150 具体的なサイトの特定はできないのですが、「S&W社の最近のリボルバーは撃針がフレーム側に取り付けられるものが多くなってきた」という記述を見かけることがあります。リベットで撃鉄に取り付けられてフローティング化されているものはオールド・スタイルと呼ばれ、数が少なくなっているということらしいのですが、これは事実なのでしょうか? リボルバーは最近ニューモデルを以前ほど見かけないので、なんだかピンときません。
22口径のリボルバー(含キットガン)や巨砲M500などはたしかに撃鉄先端が平らなようですが、S&W社のほかのおおかたのモデルは撃鉄にハンマーノーズを取り付けたオールド・スタイルのままであるように思えます。
ブレネッキ

  1. 私が2003年にグアムのT.O.R.Iで撃とうとしたM629(フル・ラグでない旧来のバレル)は、ハンマーノーズが無いフレーム内蔵型だったと記憶しています。生憎とトリガー不調で撃てませんでしたが。(M15はハンマーノーズがあった様な気もするが……)

    杉村徹

  2. >.撃針がフレーム側に取り付けられるもの
    これを”INTERNAL FIRING PIN”と言い、確かに 最近のS&W社リボルバーに多くなってきましたが、
    コストダウンの為であります。
    従来のハンマーノーズタイプの撃針はプレス加工やフライス加工等 いくつかの手間をかけ製作されておりますが、
    このインターナルタイプだと、ピンの加工は旋盤で数十秒も掛からず製作出来ます。

    インターナルタイプ撃針のリボルバーは、古くは 1882〜84年頃開発のS&W .32/.38 SAFETY HAMMERLESSに
    見られるのが始めてであり ハンマーレスその名前の通り撃鉄を小型内蔵化するにあたり考案されました。


    1.インターナルタイプ撃針の長所
     ・銃や撃鉄の小型化が可能。 現代でも S&W CENTENNIAL に採用されていますね。
     ・コストダウン・・・上記説明済み。
     ・打撃力の向上・・・薬莢底雷管に対して従来のハンマーノーズタイプは回転運動による打撃。
              インターナルタイプは直線運動による打撃により打撃効率UP。
     ・撃鉄構造簡易化・・・現代においてはトランスファーバーメカニズムと共用する事により
                ハンマーリバウンド機能を削除する事が可能。 コルトトルーパーとか。


    2.インターナルタイプ撃針の短所
     ・打撃力の低下・・・上と矛盾しますが、下手な設計・特に軽量や小型すぎる撃針にすると、
               打撃力が低下します。 又、撃針が重すぎても 万が一銃を
               地面に落とした時その衝撃で前進し暴発させる可能性もあります。
               その辺の難しさで改悪になり易いです。


    さて、詳しい専門書・洋書やインターネットを見ますと、このインターナルタイプ撃針は
    慣性撃針(イナーシャタイプ)である。と解説されている事が多いですが、
    少なくとも S&W社リボルバーのものはイナーシャに成りきっていないです。
    トリガー引き切りのハンマーレスト時、撃針はフレームより突き出したままであります。


    以上 長文失礼しました。

    軌跡の発動機?誉

  3. 杉村徹様、軌跡の発動機?誉様
     ご回答ありがとうございました。M629などのモデルから、パフォーマンス・センターとなにか関係があるのかとも疑ってみたのですが、それはどうやら思いちがいのようでした。それで、もう一度くだんのサイトをさがそうとしましたが見つからず、MartzのEXPLODED GUN DRAWINGSにもあたってみましたけれど、詳しいことはやはりわからず。
     それで、もしかしてGun誌で読んだのかと思って雑誌を漁ってみると、はたして2008年3月号のTerry Yano氏の記事に突きあたりました。ネットで読んだ記述もこの記事を参考にしたのかもしれません。
     それによると、S&W社は1998年からハンマーノーズをやめ、サムピースの形状も変えることに決定したというのです。しかも、製造はMIM。〜?誉様が書いてくださったように、“コストダウン”や省力化のためらしいですね。リポーター氏同様、私もオールド・スタイルのほうが好みですが、おふたりのおかげもあって疑問が解けました。
    >>S&W社リボルバーのものはイナーシャに成りきっていない
     これは深い蘊蓄をうかがいました。貴重な知識として貯えておきたいと思います。
     ありがとうございました。
    ブレネッキ


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