176 第二次大戦のドイツ軍降下兵の装備FG42について
前期型のグリップは、かなり後傾しているのですが、何故なんでしょうか。
降下時に地上を銃撃することを考慮して、というのを読んだことがあるのですが。
武器などの装備は、別に投下するので、これを回収するまで個人の装備はピストルだけの記憶があります。
としろう

  1. その通りです。
    FG42はその降下時に携帯し使用出来る事を前提に開発されました。
    しかし結局は失敗作のようですね。

    SC

  2. SC 様 回答ありがとうございます。
    降下時に地上を銃撃するのであれば、前下方になると思うのですが、通常グリップ(FG42後期型)と同じように握れば銃口は上に向くため下方の銃撃はやりにくいのではないかと疑問に思って質問しました。

    ま、落下傘に吊られた状態で、モーゼル8ミリ弾をバラ撒けば身体が回って、危険な状態になってしまうでしょうね。
    としろう

  3. >降下時に地上を銃撃すること

     過去ログにもあったと思いますが、FG-42(I or前期)型のグリップ部分は
    歩兵銃としてFG-42に更新される予定であったKar98Kの操作性に出来る限り
    近づけて、kar98Kに習熟した兵士へ効率的にFG-42への転換を図る為に敢え
    てフルオート時のコントロール性等、自動火器としての性能面を犠牲にして
    も、あの様に急角度で傾斜したグリップを採用したのであって、開発要求書
    には「降下時の地上銃撃」といった項目はありません。

    ヴェトミン

  4. >3.ヴェトミン氏に補足します。

    独空軍の当初要求内容は以下の通り8項目です。

    1. Overall length : Less than 1m.
    2. Weight: Below equivalent Infantry Rifle.
    3. Semi Auto Fire and Full Auto Fire.
    4. Light Machinegun (Limited capability).
    5. Sniper Rifle.
    6. Launch Grenade.
    7. Bayonet Fight.
    8. 7.9mm Rifle Ammunition.

    独陸軍でさえセミオートライフルがまだ実用配備されていない状況での
    あまりにも欲ばった内容ですが、
    5.Sniper Rifleの要求により、あの様なグリップになったものと考えられます。
    しかし、全体の形態より、この銃の狙撃命中精度は実際よくなかったものと推測します。
     [形態:マズルデバイスやバイヨネットの装備、水平弾倉による非シンメトリー(非左右対称性)]


    さて、空挺降下中の射撃を考慮されている銃なら以下の点、摩訶不思議ですね。
     ・折りたたみのフロント&リアサイトの装備・・・・・・わざわざ空中で展開させるのでしようか。
     ・スリングの取り付け位置は通常小銃と同じ銃の下側・・・空中で射撃するなら、上から吊るすタイプが望ましい。


    以上 一部私見を含みました。

    軌跡の発動機?誉

  5. ヴェトミン様 軌跡の発動機?誉様 回答ありがとうございます。
    >Kar98kの操作性に出来る限り近づけて・・・
    これは、無いでしょう。構えてみれば判ると思いますが、Kar98kとは全く違ったポジションになります。
    >Sniper Rifleの要求により・・・
    曲銃床のライフルを見据えてのことと思えますが、グリップ角度による利点は見出せません。
    私の憶測に過ぎませんが、不採用となったグレネードランチャーの名残りではないかと考えています。旧日本陸軍の擲弾筒のように銃床を地面に支えて45度程度の角度で発射する(小銃弾使用ならば、腰だめ、肩撃ち可能かも)。
    グレネードランチャーを諦めた為FG42後期型では通常のグリップに改めたのではないか。

    蛇足:単に、武器投下用のコンテナに収める為出っ張りを小さくしただけかも。
    としろう

  6. 軌跡の発動機?誉様

     いつも的確なフォロー有り難うございます。
    >Sniper Rifle
     なるほど、当時先行的に開発されていた独軍半自動小銃に準じたセミオート射撃がI型のスタンダードな射撃パターンであり、なおかつクレタでの降下猟兵の戦闘パターンとして、敵側に制圧された状態で伏射セミオート射撃しやすい曲銃床類似の急傾斜型グリップが採用されたと考えれば合点がいきます。

    としろう氏

    >これは、無いでしょう。
     限りなく近づけてであって、全く同じにではありませんが・・・。でなければFG-42(I)にのみ10発弾倉や弾倉を装着したままでのクリップ給弾機能があるのはなぜでしょうね?

    >グレネードランチャー
     クレタ戦で降下猟兵がどういう状況に置かれたかを鑑みれば、グレネードを上記の様な態勢で撃つ状況がどれだけあったのか?その為だけに通常の射撃姿勢に負担をかけるかも知れないグリップ形状を採用する合理的な必要性があるのか甚だ疑問なんですが・・・。

    >FG42後期型では通常のグリップに改めたのではないか。
     グレネードの仕様はI型設計中に完全に諦められておりますし、またI型とII型は同じ型番が振ってはありますが,マガジンすら互換性のないほぼ同じ形状の別銃です。そしてII型でI型から改められた部分は殆どがフルオート時の据銃及び操銃性に何かしらの問題有りとされた部分であることを考えると、グリップとグレネード云々はKar98Kとの操作性以上に無理のある推論だと思いますけれど・・・。

    >蛇足
     武器コンテナに収めるためなら、尚更形状はKar98Kに近い方が便利ではないですかね?
    ヴェトミン

  7. >Sniper Rifleの基本は曲銃床です。 近年 米軍が中長距離狙撃に適しているものとその価値を見直ししたM14系も
    基本形曲銃床のまま使用しています。単射弾着点が安定するからです。 
    M14DMR始め近年直銃床ピストルグリップ付きセミオート&ボルトアクション狙撃銃がちらほら出現していますが、
    それらはほとんどに於いてバイポッド(2脚)使用が前提です。
    ピストルグリップ付きだとオーソドックスな伏射がし難いのです。

    さて、FG42の初期型急角度グリップは、フルオート=直銃床ピストルグリップと狙撃曲銃床握りのハイブリット妥協策と判断します。

    ところで、上のAnsQ.177 M14EBR などは あれもこれも欲張って、現代版FG42みたいですね。 
    「二兎追う者は一兎をも得ず。」

    以上 少々脱線しました。

    〜?誉

  8. Ans.Qの趣旨に反し答えの無い(設計者しか判らない)質問を書き込んだようです。申し訳ありません。
    皆様のご回答は大変参考になりました。ありがとうございました。

    としろう


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