235  航空機の分野とは、若干ズレているかもしれませんがご質問させて下さい。

1.米海軍のEA-6Bなどの電子戦機によるECM支援は、SEAD任務に限定されたものなのでしょうか。空対空戦闘でもECM支援を行えるのでしょうか。

2.F/A-18やF-16などに機体の改造を特に行わず、外装のECMポッドを装備しただけでも、EA-18Gのように電子戦機として運用できるのでしょうか。
DoD

  1. 以下の写真でディスプレイの横にちょっと突き出た装置が確認できると思いますが、
    http://forums.radioreference.com/attachments/aor-scanners/24364d1250232981-aor-ar8200-mark-iii-b-government-version-ea6b-263b.jpg

    我が国のAOR社製広帯域受信機のAR3000Aです。このことからお分かりのようにEA-6Bでは通信妨害を行う要員が搭乗しており、AN/ALQ-149(or 92)により通信妨害を行います。空対空戦闘においてもGCIや編隊通信へスタンドオフ妨害を行う場合もあるでしょう。

    脅威電波を解析し、必要な電波妨害を掛けるという行為においては専門の要員が行った方がより能力が高いでしょう。以前、厚木基地に勤めていた方にお聞きしたのですが、EA-6Bの電子戦オペレータはパイロットより貴重な人材で、緊急時はパイロットより先に救助せよとのお達しがあるそうです。
    AP1@やっと出た

  2. 1.SEADよりも、元々海上戦闘用に開発されていますので、元来そのような能力を追求されて製造されてはいません。しかしながら、米国は統合運用を念頭に将来の各種作戦を構成しようとしており、その中に現用のEA-6Bが含まれたため、対地を対象として何らかの改修等が行われていることは想像に硬くありません。電波妨害による空対空戦闘支援については、戦闘機の電波輻射角度が狭いため敵戦闘機が直接電波を照射した方向にEA-6Bが存在し、かつ、その電波に対応するECM準備ができていて初めて電波妨害が成功するものであり、そう簡単なものではありません。しかしながら、EA-6Bに限らず他の電子戦航空機を含む航空機等による対空レーダー、邀撃管制通信妨害などは敵の防空作戦を大きく阻害するものと考えられます。したがって、EA-6Bなどの電子戦機は攻撃部隊とともに行動している場合は敵戦闘機などに対し直接的ECM支援は行える可能性があるが、別行動の場合は間接的ECM支援に止まるといえます。
    2.戦闘機にECMポットを搭載しての効果は限定的なものに止まります。それは敵のレーダー周波数等を事前に探知して事前にECM対処をプログラムセットしなければならないからです。高度な知識を持ち、かつ、専用の機材を搭載できない航空機では敵の周波数変更などに対して処置無しで、その場合まったく役に立ちません。 

    Zero


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