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ウィリアムズのフローティングチャンバーという機構に興味を持ちました。 大口径の自動銃を.22口径の弾で作動させるための機構らしいのですが、 日本では具体的にどの装備のどんなアダプター等に使われているのですか。 太目 |
- えーと、どのような経緯でフローティング・チェンバーという機構の存在についてお知りになったかは存じませんが――。
この機構は、M1カービンの開発に関与した事で知られるデビッド・ウィリアムズが考案したもので、コルト.45オートの.22LR仕様であるコルト・エースに採用されています。
……というか、他の採用事例ってあったかしら。まして日本では?
.22LRのパワーでいかにしてM1911系の重いスライド(勿論ブリーチ形状なども.22LR対応の専用スライドであり、当然ロックしないストレートブローバック)を後退させるかが問題となります。
エースの場合はチェンバーが二重構造というか、バレル後端(エジェクションポートから見える部分)の中に前後動する.22LRのチェンバーが入っています。
で、
1.撃発する。
2.発射時のガス圧がバレルとフローティング・チェンバーの隙間に入る。
3.ガス圧によりチェンバーが後退しスライドを押し下げる(蹴る)。
これによって.22LRでも、1911系のスライドが作動するだけの力を得られるわけです。
杉村徹
- >Q.日本では具体的にどの装備のどんなアダプター等に使われているのですか。
戦前・戦後の今日まで 日本で量産された22LR-PISTOL (部品)は唯一これだけです。
“KART -- .22 Conversion Unit”
ttp://www.nramuseum.org/the-museum/the-galleries/the-new-prosperity/case-47-camp-perry/crown-city-kart-22-conversion-semi-automatic-pistol.aspx
ttp://picturearchive.gunauction.com/453064115/8509175/b97025fd697ed09fb3b1979943f79040.jpg
米国カート・スポーティングアームズ社のブランドで販売されていた22口径用コンバージョンユニットですが、
実は国内の某銃器メーカーが製造し輸出していたものです。
今から30〜40年も前の事で合計数千丁〜1万程度の輸出されたものと推測されます。
このコンバージョンキットは後述の理由によりフローティングチャンバーを採用せず、
単純に軽量スライド(後ろ半分のみ後退)と弱リコイルスプリングの構成です。
フローティングチャンバーは、45口径の標準スライドを利用したまま可動させる画期的アイディアですが、
パスカルの原理+可動薬室(フローティングチャンバー)利用している関係上、
燃焼ガスが後方に吹き洩れますのでやや危険なものです。
その為、カート社ではこの方式を敬遠したものと思います。
パスカルの原理を利用: 燃焼ガス圧を22LR の薬莢底径φ6mm程の面積で受けるより、
可動薬室径 約φ15mm位の面積で受ける事により 燃焼ガス後退力は数倍増幅されます。
この応用は、世間一般に油圧ジャッキ―等で見受けられます。
GPGKFZS@4G
- >2. GPGKFZS@4G 名前の変換ミスです。
この断面図だと ガスの流れ=パスカルの原理 の意味が理解し易いです。
ttp://www.coltautos.com/images/1911A1_SMAce_LineDrawing_Hatcher2.jpg
軌跡の発動機?誉
- 杉村徹さま、軌跡の発動機?誉さま
早とちりというか邪推しまくりの質問をしてしまいましたが日本での実績はないのですね。
詳しくご解説いただきありがとうございました。
太目