118 イギリスの「ソードフィッシュ」雷撃機はいろいろなところで大戦果を上げているんですけど。複葉機や低速だと何かいいことがあるんですか?どうして撃墜されないんですか?教えて下さい。
ゼブラーマン

  1. イギリス海軍が単葉の新型雷撃機を開発しなかった正確な理由は知りませんが、帆布張りの複葉雷撃機の「長所」として

    * 製造コストが安い。
    * 単葉機より容易に発艦・着艦できる。より短い訓練期間で操縦可能になる。

    があるといえばあるでしょうか。

    なお、インド洋で日本機動部隊の攻撃隊が英軍のソードフィッシュの編隊に遭遇し、攻撃隊直掩の零戦が直ちに全機叩き落したと戦記にありましたので「どうして撃墜されないんですか?」ということはないようです。戦闘機に見つかれば簡単に撃墜されます。
    ベアベア

  2. 自分は「ソードフィッシュ」が結構好きなので参考になりました!ありがとうございます。 
    ゼブラーマン

  3. 複葉や低速で良いことはありません。ソードフィッシュの場合、エンジンの信頼性が高く乗りこなしやすかったことと、後継機として開発された「アルバコア」(同じ複葉機だが密閉風防で近代化されている)がエンジンの信頼性は低いうえに性能があまり向上していない失敗作だったため、使われ続けただけです。

    WWIIの英国海軍の場合、独・伊にまともな海軍航空戦力がなかったため、外洋作戦では戦闘機の迎撃がなく、旧式機でも通用したという事情があります。ビスマルク追撃戦のラッキーヒットはその好例で、ベアベア氏が言われているように、太平洋戦線ではフルボッコにされてます。また、タラント夜襲は特殊な成功例と言えるでしょう。

    英国海軍も「ソードフィッシュ」で十分とは考えておらず、「アルバコア」が失敗に終わって「バラクーダ」(これも扱いにくく嫌われたらしい)の導入までに、援英機のグラマン「アベンジャー」を導入しています。(艦戦も同じで、F4F(マーレット)やF4Uを大幅導入しています。シースピットは「残っている写真の過半数以上が着艦事故」というくらいトラブルが多かったようですし。

    あと、雷撃機の特殊事情として、低速でも操縦性・安定性の良い機体の方が操縦者にとってはラク、という面もあるようです。日本でも、天山艦攻の元搭乗員の方の座談会で、「速度がなかったけれど、雷撃に限れば九七艦攻の方が良かった」という証言もあります(丸メカ旧版No30、P66〜)。また、「ソードフィッシュ」に乗りなれた乗員が単葉機に乗り換えて、発艦直後に旋回をかけて失速する等の事故も多かったようです。旧式機が居座り続けたが故の弊害ですね。

    戦後、「ソードフィッシュ」の人気が高いのは、オンボロ機なのに戦果をあげていることが、英国人特有のプライドに響くからでしょう。技術的に見れば、後継機が2代にわたって失敗作だったため、乗りやすさ・敵の洋上航空戦力が貧弱なことに助けられて使い続けられた、幸運な「偉大なる旧式機」でしょうね。
    TOSHI!!

  4. >1.
    >イギリス海軍が単葉の新型雷撃機を開発しなかった

    これは間違ってます。「アルバコア」は複葉でしたが、そのあと「バラクーダ」、「スピアフィッシュ」を開発していますよ。ただし「バラクーダ」は特異な機体形状と特性も手伝って人気がなく、「スピアフィッシュ」は大戦に間に合いませんでした。といっても、後者はグラマン「アベンジャー」に比べて巨大な機体・大出力エンジンの割には非効率な機体でしたが。
    TOSHI!!

  5. すでに皆さんがお答えになってますが、もし、太平洋戦線の序盤〜中盤ごろ、日本軍基地などにソードフィッシュで雷爆撃など掛けたら、海軍基地なら零戦、陸軍基地なら一式戦〜三式戦の攻撃でフルボッコ!
    沖縄戦で九三中錬に爆弾積んで特攻にいった例がありますが、ほとんどアレと同じになったのでは、と思います。

    >TOSHI!!さん

    私も丸誌で「夜間雷撃なら、天山より操縦性が素直な九七艦攻を選ぶ」といった話を読んだ記憶があります。
    HELLDIVER

  6. あんま速度の出ない空母からでも運用できれば対潜哨戒に便利かと
    Alphabette

  7. >6.
    ソレをやろうとしたのが、大日本帝国“陸軍”ですね。
    あきつ丸等の急造空母(?)に、カ号オートジャイロを積んで対潜哨戒やらそうとしてますが時期すでに遅く、殆ど運用実績がなかったようで…

    連合国側は護衛空母にもカタパルトがあったのでワザワザそんなことをしなくてもよかったようですがね。
    TOSHI!!

  8. >7

     米製の護衛空母は英国製の機体をカタパルト射出できません。終戦時期までソードフィッシュが英国の対潜護衛空母の搭載機として使用されたのは、小型低速な護衛空母でも運用可能な点が買われたこともあります。あとカタパルトのないMACシップにおけるソードフィッシュの運用事例もお忘れ無く。
    大塚好古

  9. >8.
    御大のご指摘、痛み入ります。事実誤認は申訳なく思います。
    ただ、それも制空権あってのことですよね。逆に、Fw200で痛めつけられた
    海域では、使い捨てのハリケーンをカタパルトに乗っけたりしてましたし。
    TOSHI!!


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