108 又P―39絡みの質問です。P―39からターボを外した理由なのですが、良く言われるのがUSAAFの運用思想の変化ですが、ターボの技術的問題、レイアウトの問題とかは無かったのでしょうか?つまりここで外さなくても、高空性能と引き換えにトラブル続出だったとかなのですが?
まさのり

  1. ラリー・ベルの回想には、YFM-1 および XP-39 の試験飛行がターボチャージャーの不調により散々に遅れたこと、YP-39 でターボが外れたことを「これで百万件の問題が一挙に片付いたようなものだ(we have eliminated a million and one problems by removal of the turbosupercharger)」と記したものがありますので、ターボの技術的課題はまだ多く残っていたようです。さらに、仮に技術的問題が片付いたとしても、1938-1939 年当時爆発的に急増していた米航空隊の増産プランに対し、ターボ生産台数がネックになることも予測されていたようです。

    P-39 については、高々度の重爆迎撃から対地攻撃主体へ…という運用思想変化があった訳ではないようです。それが主理由だったとすれば、爆弾やロケット弾ラックの装備や腹部装甲板の実施が大戦突入後であることと辻褄が合いません。むしろ一日も早く量産機を出荷したいメーカーの意向と、一機でも多く増産計画を達成したい軍の利害が一致し、「高々度性能の不足」という現実に目を瞑るようなかたちで妥協を重ねた(計画上、YP-39 の高々度性能は XP-39 を若干下回る程度に収まり、中低高度性能はむしろ改善されることになっていました)ことが YP-39 におけるターボ撤廃の主理由だったようです。
    無記名

  2. 回答の方ありがとうございます。しかしP-39って本当にターボ積む気だったのでしょうか?後のターボ搭載機であるP-38やP-47と比べるとコンパクト過ぎると思うのですが
    まさのり

  3.  P-39に一段一速型のアリソン発動機を装備するという決定は、陸軍航空隊からの本機を最高速度400mphに達する中低高度用の高速戦闘機として早期に戦列化する、という意向に基づいて実施されています。

     NACAの試験時にはターボの撤去による機体の軽量化と、機体形状のリファインにより要求性能は達成可能とみなされていましたが、その後の機体重量増加により、予定性能に全く達しない機体となってしまったのは皆さんご存じの通りです。
     なお、本機の任務が地上攻撃主体となったのは太平洋方面における本機の無惨な運用実績が出た後の話で、本機のターボ撤去には何ら影響を与えていません。
    大塚好古

  4. 大塚さん迄、回答ありがとうございます。ちゃんとしたターボ搭載戦闘機が、P38J、P47B迄出て来なかった事を考えると、USAAFがターボを外せと言ったのは、あながち間違っていなかった事なんですね。しかしB17やB24の時は、何故かターボの問題は聞きませんね。
    まさのり


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