896 今月号(2018年7月号)の丸に記載されていた記事について教えて頂きたく書き込ませていただきます。

日本海軍の潜水艦が空調不備で活躍できなかった、という趣旨の記事があったのですが、二酸化炭素吸着と気温・湿度調節機能の不十分が米水上戦闘艦に敗北した最大の理由、という結論でした。
実際問題として日本海軍の潜水艦(伊号潜水艦に限定したとして)が持つ上記の能力は他国の潜水艦に比してそれほど劣るものだったのでしょうか?
艦内容積という観点から見た場合、呂号潜水艦に近い独VII型Uボート等もこれらの問題が大きく影響しそうな気がするのですが……。
薩摩

  1. 逆に質問させて下さい。挙げられた雑誌は読んでいませんが、我国のみならず米国においても第2次大戦中に実戦に配備された潜水艦が気温や湿度の調節機能(設備?)を有していたのでしょうか。
    なお、炭酸ガスの吸収剤は、我国では苛性ソーダ、アルカリセルローズでしたが(世界の艦船の238号。日本潜水艦の居住性はどう変わったか)、米国ではリチウム系の物質を使用していたようです(昭和40年代初期の兵器と技術)。また、最大の敗北理由は、暗号を解読されて待伏せを受けたことだと思います。少なからぬ軍人(井上成美、千早正隆等)が暗号の被解読を疑っていましたが、対応がなされなかったようです。その他、レーダーやソナーや音響対策も劣っており、潜水艦の用い方等のソフトも多きかったと思います。空調不備などは枝葉の事項と思います。
    UK

  2. 追記ですが、日本の場合は白米を炊き、味噌汁を造りました。ドイツは、主食のパンは缶詰であり、副食はサラミソーセージや缶詰のジャガイモやタマネギ等でした。従って、湿気の発生防止からは、有利でした。その他、ビタミン剤も食品に混ぜるだけでなく、頓用が義務付けられていたようです。
    結局は、多くの事項(ノウハウ)の積み重ねです。
    UK

  3.  ようやく書店に赴いて当該記事を読んできたところ、ご指摘の部分は、概ね、以下に書かれていることと同様であると感じております。
     http://www.warbirds.jp/truth/ijn-sub.html

     ところで、こちらには日本の潜水艦に空調があることが書かれております。これは、そちらに書かれているようにフレオン(フロン)を使用するものですが、このフレオンはアメリカのデュポン社の商標です。また、空調設備を開発した大阪金属工業(ダイキン)も、自力で開発したわけではなく、国産化に成功したと記述されています。
     当然、日本の潜水艦に空調があったなら、アメリカの潜水艦にもあったでしょうし、性能はもっとよかったと思っております。もっとも、その具体例をいまだに見つけていないのですが、伯父は飛燕に乗っていて、空中でエンジンが焼き付いて九死に一生を得ています。そして、ドイツのあの直列エンジンをコピーする力が当時の日本にはなかったのだと、技術者でもあった伯父は怒っていましたが、空調においても、コピーはしたが、自家薬籠中のものにするまでには至っていない可能性のほうが高いと思っております。
     
    hush

  4. hush様

    はい、真実一路の当該記事を見たので疑問に思ったのです。
    丸の記事では結論と日本潜水艦の不備のみを強調しており、対する米潜水艦についての言及が皆無でしたので……。
    日本潜水艦と同じ状況に置かれた場合、米潜水艦はどの程度の状態であったのか?
    そういったデータ上の比較も何も書かれておらず、著者が導き出した結論はどのような資料を基に出したのかがさっぱり判りません。
    このため「記事にある能力について日本潜水艦は米潜水艦に比してそれほど劣るものなのか?」という疑問が出た事からこの記事を立てさせて頂きました。
    勿論日米の技術力差等を考慮した場合同等か勝っているとも考え難い事は承知しており、劣るにしてもどの程度かが全く判らなかったのでその辺の差を知りたかったのです。
    薩摩

  5. 追記させて頂きます。前記、世界の艦船では、
    戦前の大型艦の訓練では、「冷却機の音ばかり高くて能力は低く、潜行中はしばしば停止せざるを得ず、艦内温度は常に32℃以上で」と記されています(泉雅爾氏)。
    戦時中は、「冷房はあったがよく利かない上に電力を多く食い騒音を発する。どちらも潜水艦としては禁物なので余程敵情の心配ないときしか使えなかった」と記されています(筑土龍男氏)。
    米潜水艦も似たようなものだと思います。
    それよりも、暗号を解読されていた方が大きいと思います。
    UK

  6.  英語版WikipediaのGato-class submarineの項には、同級にはエアコンが完備されており、除湿機として使用することにより、38℃以上に達する艦内温度や高湿度により発生する水滴による電気関係のショートや火災から守ってくれ、同級が第2次大戦で成功する上で、重要な要因であったと書かれていますね。
     残念ながら、その実際の能力や発生する音がどの程度のものであったかまでは分かりませんでしたが、以下のサイトを丹念に調べれば分かるかもしれません。ただ、そこまでの英語力がないので、放置中です。
     https://maritime.org/doc/fleetsub/refrig/index.htm
     
    hush


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