721 F-15CのTEWSについて質問です。
TEWSの機能である「脅威の探知・捕捉・発射を画像と音で警告する」の一例として、
「セミアクティブレーダーホーミングミサイルの発射をTEWS DISPLAY UNITで警告する図」
と言うのを見た覚えがあるのですが、それについて疑問があります。
自ら電波を発するアクティブレーダーホーミングならわかるのですが、発射母機からの電波を受け取って誘導されるSARH方式の場合、
TEWSが得られる情報は「発射母機がレーダーで自機を捕捉している」というところのみで、
母機がミサイルを発射したかどうかは判断できないと思うのです。
私の記憶が確かなら、TEWSを構成する装備のうち、ALR-56CやALQ-128はレシーバーで能動的な探知は出来ないですし、
ALQ-135はInternal Countermeasures Systemの名が示すとおり敵に妨害を行う装置だったと思います。
これらを踏まえてお伺いしたいのですが、F-15CのTEWSはSARH(またIRやIIR)ミサイルが母機から発射された際、
その兆候を検知できる機能があるのでしょうか?
それとも、単に私の見た資料に間違いがあったのでしょうか。

以上、よろしくお願いいたします。
AAA

  1. 想像でしかありませんが、RWRでのパルス繰り返し周波数(PRF)の分析によりアラートを出すんじゃないかと考えます。今まで受信していたレーダー波がHigh-Pulse Repetition Frequencyとなって照射を受けたら、トリガーと成りえます。基本的にRWRはパルス幅、パルス振幅、周波数帯、受信方位、受信時刻を見ています。
    AP1@50肩

  2. >AP1@50肩様
    早速の回答、誠にありがとうございます。
    なるほど、セミアクティブレーダー誘導のミサイルでも、ミサイル発射前後にはレーダー波に様々な変化があるのですね。
    そういった視点はまったく持っていなかったので、目からうろこでした。
    そう考えると、アメリカやロシアをはじめとする各国の軍隊がELINTを重視する理由がよくわかる気がします。
    仮想敵の運用する戦闘機のレーダー波がどのように変化するかが解れば、AP1様のおっしゃるような変化を検地してパイロットに警告する事ができるようになりますものね。

    毎度ながら、AP1@50肩様の知見の深さに自分の寡聞を思い知らされて忸怩たる思いです。重ね重ね、本当に有難うございました。
    AAA

  3. 一般に、パルスレーダーの繰り返し周波数は探知距離に相関があります。いくら電波が光の速度で伝搬すると言っても、往復する物理時間は必要ですから当然ご理解いただけると思います。PRFが短くなると、アンテナの性能にも寄りますが、方位精度が上がり、またレーダー相間の確実性が上昇します。ミサイル発射後、追尾の確実性や標的の機動への追随を確実にするため、彼我の距離が許す範囲でPRFを上昇させる事は合理的と思われます。

    初めからPRFを高くすれば1、で言われるような変化が起きないという疑問がありますが、パルスレーダーでは、距離によるPRFとパルス幅の制限があり、遠方の目標を短いPRFで探知する、あるいは近傍の目標を長いパルス幅で探知する事に制限があります。一般に低いPRFではパルス幅を長くして、反射エネルギーを増やし、長距離の探知を確実にしています。

    探知と誘導を同一のレーダーで行うのであるならば、1、の言われるような変化は必須であろうと思われます。もっとも今後技術の進歩により(周波数拡散など)このような変化を必要としないレーダーの出現を否定する事はできませんが・・・
    elebras


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