100 大戦中各国の主力小銃であったボルトアクションライフル(以下、小銃とします)の給弾方式について質問します。

小銃に弾薬を補給する場合、ボルトを開放し、上からクリップで束ねた弾薬を弾倉に押し込みます。なんだか手間に見えますし、装弾数も10発が限度かと思います。なぜ軽機関銃や短機関銃のような、着脱式の弾倉を用いなかったのでしょうか?(着脱式とは、分解結合ではなく、銃に弾薬を補給する方法として、空の弾倉を外し、予め弾を詰めた別の弾倉を装着するという意味です。また私は実銃に触れたことがないので、操作感については想像で述べています)
着脱式弾倉を用いれば、装弾数も増やせますし、撃ち尽くしたとき素早く次弾を装填できそうです。小銃の構造について改めて調べてみたのですが、構造上不可能とは思えませんでした。

小銃に着脱式弾倉を試みた例はあったのでしょうか。あったとしたら、普及しなかった理由は何でしょうか?それとも、小銃はこれでよしとされていて、試みた例はなかったのでしょうか?
やりぶすま

  1. >小銃に着脱式弾倉を試みた例はあったのでしょうか。
    イギリスのエンフィールドや、
    ttp://world.guns.ru/rifle/rfl04-e.htm
    スイスのシュミットルビンで、着脱式弾倉が採用されています。
    ttp://world.guns.ru/rifle/rfl15-e.htm
    キリン

  2. モシン・ナガンは箱型マガジン採用してますよ(5発しかないですがw)

    ひとつの理由としては、ボルトアクションライフルが普及した当時、(第一次大戦当初でさえ)最終的には銃剣突撃なので、そこまでマガジン式を使うほど装弾数の必要が多くなかったこと。
    また、手動で装填、排莢する点からも装弾数はそこまで必要ない。(相手が突撃してきていれば打ち尽すころには相手は来ているし、そうでないときはゆっくり装弾すればよい)
    元法学部生

  3. 事実上必要ないからです。

    機関銃、短機関銃、アサルトライフルが着脱式箱弾倉を採用しているのは連発(フルオート)射撃に対応するためです。

    アサルトライフルは突撃時のフルオート火勢が期待されるため20から30発の大容量着脱式マガジンが採用されていますが、自動化して射撃速度を上げてもフルオート射撃を考慮していないM1ガーランド、SKSなどはクリップで10発程度の装弾数で良かれとしています。

    基本的に小銃手は小隊・分隊で行動し指揮官の号令にしたがって射撃を行うため、クリップ装弾をわずらわしいと感じるほどバカスカ撃つ必要もないし、装弾するときは誰かしらが隣で撃っているのでスキはないんです。

    それに出っ張ってる部分は基本的に邪魔です。引っかかります。
    マガジン式は移動中など弾を装弾しないでおくべき状況の際マガジンをはずして機関部が露出して砂塵にさらされますが、固定弾倉式ならばその心配もありません。

    また、製造上の問題として。
    戦前のマガジンってすっごくぶあつくて重いんです。
    しかも個体差が大きくて装弾不良というか突っかかりやすかったり、落としただけでへこんで使い物にならなくなったり。
    そんなものを何個も身体に装着して持ち歩いて訓練して戦争なんて考えただけで涙が出そうです。
    それよりは銃本体に内蔵することで銃の強度でマガジンが保護される内臓マガジン形式の方が理が多かったので大勢をしめたといってよいと思います。

    なのでリーエンフィールド、シュミットルビンのように着脱“可能”な銃はあってもその銃も通常のボルトアクションと同じようにクリップによって装弾、運用されます。

    モシンナガンはマガジンが露出してるだけで固定弾倉です。
    紅葉饅頭

  4. >モシンナガンはマガジンが露出してるだけで固定弾倉です
    あぁ、あれは固定でしたか。(箱形弾倉・クリップ)とまでは頭に入っていたのですが、箱形弾倉でクリップ装填という意味なのですね。
    頭のもやもやがはれました。
    元法学部生

  5. ありがとうございます。よく理解できました。特に当時のマガジンの品質については考えが及びませんでした。短期間銃は主に指揮官の自衛用で滅多に使わないし、軽機関銃は2人がかりで運用し、マガジンは専用のケースに入れて大切に扱ってますね。

    ところで、クリップは一回こっきりの消耗品だったのでしょうか。だとすれば、私が疑問に思ったきっかけである「装弾の手間」も、着脱式マガジンと変わらないように思えてきました。

    撃ち尽くす→クリップで束ねた弾を取り出す→装弾、クリップは捨てる→装填、射撃

    撃ち尽くす→空のマガジンを外してポーチ等にしまう→予備のマガジンを取り出す→装弾→装填、射撃
    やりぶすま

  6. >5
    クリップとかマガジンとか紛らわしいですが、以下も参考になるかもしれません。
     http://en.wikipedia.org/wiki/Stripper_clip
    ...After the magazine is loaded, the stripper clip is often discarded, but some can be reused many times, depending on the total cumulative wear on the individual stripper clip...
    Jウォ〜ク

  7. >「装弾の手間」」も、着脱式マガジンと変わらない
    ですな。弾倉容量が5発程度なら、クリップ1個ぶんでフル装填できますね。※
    しかし20〜30連弾倉となると、クリップ2〜6個ぶんの容量ですから、弾倉ごと交換したほうが早いですね。

    ※一部の狙撃銃などでは、狙撃用眼鏡がジャマでクリップが使えず、1発1発装填するしかない。
     このような銃では、たとえ弾倉容量が5発程度でも、着脱式弾倉が便利ではありまする。
    通りすがry

  8. 当時のバトルライフルにフルロードの実包の組み合わせでは、手動連発でも半自動でも射撃サイクルレートは一分間10発以上20発までです。
    射撃自体がむやみやたらと狙いもせず発砲するわけではないのでこの程度になるのです。
    このような発射速度なら20連の箱型弾倉での多量の装弾の必要がありません。

    以上は既に皆様が解説されている所ですが、兵士一名が弾薬に割ける重量の問題もあります。
    第二次大戦時ですと大体4kg程度、100発以上200発までと言うのが普通です。
    仮に200発の実包1個20gとして4kgです、5発クリップ1個10gとして400gプラスになります。
    しかしこれが20発入り300gの箱型弾倉10個なら弾薬のほかに3kgものプラスです。
    発射速度向上に寄与少なく携行弾薬数を減らすだけの箱型弾倉を半自動銃段階までは使用しなかったのはこのような必然からであると推測いたします。

    退役老少佐


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