678 ロシアやソビエト連邦軍の影響を受けた軍では「ポルチャンキ」という布を足(脚では無く、爪先から足首まで)に巻き付けて靴下の役割を果たしています。日本語(漢語)での呼称はどう書くのでしょうか、脚絆ならぬ足絆でよいのでしょうか。

ポルチャンキ、巻脚絆同様着用者に巻き方を覚えさせる必要が在りますが、それさえ果たせれば調整することで規格品の軍靴に個人の足を合わせられるのみならず靴下の様に特定箇所を擦り減らす事も避けられ、長方形の布なので靴下より多用途に転用でき万一供給を受けられなくとも現地で入手した布等でその役割を果たせる等、諸々物資が不自由な戦場での環境では靴下よりも有利だと思われます。何故日本など他国軍は足絆(でよいのか?)を採用せず靴下のみを使い続けている(いた)のでしょうか。
にも。

  1.  父がソ連軍の捕虜になった時に、装備の劣悪なのに驚いたと言っていたことがあります。靴を履いていないのもおり、そのような軍に負けたのかと思うと情けなくなったと述懐しておりましたが、裸足ではなく、ぼろぎれを巻いていたと言ってたと思いますので、それがポルチャンキなのでしょう。
     何だか、30年も前に亡くなった父の声に触れられたようで、嬉しく思いましたが、それはともかくとして、私も初めて聞く言葉ですので、少し調べてみました。
     ロシア語ではпортянкиと書くようですが、それを頼りに調べていくと、英語版のWikipediaにたどり着きました。そこに、プロイセン軍も使用していたが、1869年の軍の衛生マニュアルには、夏には快適だが、靴下のほうがよいと書いてあるとあります。断片的な引用ですので、即断はできませんが、あまり衛生的ではないと考えられたのかもしれません。
     しかし、一番の問題は、装着に慣れが必要なことと、時間がかかることでしょう。そのようなものより、緊急時に、一挙動で履ける靴下のほうが有利だと思うのです。そして、靴下が手編みで高価だった時代と異なり、機械化により廉価になっておりますので、そちらのほうが主流となったのでしょう。
     もっとも、東欧以外で使用されることが少なかったのは、馴染みがなかったからだと思われます。旧日本軍は褌を使用しておりましたが、それが他国に波及しなかったのと同様です。
     しかし、ポルチャンキも褌も素肌に密着しないので、蒸れにくく、簡単に製作できるという点では、有利な代物であろうと思います。ただ、見栄えの問題もありますので、2013年にロシア国防相が禁止令を出したのも仕方ないことかなと思っております。

     訳語については、ソルジェニツィンの「イワン・デニソビッチの一日」の中にポルチャンキとあり、訳者の小笠原豊樹は、詩人の岩田宏(こちらが筆名で、小笠原豊樹が本名です)としても知られる人ですので、ポルチャンキはポルチャンキでよいのではないでしょうか。
     
    hush

  2. 通常の訳では、少なくともロシアの戦争小説で読む限り「足布」または「足包」とするようです。但し時期的に三〇年以上前の話。現在も同じでは無いかもしれません。

    彼等の言う大祖国戦争が舞台の話では、特に冬期では靴下を履いた上から巻く描写があり、防寒具の訳を果たしていたようです。布を巻く分、大きめのブーツが支給されていたとの表記もありました。(『連隊の子』など)
    タンジェント

  3.  フォロー多謝。
     なるほど、足包ですか。
     
    hush


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