32 バトル・オブ・ブリテンの何年か前をなかば前提に(ハウ&リチャーズの同名書、新潮文庫版p96など参考にしています)、聴音機について伺います。
大型化の試作の他に、たとえば鉄塔・気球・飛行船・グライダーなどで「持ち上げて」探知距離や安定性を増そうという試みはなかったのでしょうか?
また原理的に効果があり得る方法は上記中に、またそれ以外にないもので
しょうか?
極端な場合、フランスの基地でのエンジン始動、せめて編隊先頭機の上昇開始を聞き取れれば、インターセプターが海岸付近で接敵可能であろうかと思うのですが・・・

はたの

  1.  はい、やりました。
     で、そうすると、より近くで色々飛んでる友軍機の騒音で全部パアになるということが判明したそうですw
    SUDO

  2. ありがとうございます。そのあたりについて詳しく紹介してある資料名などご教示いただけませんでしょうか? 予算も確たるイメージもない中とはいいながら、レーダーが間に合う保証もなく、1930年代前半にマイクロホンの改良も進んでいます。あるいは絶対音感の持ち主を選抜して聞き分けてもらうことなどもおそらく発案はなされたのではないかと推察しています。電波に対する音の原理的な不利はともかく、指向性と識別性を高める試みはいろいろな組み合わせがあり得た(殺人電波よりは現実的な)ように思われるものですから。
    はたの

  3.  ネタ本は
     ANTI-AIRCRAFT ARTILLERY Ian V.Hogg ISBN 1-86126-502-6
    http://www.amazon.co.jp/Anti-Aircraft-Artillery-Ian-V-Hogg/dp/1861265026/ref=sr_1_3?ie=UTF8&s=english-books&qid=1233655124&sr=8-3
     の僅か数行(聴音機全体でも数ページ)でございまするw
     まあ題でわかるように対空火器全般の本でして、広く浅くは避けられませんので、聴音機のみに絞るのでしたら他の本を探したほうが良いだろうなとは思います。
    SUDO

  4. 「バトルオブブリテンの何年か前」であれば「フランスの基地」というものがそもそもあり得ません。
    RAFにとって想定していた独爆撃機とはドイツ本土から飛び立つものだったからです。
    BUN

  5. SUDOさま。ありがとうございます。気球などにもむろん関心がありますので読んで見ます。
    BUNさま。あいまいな書き方をして申し訳ありませんでした。
    ハウ&リチャーズの記載するところの、対フランスから、ドイツからオランダまたは北海を越えて、あるいは占領したベルギーからくるドイツ爆撃機に備えるための「婉曲に防空態勢の「方向転換」と呼ばれる作業」で、「(占領されたフランス西部(中略)から発信する可能性に気づいた者は一人もなかった)」がご指摘に当たろうかと存じます。
    他方、デイトンの「戦闘機」ハヤカワ文庫版上p219-220ですと「音波探知の原理を用いた(中略)ロムニー・マーシュに建設されたのは一九三四年のことだった。(中略)イギリスにとっては最も親密な連合国のひとつになるべきはずの、フランスの国土を指向して建設されていたことである。」とあります。

    縮小から拡大へ、聴音機と目視からレーダーへ、対仏から対独へ、爆撃機優先から戦闘機優先へ、と、いくつもの変化が1934年前後に集中しており、整理して捉えるにいたっておりません。また、対仏から対独へは仮想正面の変化を自動的にもたらしたようですが、外側火砲ゾーン/戦闘機ゾーン/内側火砲ゾーンの設定は(航空機の性能はさておき)、探知の「方法」には依存せず、「距離と精度と識別」に依存するように思われます。
     メジャーな計画でも、決定日は調べられても内部での事実上の方針決定時期はわかりがたく、結果的に使われなかった方法ではなおさらです。聴音機がどう試され、見捨てられていったのか、読むべき書などご教示いただければ幸いです。

    はたの


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