212 夜も更けてまいりました。連続の質問になりますが、夜戦についてお尋ねしたい事があります。


先日、渡辺洋二氏の短編『夜のヘルキャット』を読んでいましたら、沖縄戦の終盤、夜戦型のF6F-5NにAN-M2-20ミリ機関砲が装備されたが、機関砲の発射炎がパイロットの眼を眩惑する為、部隊で取り外してしまった、とありました。


イギリスのモスキートの夜戦型も同様の理由で、機首の7.7ミリ機関銃を外したとWikipediaにありました。


ところが、なんだかんだで様々な機種を夜間戦闘に投入した日本とドイツの航空機にそのような事例も、エピソードも散見されないのは、なぜなのでしょうか。

日本の場合、単座戦闘機に斜め銃はほとんど使われなかったようですから、眩惑しようがそれしかないんだから使った、というのはわかるのですが、斜め銃を装備し、モーターカノンを装備したドイツのBf109Gや機首に機関銃を装備したBf110では発射炎が問題とされる事がなかったのでしょうか。


コックピットの正面に位置する機首の機関銃ならまだしも、翼内銃ですら20ミリになると視界の妨げになると言うなら結構深刻な問題ではないかと思うのですが…
ハインマット

  1. 零戦の場合、16年3月完成機から20ミリ銃口に消炎器がついたことに一応なってます。
    一応、というのは、効果についてはよくわきまえておりません、という意味です。



  2.  丸メカ4巻に零戦搭乗員がB-17が大口径機銃(20oとか30oという意味かと思います)を装備していると報告があり、B-17の実物をいろいろ調べたがそんなものは見つからず、いろいろ調べたあげくブローニング12.7o機銃の発砲炎が日本の九九式20o機銃のそれより大きかったために起きた誤解だったらしい、というエピソードが紹介されています。
     とすると、AN-M2 20o機関砲と九九式20o機銃の発砲炎にもかなりの差があったのではないか、という推測ができます。
    T216

  3. 暗夜に侵入する敵を捉えるヘルキャット夜戦と炎上する都市によって浮かび上がる敵機に指向するビルデザウ戦術の独軍単座戦闘機との違いに注目する必要があると思います。
    BUN

  4. 片様、T216様、解説ありがとうございます。米軍が使うイスパノ20ミリは発射炎が大きいのかなと思っていたのですが、やっぱりそうなんですね。零戦にはフラッシュハイダーとかフラッシュサプレッサーって呼ばれてるやつが付いていたんですか。


    それならドイツの夜戦にもフラッシュハイダーが付いていたんですかね?30ミリのモーターカノンをつけたまま夜間戦闘やってたBf109-G10もあったようですし…
    ハインマット

  5. > ドイツ夜戦
     標準装備かどうかは分かりませんが、世傑の各巻を見ると、Bf110に夜戦型の機首7.7oや夜間戦闘を行っていた部隊の二式複戦の機首37oや上向砲、P-38夜戦型の機首12.7o及び20oに消炎装置が付いていることが写真で確認できます。
    T216

  6. BUN様>


    なるほど、おっしゃる通りですね。防空任務と侵攻任務の違いという訳でしょうか。

    T216様>


    やはりそうですか。細かい仕様を整えるのが好きなドイツの事だからそうなのかなと思ってましたが…でもそうなると米海軍が単にそうした装備に無頓着だっただけなんですかね。夜戦専用空母まで用意していたのに。
    ハインマット

  7. モデルアート増刊「ドイツ空軍夜間戦闘機」のJu 88G-1の解説に、
    「一部の機を除いて機首内部のMG151/20は撤去されたが、これは夜間に発射焔が強烈過ぎて、パイロット目を幻惑するためであった。そのかわりに、キャノピー後方の胴体内に、MG151/20 1〜2門のシュレーゲ・ムジーク(斜銃)を装備し、必殺武器とした」という記述があります。
    TT

  8. Me110Gの機首MK108x2については防炎がついている写真をみたことがありません。ところがMG151/20をつんだ機体(下面ではなく機首)だと はでな防炎を
    つけています。
    同様にMe262Bもついてません。
    MK108だと気にならないのか?それともBUNさんのおっしゃるとおりベルデザウの
    上からみて黒点に浮かび上がるbomberに射撃するするから意味がないというのも
    納得できると思います。

    wittmann

  9. 以前の「丸」誌だったと思いますが、57ミリをつけた屠龍(の試作機?)で、夜間の対B29戦闘に出て、砲を発射したら目の前が真っ白になって、しばらく見えなかった、という話を読んだ記憶があります。

    >防空任務と侵攻任務の違い
    ハインマット様

    わかっていたことでしたら、読み流してください。
    BUNさんの言われていることは、F6F夜戦の場合、バックが真っ暗ですので、機銃の発射炎が問題になるが、Bf109の場合は、爆撃機の背景がもともと明るいから問題にならないのでしょうと言われているんです。
    ビルデザウ戦法というのは、燃える都市の上を飛ぶ爆撃機を上から見ると、地上の炎を背景にして姿がくっきり浮かび上がるので、それに向かって突撃すればレーダー無しの単座戦闘機でも戦果が上がるという考えで実施された戦法だからです。
    HELLDIVER


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