70 MG34に始まるとされる、GPMG、汎用機関銃は軽機関銃と重機関銃の役割を兼ねる画期的な新兵器と説明されますが
実際のドイツ軍では分隊で二脚で使用されるか、大隊の重火器中隊で三脚架で使われるかで軽重両方を兼ねるような用法ではなかったようです。

GPMGにはどういったメリットがあったんでしょうか。
marderhund

  1. @調達&補給の手間が大幅に減る。
    A機関銃手の訓練メニューが減る。


    >実際のドイツ軍では分隊で二脚で使用されるか、大隊の重火器中隊で三脚架で使われるかで軽重両方を兼ねるような用法ではなかったようです。

     そういう使い方ができる機銃がGPMGであるので、貴殿のGPMGに対する理解に誤りがあると思います。
    おうる

  2. 性能面での利点より製造面の効率を重視したのでしょう。
    銃を単一機種生産して必要なアクセサリー類させそろえてやれば軽機、重機のみならず車載機銃その他どんな場面にも適した機銃となるので補給上メリットがある、と考えたようです。実際どれほど効果があったのかは不明ですが、軽機、重機の役割の差異を相対的に小さなものと考え、数量的に揃えばいいものと考えていればこれはこれで一つの発想です。10kg程度の重量が平均的な当時の軽機にあって12kgって担ぐ身になってみるとあほちゃうかとしか思えませんが、それまで18kgもある水冷軽機関銃を運用していたドイツ軍からすると革新的に軽かったのかもしれません。

    戦後GPMGが広まったのは、MAGのように軽量で信頼ある機関銃が開発されたこと、また他国も技術の進歩によって小規模部隊にまで軽量な無反動砲、ロケットランチャー、迫撃砲などが充実したことによって「ああ、なんだそんなんでいいんだ」とおもったからかと。

    >おうるさん
    >A機関銃手の訓練メニューが減る。
    訓練メニューが減るとどういうメリットがあるんでしょうか。
    分隊の軽機関銃手はあくまで軽機関銃手ですし、重機関銃手は重機関銃手として編制・運用方法の違う武器の教育を受けるのでどっちか知ってればいいものと考えますが。所詮は分解結合の手間如何ですから別にたいした手間でもないでしょうし。

    >そういう使い方ができる機銃がGPMGであるので、
    できるのは知ってるけど実際の場面ではしないみたいなんだけどどうなんですかそこらへん、というのが質問者様の考えのように思われますが。
    実際MG34用の3脚架ラフェッテはすべてのMG34に対してではなく、重機として運用する定数分しか作られなかったわけですし、同じMG34でも持ってる部隊が違います。現場ではそういうのは無理でしょう。
    紅葉饅頭

  3. 第二次大戦後は以前の重機やラフェッテのようなしっかりした長距離を狙える三脚架はすたれて
    米軍のM60用やソ連軍のPK用のように軽く小型にしたかわりに性能を割り切った三脚架が主流となりましたよね。

    重機部隊が三脚架を喪失したり咄嗟に交戦しなければならない場合にGPMGが有利という面はなかったんでしょうか。
    marderhund

  4. >分隊の軽機関銃手はあくまで軽機関銃手ですし、重機関銃手は重機関銃手として編制・運用方法の違う武器の教育を受けるのでどっちか知ってればいいものと考えますが。

     重機関銃手になった兵士が退役するまで重機関銃しか扱わない、あるいは軽機関銃手が一度なれば退役するまで軽機関銃しか扱わない…というのならそうでしょうが、部隊の再編や配置転換等もありうるわけで、異なる部隊で同一の機材を使っているということはそれだけ人員の融通が利きやすくなる(配置転換から戦力化までの訓練期間が短くてすむ)というメリットは無いでしょうか?


    >できるのは知ってるけど実際の場面ではしないみたいなんだけどどうなんですかそこらへん

     歩兵分隊の軽機を軽機関銃手が三脚に据えつけて重機として使ったり、重火器中隊の重機を重機関銃手が三脚から外して軽機として使う…ということなのでしょうか?
     重機と軽機では同一の機材ではあっても担う役割が違いますし、三脚に据えて重機にしてしまえば軽機としては不都合が生じ、三脚から外して軽機にしてしまえば重機としての役割を果たせなくなるのですから、そういう使い方がされなかったのは当然かと思います。
    おうる

  5. 重機として運用されてるMG34も(取外し可能な)二脚架やストックを外さず使われてますが、あれはやはり、移動中不意に敵と遭遇し、咄嗟に軽機として使用しなければならない事態に備えているのではないでしょうか。
    ラフェッテをかついだ兵の後ろを行く兵隊の肩のMG34が、二脚架開きっぱなし状態、なんて写真もありますね。


  6. 復活後,初投降です。
    1のおうる氏の回答が全てなのです。
    >軽機関銃と重機関銃の役割を兼ねる画期的な新兵器
    質問者さんはこれを、戦術上と考えているのではないでしょうか。
    MG34のこの評価は、戦略的な部分に対してなんです。
    >@調達&補給の手間が大幅に減る。
    >A機関銃手の訓練メニューが減る。
    これだけで十分戦略的には重要です。優秀な機関銃ならなおさらです。

    実は、MG34と三脚架のセットが発表された時、各国もこれを真似しました。
    つまり、自分たちの軽機関銃を専用の三脚架に乗せることで、軽機関銃がたちまち重機関銃になる!なんてすばらしいんだ!と成ったのです。
    しかし、これが成功した所はありませんでした。
    MG34があくまでも最初から、戦略的に重機、軽機になるように作られたのに対し、各国は大量にある軽機を簡単に重機にできるなら、戦術的に有効だと勘違いしたのです。質問者さんの思考とどこか似ていませんか。
    とにかく、補給部隊が各部隊に武器支給する時はともかく、一旦配備されたMG34は、重機部隊であれば重機としてのみ使われ、軽機部隊であれば軽機としてしか扱われません。
    勿論、特殊な環境では戦術単位での重軽流用はあったでしょうが、部隊が正規に活動している場合は、配置先の判断で勝手にチェンジするものではないのです。
    モデラン

  7. 米軍の場合でも、中隊がM1919を三脚架で、小隊がM1919A6を二脚架でと分かれていたようですね。
    ありがとうございました。
    marderhund

  8. もともとまともな機関銃を取り上げられた敗戦国ドイツが、再軍備時に軽機と重機をまとめて整備するために、性能面で妥協してでっち上げた可能性はどうでしょうか。識者からのツッコミを期待します。

    >6
    例えばZB26などにも三脚架オプションはあったと記憶してますが、8年後の未来であるMG34をどうやって真似たのか不思議です。チェコ人はタイムマシンでも持ってたのでしょうか。
    通りすがり

  9. 帝国陸軍 長谷川正道 陸軍少将(砲科)は、昭和16年に ある自著で以下の様に記述しております。
     (一部旧漢字や旧文体は読みやすく直しました。)

    ”ドイツ34年式機関銃
    これはドイツの現用銃で大に威力を発揚しつつある。反動利用式であるが各部品の機構が余程よく出来ているので
    機能はすこぶる良好である。
     中略
    本機の特徴は同一銃身及び銃尾機構を以て、そのまま軽機とも重機ともなり得、銃架に若干の装備を施すと
    にわかに高射機関銃となる。    即ち銃身の前方に脚を附すれば軽機であり、眼鏡を脚架に装備したる
    折畳式三脚架に本銃を装着すれば重機関銃となり、又行進中の車輌上の脚架に装載すれば、
    2連式の銃身は絶へず敵空軍に対し高射銃としての用務を達成し得るのである。
    これ等の点は将来機関銃として最も賞讃されべき点である。
    一銃身が戦場に於てあれこれ各種の用務に流用し得ることは、実際上色々の点からみて最も重要なる条件である。
    又、製作上からも、補給生産の方面からも、至大なる利益が得られる。”

    つまり大事な事は、GPMG汎用機関銃とは、軽・重 機関銃の両用可能なだけでなく 車載機銃 対空機銃にもなりえる
    多目的機関銃だという事です。 そういう点で MPMG(MultiPurpose MG)多用途機関銃という言い方もされます。

    長谷川少将は、この当時にても その辺を見抜いておるわけです。


    追補、
    米軍は兼ね兼ね自軍ベルトマシンガンの不便=初弾ローディングがTwiceAction方式(コッキングレバー2回動作)の
    手間を痛感しておりましたが、鹵獲した独MG42 のシンプルな弾薬フィーディングメカニズムに関心し
    1943年頃 試作名T24としてミシガン州 GeneralMotors,Saginaw工場にて寸分違わないデッドコピーを試みました。
    結果として作動不良のかたまり・鉄くずにしかなり得ませんでした。
    米軍、独軍 両小銃弾薬には全長差が存在しますし、ガス腔圧差による後退反力にも差があります。
    つまりブリーチの後退ストローク量とリコイルスプリング力は それなりに増大させなければならない事を
    すっかり忘れて全く同寸法で製作した大ミスを後年になって気がついたそうです。

    以上 長文と蛇足 失礼しました。

    軌跡の発動機?誉

  10. なにが問題かおぼろげに見えてきたので蛇足を。
    軍隊の装備は多岐にわたります。10種あるものを1種にまとめられたら調達・補給・訓練の手間・費用は大きく減ります。GPMGとは最大公約数であり、決して万能を意味しません。
    単体での性能は特化した物の方がいいのです。
    70の1の通りすがり

  11. 言いわけです。
    >8の通りすがり様
    >ZB26などにも三脚架オプションはあった
    勿論、三脚架自体は以前からありましたし、重機関銃的使い方も存在しました。
    しかし、あくまでオプションです。当時は重機関銃は別に作るべきものでした。
    それを、軽機関銃を三脚架にすえることで重機関銃にしちゃったのがMG34です。
    専用三脚架のラフェッテは、ご存知と思いますが、反動の緩衝装置と望遠照準が付いた重量20Kgの三脚です。
    これにセットすることで、専用生産された重機関銃に負けない安定性と精密射撃ができるようにしたのです。
    それまでの三脚は、単に座りをよくした程度のものでしかありませんでした。
    ZB26も、アメリカのM1919A2(これは重機という事になってますが)も、そんな贅沢な三脚にはなっていません。
    各国で失敗したと言うのも、三脚架がそこまで徹底したものではなく、従来からある簡易な三脚で済まそうとしたからです。
    モデラン

  12. それは順番が違います。
    1920年代から30年代初頭ってのは、重機はあるが軽機がない時代ですよ。シャテルローとかルイスしかないんです。既にある軽機を重機の代わりにするという認識そのものが当時出てこないんです。
    重機を軽機と別に作るのでは順序が逆、既にある重機とは別にあらためて軽機が必要になった時代なんです。だから当時開発された機関銃は軽機ばかりなんです。
    各国は既に重くて扱いづらくても重機のストックはあるから、軽機だけ作ればよかった。ドイツは軽機どころか重機もなかったから両方いっぺんに整備せざるを得なかった、そんだけの話ですがな。
    ZB26等の三脚は地上用より対空用ですな。
    通りすがり

  13. 失礼。シャテルローではなく、ショーシャでした。
    通りすがり


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