730 以前ドイツ帝国防衛記章の質問でJG301の例を出しましたが、1945年春の段階でJG301の装備機のうち第4中隊はFw190D9、第6中隊はFw190A9と装備機が分かれていることに気づきました。
これは常用高度(高高度と、中低高度)、任務(対護衛戦闘機、対爆撃機)等によって分かれているのでしょうか?それとも単に大戦末期の生産体制の混乱により同一JGの中を同一の機種で統一することができなくなっていることを示しているのでしょうか?識者の皆様のご意見を宜しくお願いいたします。
備後ピート

  1. JGは本来は航空戦力集中運用のための編制単位ですが、実際にはJGの下に置かれたグルッペごとに運用されています。あるグルッペがBf109、他のグルッペがFw190といった装備はJG54のように戦争中期から存在しましたし、JG27のように東部戦線とアフリカ戦線に遠く離れて運用された事例もあります。
    もともとそうしたものなのですが、Fw190AからDへの改編ではグルッペ内でも両型式が混在する事例もあります。
    グルッペ内の機種は統一されていた方が望ましいのは当然で、たとえばJG301の本部がTa152を装備しているのはTa152Hの生産が進まず、一個グルッペを満たすことができなかったからで、本来装備するはずだったグルッペは代りにFw190A-9装備に変更されています。
    1944年末から1945年春のJG301はそうした改編期にあった部隊です。
    BUN

  2. BUN様、早々の回答ありがとうございます。ところで今手元に歴史群像欧州戦史シリーズVOL19「ドイツ本土防空戦」があるのですが、その中に1944年4月時点の第一夜間戦闘航空団NJG1の編成表を見つけました。やはり中隊規模でもBf110とHe219の混成となっています。できればみなHe219に統一したかったのでしょうが…。JG301の場合も推して知るべしですね。しかしTa152Hはともかく、パイロットたちはFw190A-9 とFw190D-9のうちどちらを好んだか、興味のあるところですね。
    備後ピート

  3. Fw190D-9の実戦配備は1944年11月です。1944年中にJG300、JG301、JG302のうちでFw190Dを受け取ったのはII./JG301だけで、III./JG301は1月以降にFw190Dを受け取り始め、4月にはFw190Dだけになっています。

     JG301はJG300のヴィルデ・ザウを実行する部隊として発足したはずですが、1944年3月以降は昼間戦闘が主となり、時期は分かりませんがやがて昼間戦闘専業となっています。

     ランカスターの最大高度は7010m、B17は10850mですから、目標が低めのところにいるので夜戦部隊への貴重なFw190Dの装備は後回しにされたかもしれません。

    http://www.pilotfriend.com/photo_albums/timeline/ww2/Avro%20Lancaster.htm
    http://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_B-17_Flying_Fortress
    マイソフ


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