457 信管についてお教えください。今度は調べて、ネットに
  瞬発:0.0001〜0.0002秒
  無延期:0.025秒
  短延期:0.05秒
とありますが、瞬発と無延期に200倍以上の差があります。
かりに600m/secの弾ですと、当たって10センチくらいで
炸裂するか、20mも進んでから炸裂するかの差になります。
中間の0.001秒くらいの信管はありますか。
戦術的に必要がないのでしょうか。相も変わらずの妄想〜
もしや無知の愚問ですみません。
黄色い半可通

  1. 逆にお尋ねいたしますが、撃速の数値はともかくとして、何故物に当たったあともその撃速のままで砲弾が進むのでしょう?

    例示の信管作動秒時は、おそらく「大砲と装甲の研究」
    http://sus3041.sakura.ne.jp/
    http://sus3041.sakura.ne.jp/contents/fuse/fuze.htm
    からのものと思います。 そこに書かれていますように、作動秒時というものは信管の感度と共に、装着する砲弾の用途、つまりどの様な目標に対してどの様に炸裂させるのかによって決まってくるものです。

    (なお、瞬発、無延期、延期と言う用語は陸自・旧陸軍のものです。)

    即ち、3種類の着発信管のうち、瞬発は物に当たった時にできるだけ速やかに作動させるものですが、当然ながらその基本的な原理や機構上決して0秒にはなりません。 また多くの場合弾頭信管(もちろん弾底信管もありますが)ですので、あまり長くなると作動の前に信管が圧壊される可能性が出てきます。

    また無延期信管は、瞬発信管と同じく、物に当たった時にできるだけ速やかに作動させるものですが、その基本的な原理や機構上、ある一定秒時でキッチリと作動させることは不可能に近く、撃速などの条件によりかなりの誤差(作動範囲)を生じます。 そして瞬発のようには作動秒時を短くすることができません。 このためこの信管は、弾頭信管では作動前に圧壊される可能性がありますので、弾底信管にほぼ限られてきます。

    実際、上記のサイトでM78は延期モードの時が 0.025秒であり、無延期モードでのデータではないこと、またM62では不明となっていることにご注意下さい。

    これを要するに、瞬発も無延期もその原理及び構造上からくる作動秒時であり、実際の使用上要求される特定の作動秒時が先にあってこれになっているわけではありません。 したがって広い意味では両方とも「瞬発」であり、旧海軍・海自ではこの区別は無く両方とも「即動」といいます。

    なおご参考までに、ごく一般的な値としては、瞬発は1ms、無延期は5ms程度であるとされています。

    そしてこれらの作動秒時より長いものが要求される時には、全て延期信管(旧海軍・海自では「遅動信管」)によることになりますが、それを何秒にするかはひとえに“どの様な目標に対するものか”によります。

    艦船ファン

  2. >1 艦船ファン様
      >撃速の数値はともかくとして、何故物に当たったあともその撃速のま   まで砲弾が進むのでしょう?・・・
    戦艦の数10センチ装甲に対する16インチ級砲弾でなく、おそらく「撃速のままで砲弾が進む」航空機の薄い外壁を想定しました。前提を示さずすみませんでした。
    航空機の構造を考えますと、外壁で炸裂は、旧軍の25mm機関砲弾の『撃速250米/秒(射距離約3200米)にて厚さ1ミリのジュラルミン板に直径約280粍の破口を生じさせる』http://navgunschl.sakura.ne.jp/koudou/ijn/buki/ammo/proj/25mm.html#com
    とあります。より大口径の30〜57mm弾なら、航空機の外壁を貫通して数10センチ進んでから炸裂が効果的では、との質問でした。
    たとえばMK 108の30mmx90RB焼夷榴弾の信管はどのくらいの遅延時秒だったのでしょうか。
    黄色い半可通

  3. >2
    ここで見ると、焼夷弾とVC70遅延雷管の組み合わせが載っていなくて、どうも瞬発みたいですね。
    http:/、/forum.axishistory.com/viewtopic.php?t=126587



  4. >2.
    >航空機の薄い外壁を想定
    当初のご質問である着発信管の分類は陸軍・陸自の対地射撃の場合で、例示された元のデータもそのようになっているはずです。
    対空射撃、対地射撃、水上射撃のどれなのか、かつ砲なのか機銃なのか、などでも信管の考え方が変わってきます。 例示のもので「航空機を想定」にはなりません。 対空射撃には対空射撃として考え方・やり方があり、そのための弾種や信管が考えられております。

    もう一度、砲弾・銃弾の用途と信管の関係を整理され直されることをお勧めします。

    艦船ファン

  5. >3.
    フォロー感謝です。
    3cm Brgr. o. Zerl. はその名称のとおり「遅延無し」で、しかも信管はAZ1587とされていますから弾頭着発信管でかつ構造的にも「瞬発」ですね。 もし遅延機能があるなら信管記号に“m”や“v”付きのものになりますので。


    艦船ファン

  6. 飛行機から飛行機に目掛けて打ち出される航空機関砲(銃)弾は、命中するとしても極めて浅い角度で当たる場合がかなり多いと考えられます。後方から敵機を狙ったときに弾丸が目標物に当たる角度をイメージしてみれば良いと思います。強い被弾経始がついているに等しい標的であるわけです。そうしたものに浅い角度で当たった弾は、貫通するよりも、滑ってはじかれることが予想されます。そのとき信管にディレイがついていれば、弾丸はあらぬ空中で炸裂してしまうことになります。それよりも命中した瞬間に炸裂して敵機表面から破壊することが得策なはずなのです。


  7. 艦船ファン様・片様
    ご指導有難うございました。また質問させてください。
    黄色い半可通


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