817 1・スキージャンプ方式の空母は英国のアイデアと聞いております。その後各国海軍でこれを真似るようになったわけですが、英国への特許料の支払いとかはどうなっているのですか?

2・スキージャンプ方式とカタパルト方式を併用した空母がないのは何故ですか?
併用すれば大量の爆弾や補助タンクを装備したまま発艦できると思うのですが?
以上、よろしくお願いいたします。
朝霞陸自

  1. 1:アイディアを発表してすぐに出願しない限り特許取得は無理でしょう。発表時点で各国に出願するのは困難だったと思われます。また、仮令特許を取っていたとしても、他国が採用した時には存続期間が過ぎているでしょう。
    2:質問の内容が、カタパルトの先端を多少とも上方に向けている空母が無い理由を問うているのであれば、ヘリコプターの離着陸、航空機の配置等が大きく制限されます。それ以前に、設計、建造、補修が大変です。
    UK

  2. 全備重量の機体を離陸させる事が出来るカタパルトで有れば、わざわざ邪魔になるジャンプ台に付ける必要は無いと思います。

    ttp://blog.goo.ne.jp/goozmakoto/e/a8751c28eea1a509e3c527f59cce30ea
    暇人

  3.  現代の重量のある航空機を発艦させるためには、それなりの力のある射出機が必要ですが、電磁式のものが開発できていないので、蒸気式が唯一となります。しかし、そのためには缶が必要になります。しかし、現代の艦艇では、ガス・タービンとディーゼルが主流ですので、缶がありません。したがいまして、別に缶を用意しない限り、原子力タービン艦しか蒸気式射出機を運用することができません。
     このため、CTOLの運用を諦め、V/STOLのみとする軽空母という流れがあり、イギリスのクィーン・エリザベス級のように大型であるにもかかわらず、ヘリコプターとV/STOLしか運用できない艦が登場するわけです。しかし、V/STOLの場合、離艦に燃料を消費するため、兵器等の搭載量を増やすために考え出されたのが、スキー・ジャンプ式の勾配を持たす飛行甲板です。したがいまして、CTOLの運用ができる艦にはスキー・ジャンプは必要はありませんし、逆もまた真です。
     スキー・ジャンプが軍事機密かどうかというと、見れば分かるのですから、そのような指定をしても意味はないと思われます。それは、多段式飛行甲板や傾斜式飛行甲板をイギリスが開発しても、追随する国が出てきたことから分かりますし、それに特許料を要求したという話も聞きません。
     
    hush

  4.  前のアドレスに書きこまれた部分を受けている部分がありますので、内容に若干の齟齬がありますが、お許しください。
     
    hush

  5. 皆様、返信いただきありがとうございます。

    軍事兵器開発の世界では特許料云々のことは問題にしないのが慣習なのですね。
    併用式では設計・建造・補修の無理や甲板上の制約が問題となるし、そもそもカタパルト方式なら全備重量の機体を発艦させられる。
    カタパルトは蒸気タービン艦である原子力空母でないと装備できないわけですね。
    朝霞陸自

  6. カタパルトは蒸気式の他に油圧式や電磁式などがありますし、蒸気式カタパルトに蒸気を供給するボイラーが必ず原子核分裂力で焚かれなければいけない訳がありません。
    因みに今調べたのですが米国の強襲揚陸艦のうち20世紀末までに発注されたものは蒸気タービン主機です。
    にも。

  7. >5.
    いえいえ、艦本式タービンは海外に支払う莫大な特許料セーブのために日本海軍で考案されたものです(それまでは基本特許料プラス1馬力幾らで考案元にパテント料を支払っていた)
    そもそも特許が成立するためには発表以前に各国への出願を済ませなければならない(公知事案とみなされる)ので、そんな手の内を早々と第三者に知らせるようなことは普通しないんじゃないでしょうか
    駄レス国務長官

  8. >5
     7で長官閣下が説明されていますが、軍が開発したものは軍事機密ですので、公開を要する特許はとりません。したがって、見て分かるものは、追随する国が出てきても仕方ないということになります。ただ、民間が開発したものについては、特許料が発生する場合があります。
    長官閣下が仰られているタービン等は、その例です。
    >6
     電磁式射出機については、フォード級に搭載すると公表されましたが、結局、蒸気式になっております。近い将来においては主流になる可能性はありますが、まだ、紆余曲折がありそうです。「電磁式のものが開発できていないので」と書いたのは、その意味です。
     油圧式については、第2次大戦時のアメリカ空母の主流となったものですが、現代の重量のある航空機の運用ができるほどの能力を持ったものが開発されたとは聞いておりません。したがいまして、蒸気式以外に現用CTOL機を運用できる射出機はないということになります。
     もちろん、原子力タービン以外でも、缶さえあれば、蒸気式の運用は可能ですし、実際、通常動力型のフォレスタル級が、つい最近まで在籍しておりました。ただ、現代の空母という範疇で考えておりましたので、射出機もスキー・ジャンプも持たない強襲揚陸艦については、想定しておりません。
     もっとも、クズネツォフ、遼寧やヴィクラマーディティヤといったロシア製空母とサン・パウロが現用でありますので、「ガス・タービンとディーゼルが主流ですので」という書き方だけではいけなかったのかなと思っております。しかし、このうち、射出機を持っているのはサン・パウロのみであり、ブラジル海軍も、その近代化計画を放棄したようですので、存続は時間の問題かもしれません。
     
    hush

  9. 前のアドレスに書いたことから述べると、スキージャンプをカタパルトと較べた際の根本的な短所は将にその斜めに沿って坂になっているという形状で、
    カタパルトを内蔵した水平な飛行甲板であるなら可能な「その箇所から航空機を垂直離着艦させたり、諸々の機材・荷物貨物を繋止させる」事が困難で、離陸甲板にしか使えないことです。
    エアクラフト・キャリアーの諸々の任務に対して狭い飛行甲板を最大限使えるようにするには、WWII当時の油圧カタパルト程度の性能であってもそれで離艦させた方が良いと考えたのです。
    Catapult Assisted TakeOff But Arrested RecoveryとShort TakeOff/Vertical Landingを二者択一のものとして扱うのはおかしい、
    Catapult Assisted Takeoff,but Vertical Landingが垂直着陸機を主に運用する小規模なエアクラフト・キャリアーの構成としてベストだと考えるのです。
    只、油圧カタパルトは再発射に時間が掛かるとのことで、特にソ連系のスキージャンプは甲板の広さや取り回しを犠牲にして迅速な出撃を取った、という事かも知れません。
    にも。

  10. 訂正
    (スキージャンプは)カタパルトを内蔵するしないに係らず水平な飛行甲板であるなら可能な「其所から航空機を垂直離着艦させる」「其所に諸々の機材・荷物貨物を繋止させる」事が困難で、事実上航空機を離艦させる為の滑走路にしか使えないことです。

    にも。

  11. フォード級は電磁カタパルトですよ、発艦にも成功しています。
    通りすがり

  12. >11
     今頃気づいたのですが、御教示ありがとうございました。
     ニミッツ級の最終艦と一緒にしていたようです。
     
    hush


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