683 中島飛行機の「護」発動機についての質問です。

護がわずか200基程度の生産数で打ち切りとなったのは、、海軍から誉、栄の生産に集中するよう指示(もしくはその意向)されたからなのか、天山の発動機が火星に換装された時点で、単純に他方面からの受注の見込みが無いと中島側で判断されたからなのか、どちらなのでしょう。
codfish

  1. 昭和18年度半ばに誉の生産に集中するため、栄の生産も中止して石川島に完全移管する計画の中で護も中止されています。軍需省の設立や海軍向けの多摩製作所と陸軍向けの武蔵野製作所の統合も関連する海軍だけに留まらない増産計画の一環として護は中止され、その結果として天山の発動機換装が起きています。
    BUN

  2. 昭和20年の初め私は903航空隊で天山に搭乗していました。
    護エンジンは太くて前が観辛くて苦労しました。
    老兵

  3. >老兵さま
    丸メカニック「天山」によれば11型と12型ではむしろ火星装備の12型の方がカウリングが長くカウリング径もわずかに太いと感じるのですが、やはり上面の気化器空気取り入れ口の盛り上がりがそう感じさせるのでしょうか?
    さわりんX

  4. >>BUNさま
    >>老兵さま

    お返事ありがとうございます。

    そうするともしや、キ61のエンジンを空冷のものに換装する際、これまで陸軍機に採用されていた中島のハ5系ではなく、三菱の金星に換装されたのも、同様の理由でしょうか。それとも単にハ5系そのものが嫌われたからでしょうか。私はハ5系エンジンの本当の評価も知りたいところなのですが・・・
    codfish

  5. たとえば、ハ一〇九は昭和19年になっても故障多発のため一〇〇式重などに対して実用性無し、と三式戦のハ四〇よりも厳しい評価がなされていたりします。
    ただハ五系はそれで終わった訳では無くハ二一九の開発へと続いていますから寿の系譜が途絶えてしまったということでもありません。

    また陸軍は金星四〇型は採用していませんが、瑞星はハ二六、ハ一〇二として早くから採用していますし、金星もやがてハ一一二として採用しています。
    陸軍にとって金星は縁遠い発動機ではない、ということです。

    三式戦の空冷換装は時期的にもうハ一〇九を選べない上、直径と重量が大きいハ一〇九は候補に上がっても採用されなかったことでしょう。
    BUN

  6. 単純に時系列だけ述べますが、中島におけるハ109の生産は19年7月までに終息させる方向で、3月以降急激な減産が行われています。
    19年夏のキ61空冷化検討の時点では、ハ109はすでに選択肢として存在しないものになっています。


  7. >>BUNさま
    >>片さま

    お返事ありがとうございます。最初の質問からは少し外れますが、もう少しおつきあいいただけますでしょうか。

    中島のハ5系はその母体の寿時代から信頼性に問題があったことは9試単戦の開発経緯を見てもわかりますし、素人が調べたレベルですが、ニューギニアの七戦隊の一〇〇式重の可動数が九七重に比べて少なすぎると私も感じます。しかしその一方で本土防空にあたった七〇戦隊の二式単戦はそう悪い稼働率でもないように感じますし、岡本和理氏の「エンジン設計のキーポイント探究」にもハ5系エンジンについて「大きなエンジン故障は聞いていない」と書かれてあります。岡本氏はハ219のシリンダー設計者でもあり、これを中島関係者の身びいきと見ることもできますが、同時に同書の中で誉に関してはかなり厳しい評価をされておりますし、一番の成功作である栄に関しても手放しで賞賛はしておりません。「何をもって低稼働率とするのか」という難しい話であることは承知しておりますが、それほどまでにエンジントラブルの多いエンジンだったのでしょうか。
    codfish

  8. 陸軍で整備隊にいた方から話しをうかがったことがあります。その方は、ハ一〇九は、良くなかったとはっきりと仰っていました
    ケンジ


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