108 ローラーディレードバックは簡単に作れるMG42のローラーロッキングをさらに簡略化した戦時急造銃用のシステムでしたよね。
なのにG3には安いだとか低コストとの評価はあまり見られません。
戦後にガス圧式の銃を安く作れるようになる何らかの技術革新があったのでしょうか?
それとも発展途上国でも導入している国が多かったので実際に低価格だったのでしょうか?
marderhund

  1. 部品点数が少なく命中精度が高い反面高い加工精度が要求されます。
    また本質的に遅延ブローバックであるため弾薬の変化に敏感であり、特に小口径高速弾のような速燃性装薬との相性がよくないようです(弾丸が発射される前に薬室が開放される、薬きょうの貼りつきやちぎれ)
    また、G3の場合精密プレスでの生産性向上を図った結果、一定弾数射撃後のレシーバー矯正が必要となっています。
    つまり、G3は「生産設備を持っているなら」安く早く作れる大規模戦争向けの使い捨ての軍用銃なのです。極言するなら「やすりで作れてハンマーで直せる」AKとは対局にあります。
    通りすがり

  2. お後が続かない様ですので小生も二言三言・・・・・・・

    >Q.MG42のローラーロッキングをさらに簡略化した戦時急造銃用のシステムでしたよね。
    G3の先祖と言えるGerat06 は当初 ガスチューブとピストンを備えたガス圧作動ローラーロッキング(フルロック)構造
    でありましたが、ある時 それらの何かの部品を組み込み忘れたものが、意外にもそのまま射撃作動してしまった事が
    ヒントとなり、ガスチュブを廃したディレート・ローラーロッキング(ハーフロック)へと発展したと言われております。
    且つ 使用弾薬が 7.92mmx33 kurz 弱装弾薬であったから実現出来たと言えます。


    >Q.G3には安いだとか低コストとの評価はあまり見られません。
    偶然というか 開発・配備がG3と比較的近い西側の代表的アサルトライフルである M16 と価格比較してみます。

     M16A2・・・・・M16A2初契約 1988年度-米国政府とコルト社間の調達契約価格は、1丁単価$420でした。
     (実際には下請け製造FN社)

     MP5・・・・・・ 残念ながらのG3の政府レベルの調達価格は不明でありますが、サイズダウン版と言える
           MP5サブマシンガンの各国政府・公安機関へのH&K売価は、同時期 1丁単価約$1000でしたので、
           G3もそれを下回らないでしょう。

    H&K社自体 ローラーロッキングは安価だとは言っておりません。
    むしろ 数年前のG36デビュー時 H&K社ホームページでさえ以下の文面が見られました。
     ”The most recent departures from that are the G36 series, and the UMP submachine gun. These two weapon systems are the most overt move on the part of the engineers to produce a less expensive weapon, to be more competitive with other weapon producers.
    The roller system is a work of art, and has its roots in the ashes of World War II. The StG44 and 45 use roller locking as did the MG42. Refined first in the G3 rifle, it was the design of Mauser engineer Ludwig Vorgrimmler, used in the parental CETME rifle design, and perfected in the G3. ”

    自身でローラーロックは芸術品だと述べています。
    ローラ部廻りは高精度な製造公差、特種鋼、高度な熱処理、そして銃全体としても恐らく高周波熱処理が随所に
    施されているものと推測されます。 相当高価な銃となるでしょう。
    アフリカや南米向けには世界拡販の戦略上、製造コスト度外視で安価にしてあげたかも知れませんが!!


    その後・・・・
    世の中の小銃口径が5.56mmに移行し始めると、もう元々弱装用ディレート・ローラーロッキング(ハーフロック)で
    扱える状態ではありません。
    米軍用先代 M193 5.56mm弾の時点でさえ 腔圧が 7.62mmNATOより 約10%程5.56MMの方が高圧であり、
    薬室内壁にフルートを施すも薬莢切れ等 完全解決には至らず、H&K社も諦め G36の開発へ移行されております。

    尚、5.56mmに代表される小口径高速弾というものは速燃性装薬が使用されているとの間違ったイメージが
    この日本では多い様ですが、少なくとも米軍においては、M193 & M855 新旧両5.56mm も 7.62mmNATO も
    その推進薬は 実は共通であります。
    (ライフル弾としてはやや速燃気味の物ではありますが、昔WC846 、近年はIMR8208,IMR8138等)


    以上 長文失礼しました。

    軌跡の発動機?誉

  3. 一点だけ指摘を。
    MP5を小銃並みに大量購入することはあり得ないと思いますが。一国が軍用小銃として導入するG3は特殊用途少数購入のMP5より一丁当たりの単価ははるかに安くなって当然かと。
    通りすがり

  4. >2.で示したMP5の価格は、一部の公安機関や警察署単位が少量購入する場合では無く、
    あわよくば 一国の軍・公案組織全体で大量採用するかも知れない事を ちらつかせた場合の見積価格を
    意味すると思って下さい。 

    むしろ M16A2の政府契約価格が米国内一般市場価格とはかけ離れたダンピング価格(コスト度外視)である事が見てとれます。
    又、70年代前半ベトナム戦時 M16A1契約価格は日本円に換算して1丁単価25000円位迄下がったと聞き及んでおります。
    MP5・G3 に限らず他国軍用銃も含め、米軍主力小銃であるM16系には価格面で太刀打ち出来ないですね。

    〜?誉

  5. 7.62mmNATO弾対応でコストが跳ね上がったと見ていいんですか?
    mardehund

  6. >5.mardehund さん

    逆の見方も出来ますね。
    弱反動である5.56mm弾仕様HK33になって 少々小型軽量化出来ましたので少々のローコスト化になったであろうと言えます。

    〜?誉


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