で肝心の計算方法についての記述は「え?これだけ!?」っていうくらいなのでとっつきやすいと思います。
     古い本なので入手が困難かもしれませんが、探してみてください。
    おうる

  8. おうるさま
    ありがとうございます。
    DDかず

  9. >3
    ・抵抗=動圧×浸水表面積×抵抗係数

    この式は間違っていますね。



    じゃま

  10. >3.
    馬力=抵抗×速度×(係数)
      =浸水表面積×(1/2)×海水密度×(速度の3乗)×抵抗係数×(係数)

    だから、この式も間違っていますね。

    そもそも、造波抵抗はフルード数の一次の関数なのだから、速度の3乗で
    まとめることはできない。

    それで、「抵抗係数」と「(係数)」の違いはなんでしょうか。

    じゃま

  11. >10.
    間違いました。

    誤)造波抵抗はフルード数の一次の関数
    正)造波抵抗係数はフルード数の一次の関数
    じゃま

  12. >>9-11
    アナタ、議論ボードでも忠告受けたでしょう。
    >また、相手に説明を強要してその揚げ足を取るのは詭弁術の常套手段です。じゃまさんも今やこのサイトでは狭義の常連さんになられているのですから、そのような手段は自ら禁じ手としていただきたいものです。

    航空機関係1079では、
    >じゃまさん
    >「間違いですね」
    >というならちゃんとそれなりの回答の書き方があるはずです。
    >あんまりタコな書き込みしてると荒らしとみなして
    >このサイトから叩き出しますがよろしいか?
    と、雇われ管理人@力の2号さんからも忠告をうけている。

    小生としても、知識がないことは決して恥じることではないと思いますが、知性・品性がこうもない詭弁師の相手をさせられるのは迷惑です。

    管理人さんへ
    アクセス禁止にしないとANS.Qの質が下がる一方になると思いますが、よろしいのですか?
    「出来の悪い子ほどかわいい」ともいいますが、もうこの人は限度を超えているでしょう。
    管理人さんの良識も試されていると考えて貰ってよろしい状況だと思います。適切な処置を適時性をもって実施されることを期待します。

    太助


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