256 今Il-2というフライトシムでハリケーンの練習をしているのですが、イギリス軍の照準器の光輪(?)の直径はどれだけでしょうか?
できればミルで知りたいのですが……
はりぞう

  1. 英軍 GM2 Mk.II, Mk.III 反射照準器は敵機翼幅と距離をダイヤル設定するスタジオメトリック・システムを採用していますから、照準輪の直径は固定されていないはずです。反射ガラスのサイズならば Mk.II が直径 75mm の円形、Mk.III が一辺 114mm の正方形となっています。
    GM2 を簡易化した米海軍 Mk.8 は翼幅・距離ダイヤルを省略したかわり投影パターンを二重輪+十字目盛りに変更しており、内輪 50mil, 外輪 100mil の視野角を示しているようです。射距離 200m とすると内輪が 10m、外輪が 20m を示すことになり、それぞれ単発戦闘機・双発爆撃機の翼幅にほぼ一致することになります。
    無記名

  2. >>1
    ありがとうございます。もっと練習して、敵機に弾を当てられるように頑張りたいです。
    後学のために、よろしかったら出典などを教えていただけませんか?
    はりぞう

  3. 英軍照準器については British Aircraft Armament Vol.2, R.Wallace Clarke, PSL。U.S Navy Mk8 のレティクルについては私有品の現物を参考にしました。

    スタジオメトリック・システムについて言及しておくと、照準器下部の鏡筒部に「RANGE(100yards)」と「BASE(feet)」のダイヤルがあり、射撃距離を RANGE に、目標の翼幅を BASE に設定すると、照準輪の視野角がそれに応じて変化するというものです。FSM で何処まで再現されているか存じませんが、適切なダイヤル設定を行えば「目標の翼幅が照準輪に重なる距離」が適正な射撃距離を示すことになります。ただし、旋回機動に伴う弾道後落は「カン」で補正しなければなりません。

    余談ながら、大戦初期にジャワで捕獲された英軍仕様のバッファロー戦闘機に搭載されていた GM2 Mk.II 照準器の実物が日本軍の手に渡り、これを参考としたスタジオメトリックシステムが四式射爆照準器三型に取り入れられたと言われています。距離設定ダイヤルは鏡筒ではなく本体左側に設けられています。四国で引き揚げられた343空所属と伝えられる紫電改の照準器には、この距離ダイヤルが確認できます。

    無記名

  4. ご丁寧な回答、ありがとうございます!できれば、自分で原文にも当たってみたいと思います。
    それにしても現物をお持ちとは……うらやましいです
    予備知識もとてもためになりました。重ねて、ありがとうございます。
    はりぞう

  5. すみません、上記著書の記述を読み返したところ、GM2 の表示について勘違いしていたことに気づきました。GM2 のレティクルは円と十字で構成されていますが、円の視野角はスタジオメトリックダイヤルの設定に関わらず一定です。ダイヤルに応じて変化するのは十字線の水平線で、左右の線が切れた幅が目標翼幅に一致することをもって射撃距離を読み取ります。

    同著によれば、光像円は(距離の目測用ではなく)偏差射撃時の参照用であり、射線上を 100mph(161Km/h) で横切る目標に対して設定されたとの記述があります。機銃弾の弾速をざっくり 600m/sec(2160Km/h) と仮定すると円の見越し角は半径にして約 4.3 度(76.4mil)となり、円の直径は 152mil という計算になります。

    Mk.8 の mil 表示も直径なのか半径なのか自信がなくなってきたので、1m 先に定規を置いて目盛りを合わせてみたところ、内輪直径が 10cm、外輪直径がが 20cm を指していました。ということは「100 MILS」の外輪は「半径」100mil を指しており、輪としての見越し角は 200mil ということになります。

    以上、謹んで訂正させて頂きます。

    無記名


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