439 レールガンの砲弾形状は正面からみてどのような形状(多角形か円か)が有力視されているのでしょうか。

添付の特許申請では砲口形状は四角なのかなと思います。
http://www.ekouhou.net/%E9%9B%BB%E7%A3%81%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%B3/disp-A,2011-190973.html

現在の砲の砲口形状は
・ライフル砲:砲弾が高速回転する/高圧がかかる→円
・滑腔砲:砲弾がゆっくり回転する/高圧がかかる→円
だと思います。すると基本的に砲身に高圧がかからないレールガンは
・円形状にこだわらない
もしくは
・砲弾は飛翔中には回転するとすると→円
のどちらかの理由で砲口形状が決まると思います。
どちらなんでしょうか。戦車砲に代表される直射タイプと、艦砲のような曲射タイプに分けて回答頂けると助かります。

太助

  1. レールガンで弾を回転させるのは、無理なように思えます。
    レールが平面ですので。

    少なくとも米海軍が開発中のレールガンの写真では四角でした。
    弾に羽もなかったし、どうやって安定させるのか不思議です。
    最終的にはサボでもつけるのかな?
    似非ハンター

  2. 回答ありがとうございます。
    やはりサボがつくんでしょうか?
    http://nextbigfuture.com/2011/04/general-atomics-blitzer-railgun-update.html?m=1

    安定翼があるのであれば、これに傾きというかねじれをつけてやれば、回転である程度の安定性が確保できるのかなとも思いますが。四角砲弾の安定性確保については謎ですね。

    太助

  3. なるほど。やはりサボがつくんですか。
    だとすると戦車砲のAPFSDSのように、
    後ろ側に真っ直ぐな安定翼が付くのでは?

    レールガンには詳しくないですが、よく考えてみると、
    ローレンツ力は電流の流れる長さに比例します。
    従って効率よく加速させようと思うと必然的に
    横長(つまり電流方向が長い)な形状が最適ということに
    なるんじゃないでしょうか?
    似非ハンター

  4. 小生もまだちゃんと読んでいないんですが、APFSDSが低速回転するという内容だと思います。
    http://www.google.com/patents/US6655293
    毎秒70回転だとかいう記述や図6が参考になるかと。

    ところで横長の砲弾ということは、レール間の距離が開くということですか?

    太助

  5. つまり

    F 弾にかかる力
    B 磁場の強さ
    l レール間の距離
    I 電流
    とすれば
    F=BIl
    の関係が成り立ちます。

    ここで弾にかかる力Fを大きくするには、
    1)I=電流を増やす=電源電圧を上げる
    ただし途中経路の電力損失は電流の自乗に比例するため、単純にIを増やすと電力効率が悪くなります。

    2)Bを大きくする=磁場を強くする
    磁石を近づけると達成できます。

    3)lを長くする=レール間を広げる+電源電圧を上げる。
    lを長くすると、そのままでは逆起電力が増えて最大到達速度が低下するので、
    その分は電源電圧を上げる必要があります。

    結局、磁石の間を狭くして近づけ、電源の電圧をできるだけ上げて、レール間を長く取る
    という方向になるのではないかと。

    似非ハンター

  6. 基本的にレールガンの磁場って、レールに流れる電流が元で発生するんだと思っていましたが(右ねじの法則)違うんですか。そう考えていたので、レール間の長さと磁場の強さは反比例するのかなと思っていました。

    太助

  7. いえ勘違いしてたのは私の方です。
    レールガンは上下から磁石で挟むものと思ってましたが、違うみたいですね。
    (昔そういう実験器具を見たことがあったので)
    素人は潔く退散しますです。。。
    似非ハンター

  8. 電磁レールガンの砲口(砲身の内壁断面)の形状については、真四角でも長方形でも円形でもやり方次第でどれも有りだと思いますよ。
    上下あるいは左右に配置されるレール(銅やモリブデン等の導電性材料)とレール配置に応じて左右又は上下に置かれるインシュレーター(ガラスエポキシ樹脂積層板やポリイミド、ファインセラミックスの窒化ケイ素等の絶縁性材料)の内壁をそれぞれ円弧状にすれば内壁は円形にもなりますね。
    そしてその外周を覆う通常二重の外枠についても材質や形状・構造は砲身の剛性や軽量化、コスト等を考慮して色んなやり方があるでしょう。角形や円形のいずれも有りかと。

    一方、打ち出すレールガン用の弾丸ですが、例えば初速2,500m/secとかの超高速飛翔体として考えた場合に射出後に分離する弾心はAPFSDSの弾心と同様に尾部に安定翼を持つ細長い(例えばL/D=10以上)断面が円の棒状のものが基本かと思います。
    この弾心に付く電機子(電流経路のアーマチャ)やサボーが砲口の断面形状に合わせて四角だったり円形だったりするわけですね。これらが分離してしまえば弾心はどれも似たようなものではないでしょうか。

    電磁レールガンについての知識はあまりないので、上記はご参考までと言うことで...。
    MK@2004-

  9. >>7 似非ハンターさん
    皆素人ですからお気になさらずに。
    サボの件など参考になりました。ありがとうございました。

    >>8 MK@2004-さん
    アメリカ海軍開発の艦砲もAPFSDS風の細長い形状の砲弾を使用すると思いますか?基本的に貫通目的じゃないので、太く短くてもよい気もしますが。特に曲射ですから。

    太助

  10. >9
    CIWSや対戦車砲など直接射撃を想定した電磁レールガンの砲弾ならAPFSDSと同様の弾心になるでしょうね。
    一方、米海軍が艦載を目指して開発中の電磁レールガン用の実用砲弾は、本格的な開発は比較的最近のことではないかと思いますが、以前から説明図などに用いられている尾翼付の円錐形的な形状になるのか、従来砲用の誘導砲弾の様に先端が尖った円柱状になるのかは分かりませんが、いずれにしろ細長いものだと思います。

    64MJのエネルギーのレールガンから発射した砲弾(飛翔体)による間接射撃の説明図等では、初速が約マッハ7.5で、アポジ高度は大気圏外の150〜160kmとなる弾道をとらせて200nm(約370km)以上先の目標へ6〜7分間の飛翔で約マッハ5で突入とかなっていますね。この砲弾を水平方向に水上艦などへの直接射撃に用いれば約6秒の飛翔で着弾だそうです。

    と言うことで砲弾の形状は直接/間接射撃に限らず極超音速飛行に適した空力形状で耐熱にも考慮する必要がありますね。誘導装置や攻撃用ペイロードも搭載するなら最大径は制約を受けますから長さ方向を増やして細長いプロポーションになる傾向でしょうね。
    太助さんがおっしゃる「太く短い」と言うのは、缶ビールというかグレネードのようなプロポーションを想像してしまいますが、電磁レールガンでの打ち出しのみ考慮した試験用飛翔体なら有りかもと思いました。
    MK@2004-

  11. なるほど。
    高L/Dの砲弾の曲射とはどんな飛翔姿勢をとるのか興味がありますね。

    ところで話題が変わりますが、着弾時はどんな具合にエネルギーが放出されて、周囲に被害が及ぶのでしょうか?(曲射の艦砲射撃で)
    砲弾の材質もタングステンのような重く固いものか、アルミニウムのような軽く柔らかいものか、どちらが適しているのか。脆いものがいいのか、そうでないものがいいのか。材質の比熱は関係してくるのか等々。

    よろしくお願いします。

    太助

  12. >高L/Dの砲弾の曲射とはどんな飛翔姿勢をとるのか興味がありますね。
    弾道頂点が大気圏外にも及ぶ長距離間接射撃の場合の飛翔姿勢ですか?
    真空に近い大気圏外を飛翔中は、以前弾道弾の件で話題にしたように燃焼終了後のロケットが付いたままで弾頭の切り離しも姿勢制御も行わない原始的な弾道ミサイルと同様に大気圏を突き抜けた時の姿勢のままで弾道飛行し、大気圏上層部に再突入するときには頭を上にした斜めの姿勢でしょうね(腹部からの突入)。
    それから空力が効きだせば、砲弾の形状や有れば安定翼により、やがて頭の方を下にした姿勢で飛翔することになるでしょう。
    一方、大気圏内のみを飛翔する場合は、最後まで空力の影響を受けた飛翔姿勢になるでしょうね(PATRIOTやS-300のミサイル弾体の様に主翼がなくても高速を利用した胴体のリフティングボディ効果を狙う場合も含めて)。

    米海軍が開発している艦載電磁レールガン用の砲弾は、基本は火薬などを内蔵しないKinetic弾(不活性弾)のようです。
    着弾までを衛星から制御すると言っているようですからGPS利用の誘導砲弾かもしれませんが、比較的安価なもの(100〜200万円?)を目指しているようで、従来の5インチ砲弾より遙かに大量の砲弾を搭載して高発射率で砲弾を雨あられのように遠距離から敵地に浴びせることを狙っているようです。
    仮にKinetic弾でも例えば質量10kgとかの重金属の固まりがマッハ5(秒速1.7km)で着弾すれば凄まじい破壊効果を及ぼすでしょうね。照準を正確にして目標のみを破壊し、攻撃の巻き添えによる被害を極限することも狙っているようです。

    実用砲弾の開発・試験が進めば、いずれ砲弾に関する情報も、もっと出てくることでしょう。
    MK@2004-


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