168 コルトM1911の制式採用の経緯について質問します。
アメリカでは、20年位前までは大抵の警官は大抵リボルバーを装備していたのに、100年前に軍はどうしてオートマチックを採用しようと思ったのでしょうか。
単価も高そうですし、シングルアクション7連発のM1911がダブルアクション6連発のリボルバーよりそれほど優れているとは思えないのですが。
PIAT

  1. そも、

    >シングルアクション7連発のM1911

    という理解が誤りであるかと存じます。
    satoski

  2. >1
    M1911はシングルアクションですよ?

    しかしながらピストルとリボルバーのシングルアクション・ダブルアクションを較べるのにも問題は有りますね。

    採用の経緯はサイトで調べればすぐに解りますよね?
    それ以前はアメリカ軍でも38口径のリボルバーを採用してました。
    しかしながら件のストッピングパワーが必要となりその結果45口径が実用的と言う事でM1911が採用になります。(そんな安直な採用でもないですが。)
    つまりアメリカ軍には当時45口径が必要だったのでしょう。

    1900年代初頭、軍用拳銃にオートマチックは一般的とも言えます。
    ドイツのルガーP−08の原型のP−1900は数カ国で採用されてますし、その他の数カ国でトライアルを受けています。
    1901年アメリカ軍は1000丁購入しテストしましたが不採用。
    1906年には45口径が再度トライアルを受けますがまた不採用になってます。(つまり45口径が条件だったようです。)
    その後ドイツはP−08を採用してます。

    単価は確かにリボルバーより若干高かったようですが、装弾数が多く装填がマガジン交換で済むのが利点として評価されてるようです。
    製造はリボルバーより手間がかかったので第一次大戦には数が不足、コルトM1917とS&WM1917のリボルバーが補助的に採用されます。
    SC

  3. satoski 様
    わかりにくい表現ですみませんでした。
    リボルバーは引き金を引くだけで1発目を発射できるのに、M1911はスライドを弾くか、撃鉄を起こすか、安全装置をはずすかしないと1発目を発射できないので、その分不便ではないかと考えました。

    SC 様
    詳しい回答ありがとうございます。米軍がルーガーの採用を検討していたのは初めて知りました。
    ただ、逆らうようで恐縮ですが、M1911の利点には今ひとつ納得しかねます。
    装弾数は1発しか違いませんし、M1917のようにハーフムーンクリップを使えばリボルバーも早く装填できます。
    オートマチックには新兵器の魅力があったのでしょうか。
    PIAT

  4. >M1911はスライドを弾くか、撃鉄を起こすか、安全装置をはずすかしないと
    戦闘のレベルに合わせてチョイスすればよいかと。
    後方では、薬室からも弾を抜く。
    最前線では装填してフルコックして安全装置をかける。
    ならば、抜きざまに安全装置を押し下げて、引き金を絞るだけでOK
    リボルバーのダブルアクションを一生懸命絞るのと、さして手間は変わりませんが、命中精度は差が出ると思いますよ。

    リボルバーの再装填を素早く、確実に行うためにはソレの訓練が必要だと思います。
    オートマチックなら、それほどの訓練は必要としないと思いますよ。
    予備弾の容積もクリップを使ったリボルバーより、ストレートマガジンの方が必要な容積は少なくても済むと思います。
    KOBA−P

  5. >3
    1発の多さの違いは大きいと思います。
    予備マガジンがあればオートマティックはリボルバーよりも早く再装てんが行えます。

    >M1917のようにハーフムーンクリップを使えばリボルバーも早く装填できます。
    これは少し話がずれてますし誤解されています。
    ハーフムーンクリップはM1911の不足を補うべく作られたS&WM1917にM1911の弾薬45ACPを使用する為にS&Wが作りました。
    つまり話が前後してます。
    以下引用
    【45ACPはオートマティック用リムレス弾薬なので、張り出したリムが
    ありません。これではシリンダーに入れた際に奥に入り過ぎてしまいます。エジェクトも出来ません。
    リム付きの専用弾薬を用意すれば簡単ですが、しかし弾薬をM1911と共通とする必要がありますから、どうしても45ACPが使えなくてはいけません。
    そこで考案されたのがハーフムーン・クリップです。】
    【データ引用"25th website http://taka25th.cathand.com/index.html】

    ハーフムーンクリップはリムレスの45ACP用に作られたわけですからM1911の採用トライアル当事無かったんですよ。
    ハーフムーンクリップは基本的にM1917(S&W、コルト)くらいにしか使えません。
    それに一般的リボルバーの弾薬であるリムドには使えません。
    たぶんPIATさんが言いたいのはスピードローダーではないですか?
    これは一般的なリムド弾薬を使うリボルバーの装填装置です。
    ただしトライアル当事存在しましたが今ほどの性能の物が有ったかは疑問です。
    それこそハーフムーンクリップの方が早いでしょうね。

    上記のたかひろさんのサイトは勉強になりますよ。
    私も5〜6年前からお世話になってます。
    SC

  6. 本質門の主旨は M1911の採用うんぬんより、1900年代前後から列強各国の軍用拳銃が
    リボルバーからオートマチックへ移行した理由でしょう。
    さて、2〜3年前だったか過去同様質問があり 博識な諸氏が以下の通り回答していると思います。

    リボルバーに対してオートマチックピストルの長所。
     ・初弾から軽いトリガープルにより発射でき、それゆえ速射性と命中精度の両方で勝る。
     ・撃ち終わったケースは自動排莢し、且つ次弾倉を数秒で簡単に交換し次々と連続射撃が可能。
     ・安全装置の付属。


    オートマチックピストルの短所(本件の時代に合わせ1900年代前後の銃として)
     ・構造が比較的複雑な為、製造コストが割高となる。且つ 製造数がなかなか上がらない。
     ・同上理由により、砂塵・泥 等に弱く、悪環境状態では作動不良を起し易い。
     ・事前に初弾を銃身薬室に装填しておく必要がある。よって瞬発性に劣る。
     ・不発或い排莢不良が起きた場合、射撃を一時中断し手動にて不具合を排除。


    そして当時の列強各国は軍用用途を熟考した結果、短所より長所を優先しオートマチックピストルへ移行しました。


    ちなみにM1911採用数十年後においても、砂塵・泥でさんざんなベトナム戦にては、
    M1917 .45リボルバー(COLT,S&W両者)を個人レペルで持ち込み利用していた将兵が結構おりました。
    .45ACP弾薬のみならず、戦地では事実上使い捨てのハーフムーンクリップも潤沢に供給可能な米軍ロジスティックの底力のおかげです。

    軌跡の発動機?誉

  7. >6.語句訂正

     誤: ・事前に初弾を〜よって瞬発性に劣る。

     正:   同    よって即応性に劣る。

    の方がよいですね。 

    〜?誉

  8. この問題は馬がキーポイントではないでしょうか。

    20世紀初頭ならまだ騎兵が機動打撃兵種として有効と考えられていた時代です。

    実際の米軍でのテストでも件の45口径ルガーピストルは騎兵によって審査されております。

    であれば、騎兵の主たる装備は今日の戦車砲の性能に当たるような重要な装備と考えられていたので、最新式のオートピストルを選考対象にしたのではと考えます。

    実際馬上でもボックスマガジンなら再装填が可能ではないでしょうか、リボルバーの馬上再装填は実質不可能と言われております。

    また、軍用であれば警察用のように即応射撃の必要は少ないはずです、安全面から言っても、突撃発起前に空の薬室にスライドを引いて装填で何ら不都合は無かったと思います。

    ただ、後世の我々には、その軍用オート採用後の第一次大戦で騎兵が打撃兵種としては、ほぼ無力化したことで、何故20世紀初頭の軍隊がさほど有効とも思えないセミオートピストルに拘ったのかが分からなくなっているのだと思います。
    退役老少佐

  9. KOBA-P様 SC様 軌跡の発動機?誉様 様々な情報ありがとうございます。
    私は拳銃に触ったことがないので、リバルバーとオートマチックの長所短所がピンときませんが、20世紀初頭でもオートマチックが優れていると判定されたのでしょうね。
     リボルバーのエンフィールドを使い続けたイギリス軍は、やはり頑固だったと思います。
    PIAT

  10. 退役老少佐様
    大変おもしろいご意見です。
    満洲の馬賊を描いた「狼の星座」横山光輝著という漫画がありまして、最終回では馬賊集団が馬上でモーゼル・ミリタリーピストルを打ちまくって軍閥軍を蹴散らすシーンがありました。
    馬上射撃ではオートが断然有利ですね。
    PIAT

  11. 初期の大型軍用拳銃にストックが装着できる物が多く見受けられるのは、馬上では拳銃として使用し下馬すればピストルカービンとして一丁で多目的に使える利点があったからと考えます。

    騎兵が偵察や伝令でしか有効でなくなって以後はあまり見られなくなり、その後は馬を多用した中国からの依頼でハイパワーピストルにストックを付けた事例が知られる程度ではないでしょうか。
    また同じように馬が主要な活兵器でなくなるとともにアーテラリーやキャバルリーという拳銃の区分もなくなります。

    騎兵が主要な兵種でなくなって以後、一部兵種を除けば拳銃とは敵に向かって使う兵器である位置が後退し、指揮官の兵に対しての統制者である証のようなものになっていたのではないかと考えます。


    退役老少佐

  12. 退役老少佐 様

    私はピストルを護身用というか、防御用の武器だと思っていましたので、20世紀初めでは攻撃用の兵器と考えられていたというのは新しい発見でした。
    どうもありがとうございました。

    ところで、当時、フランス軍がどんな拳銃を採用していたかご存じの方はおられませんか?
    PIAT

  13. >12

    当時とは1900年前後ですか?
    フランスはLevel M1892リヴォルバーじゃあないですか?
    右側にスィングアウトする騎兵用の変わったリヴォルバーです。
    SC

  14. 遅くなりましたがご質問の件については、下記がある以上、小生など語るべき何物も持ちません。

    床井大先生のこれをお読みください、日本語で読める最良の回答かと思います。

    http://www.shootingtips.com/NewFiles/article/Pistols%20&%20Revolvers%20in%20the%20Conflict/PRC5%20M1892/PRC5%20M1892.html

    退役老少佐

  15. SC様

    またまた不十分な質問の仕方をしてしまいました。回答ありがとうございます。 

    退役老少佐様

    すごいサイトですね。只で読めるのが不思議なくらいの充実した内容です。
    PIAT


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