438 質問430の関連質問です。今さらですが高度1万メートル以上の有効射程高度を持つ高射砲(高角砲)の照準というのはどういった形で行われていたのでしょうか?
「成層圏(緯度によって異なりますが日本本土上空として大体1万メートルぐらい?)に達した砲弾は空気抵抗の激減により軌道特性が変化する。具体的には放物線軌道の後半が延進したカーヴを描く(遠くまで届く)。この現象を利用したのがWWIでドイツ軍が使用したパリ砲」と光文社「科学パズル」で読んだ記憶があるのですが…。
有効射程高度1万6千メートルを誇る5式15p高射砲などはヴュルツブルグレーダーと連動した射撃指揮装置によって運用されていたようですが、当然この装置には上記砲弾の軌道特性の変化などのデータも含まれていたのか(砲弾は当然時限信管付でしょうから遠くまで届く前に炸裂する)ふと疑問に思ったものですから。あるいはパリ砲どころじゃない高初速で打ち出された砲弾は上記有効射程高度までほとんど直線の軌道を描き炸裂する、が正しいのでしょうか?
備後ピート

  1. もちろん直線であるわけはなく略放物線で飛翔します。
    が、さらに、高射弾道の計算には「空気抗力の加速度」、つまり、高度変化によって空気比重が変化してゆくことにより抗力の連続的な変化が織り込まれています。こうしたデータが機械的にインプットされていたわけです。


  2. 大砲には弾種毎に「射表」が編纂されます。
    その砲である砲弾を発射した時にどのような弾道になるかを示したものです。
    高射砲でもその高射弾道についてきちんと射表が作られますのでそれに従って修正された照準を行います。
    BUN

  3. パリ砲をご存知なら、「あるいはパリ砲どころじゃない高初速」はおかしいのでは。
    好事家同士、最低の足元は見るようにしましょう。
    4式射撃装置

  4. 四式射撃装置様、ご指摘ありがとうございます。過去ログやwikiは一応調べたのですが5式15p高射砲の正確な初速を把握できず、ご指摘のような表現になってしまいました。「最低限の足元は見るように」にはただただ赤面するばかりでございます。深く反省いたします。
    備後ピート

  5. wikiに初速、載ってると思います。http://en.wikipedia.org/wiki/Type_5_15_cm_AA_Gun


  6. ご教授いただいた英語版wikiによると初速930m/sとのこと。過去ログによるパリ砲の初速が1500〜1600/sですからパリ砲の方が断然高初速ということになりますね。また勉強になりました。
    しかし日本語版wikiの諸元欄には出てないんだよなあ…。3式12p高射砲のは出てるのに…。
    備後ピート


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