828 レイテ沖海戦終了後、矢矧側は8cm高角砲片舷1基計2基を10cm連装高角砲片舷2基計4基(大淀と同数)に換装するよう要望したが、実行されなかった…という記述を見たのですが、矢矧というか阿賀野型ってそこまで設計に余裕があったのでしょうか?
続いて計画されていた改阿賀野型が8cm高角砲片舷2基計4基というスペックが予定されていたのなら、この換装によってトップヘビーを引き起こしたりしないのか?と思ったものでして質問させて頂きました。
GUY

  1. 恐らく、60t〜80tくらい重量が増加すると思います。ですので多少トップヘビーにはなると思いますが、それ以上に火力を上げる必要があったのではないでしょうか?
    デスコン

  2. どのような文献にかかる事項が記載されていたのか不明ですが、阿賀野に限定されず当時建造された我国の軍艦は、原則として当初の兵装がぎりぎり一杯であり、御質問の内容の換装は出来ません。ちなみに、対空装備を追加した軍艦は、代償に対水上兵装等を減らしたりしています。大和であれば、副砲を2砲塔降ろしています。
    UK

  3. これの元史料はすぐに見つけられるだろうと思います。

    「対空砲火の完璧を期する為には更に対空兵装強化の要あり 機銃増備により相当の対空砲火充実せるも更に左の対空兵装を要す 
     二連装十糎高角砲片舷二基計四基(現八糎と換装)
     三連装二十五粍機銃八基(現単装八基と換装)」

    とあり、付図としてあそこにそれらを置けるのじゃないかという図示があります。スペース的には実際可能そうです。

    しかしながら、その前に、
    「主砲対空戦闘時避弾運動(変針)による大傾斜の為動修手輪極限(十度)に達し照準不可能のなりたること屢なり 修正量を十五度まで可能なる如く改造の要あり」
    という要望もあり、ちょっと考えどころな感じですね。


  4. 実際に戦争する者(海軍の軍人)からは、現実に可能か否かを考慮せずに戦訓に基づいた種々の要望がでるのは当たり前です。但し、純粋な技術面から実際にその要望を満たせるか否かは別問題です。阿賀野は、副砲の一部除去等、他の性能を削減することなく、高角砲の換装を行うことは不可能です。船としての安定性、発電機容量等、種々の制約が多すぎます。実際には、工事期間、予算、必要な高角砲の調達等からの制約もあります。

    UK

  5. 友鶴事件後の艦なので、当初の復元力は良好と思います。復元力の悪化と引換えに60t位ならいけるのではないでしょうか。ただ、近しい大きさの大淀やら古鷹型の排水量と武装を考えるとやらない方が良いのではないかと思います。
    暇人

  6. >>4

    「不可能です。」と断ずるのは、その明確な根拠を示して言うべきではありませんか?
    「種々の制約」の総てとは言いませんが、例えば発電機容量を挙げられていますが、各発電機の発電量合計と高角砲換装による消費電力の増大量を比較する事位はできる筈で、勿論比較して足りない事が分かったから「種々の制約」のひとつに挙げたのですよね?
    あと、阿賀野型には「副砲」なぞ存在しませんが、どのような「副砲の一部除去」ができるのでしょうか?御教示頂きたく

    素人の印象としては、8cm連装高角砲と10cm連装高角砲の換装(基数増はなし)程度なら然程の代償重量撤去をせずともできるのではないかと感じます
    但し、弾庫、給弾機構の艤装から改める必要があるため、レイテ戦の後からでは実行は難しいとも思います(この点では期間、予算、調達etcによる制約は同意できます)
    チタン殻原子力潜水艦

  7. 6>>
    副砲は、主砲の誤記。
    不可能の事項の説明は、わざわざするほどではないと思われます。多少とも、動的安定性、パワリング等を御自分で勉強されてはいかがでしょうか。
    UK

  8. >>5

    結局、技術的論拠なしに不可能と決め付けており、「現実に可能か否かを考慮せずに」という観点では用兵側の一方的主張と方向は同じと言うことですね
    どれだけ技術を修められておられるのか見当が付きませんが、事例を調査提示するまでもなく、経験と直感のみで断ぜられるということは、余程高位の履修者であらせられるのでしょう

    ところで、過去ログ737番ですが、
    >小生は、今後ともこれらの記載の信憑性をフォローしていく心算です。
    との事でした。新情報がないか時折見に行って降りますが、進展は如何でしょうか?
    こちらも研究成果を愉しみにしておりますので、是非に御開示の程を
    チタン殻原子力潜水艦

  9. おっと失礼。>>8は>>7宛の誤りです。巻き込んでしまった>>5の暇人様へ陳謝いたします
    チタン殻原子力潜水艦

  10. 九八式8cm高確砲(連装) 砲塔12.3t 砲弾12kg
    九八式10cm高角砲(連装) 砲塔34t 砲弾28kg
    (秋月型のデータなので、大型艦用の重量とは異なる可能性有)
    単純計算で、
    34x4-12.3x2=114t
    1で言った、重量は全くの的外れでした。すみません。
    デスコン

  11. 砲架で良いのではないでしょうか。
    暇人

  12. >>11 なるほど、ウィキペディアフリー百科事典に砲架重量がのっていましたね。
    指摘感謝します。
    この重さだと、単純計算で計57tの増加になりました。
    デスコン

  13. 何発分積み込むのか判りませんけど砲弾自体や揚弾機構の重量増大分も計算に入れなくてはなりませんね
    あと要員も増加しますよね
    駄レス国務長官

  14. 支える艦体の構造そのものも強化しなくてはならないのでは・・・?

    Ranchan

  15. 回答ありがとうございます。
    船体サイズが5500tシリーズから大きくなったとは云え、阿賀野型は発展的余地があまりないレイアウトの様に思えましたので質問させて頂きました。
    技術的問題も諸々生じるようで、やはり一筋縄ではいかない難しさがあると理解できました。
    GUY


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