620 テントの布について質問です。

ヴァイキングが乗っていた、一般にドラゴン船と呼ばれる船(正式にはロングシップ?)の甲板上にテントが張られていたりします。
あのテントに使われている布の素材は一般に何だったのか教えてください。

私は亜麻か羊毛のフェルトだろうと思っていたのですが、「Viking Tent Sheet」で検索すると「Canvas」という単語がたくさん出てきますし、ヴァイキングテントの画像でもキャンバス地らしい布を使っているものばかりです。
当時、北欧に綿がそこまで普及していたとは私には考えにくいのですが、ヴァイキングの一部はアフリカや地中海の南欧にも進出してるので可能性が0とも思えず質問させていただきました。
おうる

  1.  Canvasという言葉の語源を調べてみるとギリシャ語で麻を意味する語に行き着きます。実際、油絵で使用されるキャンヴァスは亜麻が主材料です。また、帆布という語を調べてみると、木綿で作られることも多いようですが、麻や亜麻でも作られています。
     もっとも、9世紀にはスペインで木綿の栽培が始まっているそうなので、ヴァイキング船の活躍した時代の最後のほうでは重なってくるとは思います。しかし、定かではありませんが、その当時においては、木綿は貴重品であるように思えますので、船のテントのような大きなものに使えたかという疑念があります。
     また、Viking Tentという語も、ヴァイキングの活躍した時代に使用されたテントの完全な復元品を意味するというより、長方形の底面を持つ、切妻のものを指す普通語のように思えます。したがいまして、Viking Tentという語から往時のヴァイキング船のテントを想起するのは難しいのではないかと愚考いたしております。
     なお、麻が北欧で栽培可能なのかどうかは分かりませんが、亜麻は寒冷地で栽培されるものですので、こちらのほうが可能性は高いと思っております。実際、Wikipediaのノルウェー語版には麻の項目はありませんが、亜麻はあります。ただ、翻訳サーヴィスを使ってノルウェー語を読解しようとしたのですが、意味不明の部分が多く、その当時に栽培されていたかどうかは分かりませんでしたし、ヴァイキングなら、獣皮のほうが使用された可能性が高いと思っております。
     
    hush

  2. 実は分かっていません。当時の船については帆を始めとする布背品について出土しないからです。帆だけが一部みつかり羊毛の毛織物であることが分かりました。しかし、それ以外は見つかっていないため謎なのです。

    では、羊毛なのかと言いますとそうは言い切れないことが判明したのです。1980年代にバイキング船については出土が相次ぎ研究が一気に進みました。そこで分かったことは、一部のバイキング船は他国に建造を依頼していた可能性が高いということでした。学術的には決着はついていませんが、その可能性を支持する研究家の方が優勢であるのが実情です。つまり、そうなりますと建造した国の布製品を使用している可能性が高くなります。帆についても羊毛以外の素材が使用されていたケースも大いにあり得たかもしれないということですね。帆についてもここまでしか分かっていません。テントとなりますとさらに分からないのが現状といえます。

    私のこの知識は数年前のものです。もし、それから研究が進み分かっているかも知れません。まずは私が知っている範囲で回答いたします。
    Tokyo-Rose

  3. 回答ありがとうございます。

    帆が羊毛の織物だったという記事は読んだことあったんですが、それ以外はその後も調べてみたんですがやっぱりわかりませんでした。

    亜麻は北欧で栽培されていて有力だと思っていたんですが、改めて調べてみたら北欧で栽培が始まったのは13世紀ごろからで、ヴァイキングが活躍した時期からはずれてしまうようです。

    ヴァイキングの船が輸入品という説は初めて知りました。
    何がどう発展してあの形になったのか成立までの過程が全く不明な形状の船だったので、輸入だったとは全くの予想外です。
    おうる

  4. 補足です。輸入という言い方が悪かったですね。バイキングの本拠地以外で建造されたがさらに正しい言い方ですね。申し訳ございません。

    その1980年代に出土した一部の船で北欧に自生していない木材が使用されていたため他国建造ではと推察されています。ただその一方でその部材を輸入し取り付けただけではという考えも有力です。

    バイキング船の建造は口伝伝承による職人技ですから、他国で建造するとしたら誰かが現地で造船したとなります。他国でバイキングの技師が造船したのを持ってきたのか…それともその材料を輸入し自国で建造したときに使ったのか…

    意見が分かれるところですね。ロマンがある話ではあります(笑)
    Tokyo-Rose

  5. 「他国に建造を依頼して」は私の勇み足といいますか資料の読み間違いです。そこまでは言っておりませんでした。訂正いたします。
    Tokyo-Rose

  6. >3
     13世紀ですか。
     それは失礼いたしました。
     
    hush


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