123 こんにちわです。最近になってまたミリタリ熱が再燃してきたブルーと申します。改めましてよろしくどうぞ♪

さて、質問なのですが、F-14トムキャットについて疑問があります
その昔、イランのパーレビ王朝がオイルマネーにモノをいわせてこんな高価な戦闘機を導入してたそうですが・・・・・・

トムキャットって、「艦載機」ですよね?陸地の滑走路から運用するには無駄に豪華な装備がついてるし、ちょっともったいない気がするんですが、イランは本気でトムキャットを局地戦的な使用をするつもりだったのでしょうか?
それとも、将来的にはペルシャ湾に空母を浮かべるつもりだったのでしょうか?幻の砂漠空母・・・失礼しました、男のロマンがダダ漏れてしましましたorz

いくらお金があって親米とはいえ、選択肢はもう少しほかにあったような気がするんですが・・・
ブルー

  1. 陸上運用でも十分な性能を有しています(陸上のほうが整備しやすい)。
    契約内容は存じておりませんが、必要ないなら(取り決め上可能であれば)アレスティングフックなどの装備は取り外し可能なはずです。
    何より、当時としては高性能ミサイルを使用可能な戦闘機として優れた部類に入るF-14です。運用したいと思っても不思議ではありません。
    条件があえば、より強い兵器を使いたいというのが国を思う人の普通な感情です。
    ガルフ

  2. 早速のご回答、ありがとうございます

    短絡思考で単純に
    「艦載機はその特徴ゆえに重いから、そうじゃない戦闘機に対して不利」
    だと思い込んでいたようです。

    でも、よく調べてみるとフェニックスミサイルの射程は長いし、可変翼のおかげでドッグファイトもこなせるそうで・・・・ま、その分お値段は張りそうですがw

    当時のイランは、よほど高性能な要撃機がほしかったのでしょうね。しかしなんででしょう?
    ブルー

  3. イランの北隣の国がどのような政治体制で、どんな国と対立していたか、
    その国がイランの石油資源及びアラビア海方面への出口を求めて南下を図る可能性がある、と考えられていなかったのか、
    イランが当時のアメリカにとってどの程度の戦略的価値を有していたか
    そんなことについて脳味噌使えば、何故、アメリカがイランに当時最新鋭の戦闘機を引き渡したのか、凡そ察しがつくでしょ。
    アリエフ

  4. >2
    >当時のイランは、よほど高性能な要撃機がほしかったのでしょうね。しかしなんででしょう?

     アメリカから新型機を導入する理由としては、建て前としてはソ連の脅威に対する備え。
     イラン自身のより現実的な理由としては、隣国イラク(バース党政権の元で社会主義的な政策を主張し、ミリタリマニアにわかりやすい表現としてはMIG21を導入している)を軍事力で圧倒し、中東世界で指導的地位を確立するため。
     まあ、そうやって石油の利益を軍事力にばかりつぎ込んだことも一因となってホメイニ革命を招くわけですが。
    カンタニャック

  5.  砂の海に浮かぶ飛行場と、海の上の空母ってのは、遠方に友軍警戒レーダーや早期警戒機が少ないという点でよく似てるのでは?
     こうした条件で運用される要撃機は自前で捜索することを強いられやすいし、なるべく広い範囲を火制するために長い射程が欲しいし、当然長いCAP時間も欲しいとなるでしょう。こうなるとF-15の加速力・上昇力・運動性の優位よりも、F-14の強力な火器管制レーダーと長射程ミサイルが欲しくなるでしょう。

    >4
     イランが気になったのは、とっくにおなじみで現有機であるF-4でも対抗できるMIG-21ではなく、MIG-23やTu-22では?
    SUDO

  6. >4 1970年代後半頃の状況において、イラクに対抗するのが主目的であれば、AIM-7運用可能にしたF16Aでも十分ですよ。
    では、何故、より迎撃能力に優れたF14をアメリカはイランに譲渡することを認めたのか?NATO諸国の一つでソ連の南部に所在するトルコもベルギーなどと同様、F16Aを導入しているわけですが、ではトルコ等に展開している在欧米空軍がどのような機体を導入し始めていたか?F16より航続距離が長く迎撃能力に優れていると見られている機体を導入していたのか?そしてイランに米空軍が展開していたのか?ソ連封じ込めのための戦略拠点として、イランは米国にとってどの程度の価値を有していたか?
    ま、ヒントをこれ位上げておきました。元は床屋談義レベルの質問なんですから、わからねえとか不親切とか言われてもまあいいかw
    アリエフ

  7. >5 おっしゃるとおりです。主敵はMig-25でしょう。Mig-21の話は単にイラクがソ連と仲が良かったというだけのつもりでしたが、はっきりそう書いた方が良かったですね。

    >6 70年代後半ではなく前半で考えるべき問題でしょう。
     イランがソ連のMig-25の領空侵犯偵察飛行に対抗するための新型機の供給をアメリカに求め、イラン訪問中のニクソンがそれに応じたのが72年、同年中に米上院の承認も得て(当時の米上院は新型戦闘機のコスト削減に熱心でしたから、一機あたりのコスト低下につながる注文数増加には好意的)、イラン側がF-14の採用を決定するのが73年です。
    Mig-25に対抗できる新型機(なおベレンコ事件前なので西側のMig-25の評価は過大ぎみ)となるとまだ飛んでもいないF-16は論外。となるとF-14かF-15しかなく、その中でF-14を選んだ理由は>5でSUDOさんがおっしゃる通りでしょう。あと付け加えるなら73年の時点では開発が先行していたF-14の方が早く配備出来そうという事も考慮されたかもしれません。
     当時のイランではシャー・パーレヴィ(実際に両機を操縦した)の意向が決定的だったと思われますが、パイロット的な観点で個機の運動性能を重視するのではなく、総合的なシステムとしての可能性に期待したということなのでしょう。
    カンタニャック

  8. みなさん、ご回答ありがとうございました

    >パイロット的な観点で個機の運動性能を重視するのではなく、総合的なシステムとしての可能性に期待したということなのでしょう。

    簡潔な結論、ありがとうございますです
    ブルー

  9. 10年ぶりの投稿で失礼します。

     付け加えるならば、F14の開発コスト高騰とベトナム戦争終焉に伴う予算の削減により、米海軍によるF14調達が遅れ、同機を生産するグラマン社が破産の危機にあったことが背景にあります。
    イランによる発注はグラマン社を救いました。
    パーレビ国王は、F14を購入することで、グラマン社・F14戦闘機・米空母群、ひいては米海軍を救済したのですが、これは結果としてそうなった、
    というより、パーレビ国王による、アメリカに強力に恩を売るための意図的な政治的選択、とみるべきでしょう。

     というより、米海軍当局者とグラマン社がパーレビ国王に
    「助けてえぇ〜」と泣きついたのかもw

     このへんの事情は、1980年あたりの「航空ファン」「航空情報」
    「エアワールド」といった雑誌で触れられていたものと記憶します。

     あと、国王そのひとには賄賂は通じなくても、側近はそうでもないで
    しょうから、いろんな意味での「ロビー活動」の成果とくくってもいいかも
    しれませんね。


    りんちゅー

  10.  蛇足ですが、対イラクというよりアメリカおよび親米諸国の容認のもと、
    ペルシャ湾・アラビア海全般ににらみを利かせて中東の盟主となる、というシャー・パーレビの半ば公然の野望からすると、航続時間が長く、2人搭乗員でしかも海軍機のF14のほうが、たとえ機体実用化のタイミングの問題を置いといても、
    (もちろん、カンタニャック先生のご指摘のとおり、これだけで十分決定的
    なのは承知していますが)
    F15やF16よりも国王のおメガネにかなう選択のようにも思います。
    イランが購入実績のあるF4ファントムはF15と同じマクダネル・ダグラス社ですが、もとは海軍機、それも長射程空対空ミサイルを積んで洋上を
    パトロールする艦隊防空機あがりという点ではF14もF4と共通点が
    ありますから。
    りんちゅー

  11.  パーレビ国王、米英のメイン路線の整備計画なのに予算高騰で危ぶまれる新型装備を開発した当の米英購入に先立って買い込むのは、70年代には他にもいろいろやってますね。
    イギリスのチャレンジャー戦車シール1とかヴォスパー・ソーニクラフトの
    ミサイル艇とか、アメリカのキッド級駆逐艦とか。

     動機として付け加えると、「よその国が持ってないモノを持っている」こと自体が重要だったのかもw
     ブランドマニアにいるじゃないですか。
    「アタシって、大物の○○さんと親しくさせてもらってるじゃないですか。
    そのつてで手に入れたコレ。店頭じゃ売ってない限定品なのよ〜。一般ピー
    プルじゃ買えないシロモノなのよ〜。」とかいうのと同一の心理。
    シャー・パーレビ、我々ペルシャ人はアングロサクソンと並んで最優秀民族
    のアーリア人の末裔、というとてもイタイ信念を抱いてましたので、深層心理的には結構有力な動機かも。
     もちろん、彼が王位に就けたのはCIAの工作のおかげですし、彼が地位を保つ上で必要不可欠な秘密警察にも米英の技術協力があったので単に恩返しのつもりだったのかもしれませんが。
     また、F14とフェニックスミサイルの運用には米人スタッフの現地での
    サポートが不可欠でしょうから、そういう人員を装備も含めて一種の人質と
    考えてもいたかもしれません。
     
    >6 
     解説すると、イランで有事の際、同地に飛んでくる戦闘機は
    F15などの空軍機でなく、F14であるから、インターオペラビリティ
    の点でもイランが装備するのはF14が有利ということですかね?
    70年代ではディエゴガルシア島の基地整備化は始まったばかりですからねえ。中東への空軍機の迅速な展開は確かに難しそうに思えます。

    りんちゅー

  12. >11
     よくよく読み返すと、自分のレスにも解説が必要なことに気づきました。

    >「よその国(もしくは個人)が持ってないモノを持っている」こと自体が重要、
     なのはあながち見栄・虚栄心ばかりでもありません。
    そういう価値観を共有している仲間内でのステータスの向上は、
    外部には無意味でも、当人にとっては利益をもたらします。ブランド好きの
    方々にも、ある大国に従属する国の間でも。
    前者(ブランド好き)の仲間内ではレア物・限定品をゲットした者が
    大いにうらやましがられ、本人も大得意で大変な感情的満足が得られる
    のは説明の要はないですが、後者の国家間の関係で歴史的に知名度が高い
    のは朝貢国内での朝鮮の態度ですね。
     
     
    りんちゅー


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