282  Ta152のエンジン重量について質問します。手元に「ドイツ最強のレシプロ戦闘機 Fw190D&Ta152の全貌」(野原茂 著、光人社 刊)があります。
 これによると量産型Ta152H-1の搭載エンジンはJumo213EBということです(P.119)。Jumo213EBの重量は記述されていませんが、Jumo213A-1の重量は920kgと書かれています(P.108)。両者の重量の差異がそれ程あるとは思われません。本サイトの参考資料内の航空機エンジン一覧(ドイツ軍編)を見てもJumo213EBの重量は「?」となっていますが、Jumo213Eは930kgと書かれており、やはり大差なしと認識しております。
 しかし、本書のP.91に「Ta152H-0、H-1機体部品別重量表(単位kg)」が掲載されており、それによるとエンジンは1822kgとなっており、実に2倍近い値です。この差は何なのでしょう。ラジエター等の付属物を含めた重量なのでしょうか。そうだとしたら他の液冷エンジン機も(例えば3式戦 飛燕も)同様な傾向があったのでしょうか。

二一斎

  1.  丸メカNo.10に掲載されているFw190A-8の部品別重量表(書きぶりは「Fw190D&Ta152の全貌」と同じ)を見ると、Fw190A-8は乾燥重量1,213sのBMW801D-2装備ですが、同表のエンジン(同書では動力装備と記述)には1,661.3sと約1.5培の重量が記載されていることから、この数値は質問者の方が想像されたように、潤油冷却器等の補機(BMW801なら強制冷却ファン、Jumo213ならラジエーターや冷却液等)を含む重量なのではないかと推測します(因みにFw190D-9の重量表にはエンジン重量として1,835s前後と記述されているようです)。
    T216

  2. 「エンジン(単体重量)」ではなく「動力系統(の合計)」とみてはいかがでしょうか。
    Flight 1943年9月16日号の記事では、
    FW-190A3について、動力系統(エンジンマウントとカウリングを抜きで)3070lb(1382Kg)でエンジンと補機で2680lb,プロペラ380lbの合計となっています。
    世界の傑作機No.78では、
    30ページの記事では、Ta-152Hについてエンジン1930Kgという記述があります。
    126ページにエンジンマウントの図面があり、Fw-190D(エンジンはJumo213 A-1)について、エンジンマウントの取り付け部から1551mmの位置に「1715.5Kg」という記載があります。マウントで支持している部分の重心と重量と解釈すれば、重量はエンジン+補機+冷却系+プロペラ+油冷却系で辻褄が合うと思います。



  3. T216様、い様、ご回答有難うございます。やはりエンジン単体ではなく補機類等を含めたものなのですね。それにしても2倍近くなるとは驚きです。
    二一斎


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