736 強風の模型を眺めていてふと思ったのですが、もし強風をそのまま火星エンジン搭載のまま陸上機化した場合、三菱十四試局戦(J2M1)と比較してどのような性能の機体になったのでしょうか。また逆に、J2M1を二式水戦のように水上機化した場合、強風と比較してどのような性能の機体になったのでしょうか。
codfish

  1. 十四試局地戦闘機と十五試水上戦闘機はほぼ同時に試作発注された姉妹のような戦闘機です。性能標準でも両機種の要求性能はよく似ています。
    両者の違いは陸上戦闘機として低翼となったことと、水上戦闘機として飛沫の影響を避けると同時に誘導抵抗を減少させるために中翼となっている点などで、空力に関しても両者はよく似ています。
    もし両者を入れ替えればそれぞれの運用に特化した部分が仇になることでしょう。

    BUN

  2. >>BUNさま

    お返事ありがとうございます。

    私も両者は陸上機、水上機の違いや要求仕様が若干違うとは言え、「1ノットでも早く」という命題を抱えた結果、不便を忍んででも火星発動機の搭載に踏み切った部分において非常に似通った戦闘機だと思い「だったら開発を一本化してしまったらどうだろう」と考えましたので質問させていただきました。

    十五試水戦計画は割と早い段階から陸上機化の検討がされていたようですので、強風から紫電のように「水上機から陸上機へ」より零戦から二式水戦のように「陸上機(三菱機)から水上機(川西機)へ」の方が開発はスムーズにいったのではないかと考えたのですがどうでしょうか。
    codfish

  3. 少し考えても、J2M1ベースで開発した場合、強風には雷電以上に旋回性能の要求が厳しかったようなのでその問題をどうクリアするのか、強風ベースで開発した場合、中翼では陸上機化した際具合が悪いので、低翼配置で水戦を作る事はできないのか、という二つの問題があるとは思いますが、その両者の折り合いを付ける事はできないものでしょうか。
    codfish

  4. 空冷の大型発動機を装備した高速戦闘機の設計について確固たる方針が存在していたら一本化する道もあったかもしれませんが、火星の選択は欧州の戦争勃発で追い詰められた末のことですから、昭和15年1月にそれぞれの機種を二社に試作発注する方が合理的であったとも言えます。
    通常翼型の局戦と層流翼型の水戦という二つの高速機を試す価値はあったでしょうし、何もかも機種を統一すれば合理的という訳でもありません。
    BUN

  5. >>BUNさま

    お返事ありがとうございます。

    確かに何もかも統一すれば合理的とは言えませんね。おっしゃる通りだと思います。

    ただ私がこう考えたのは、両者がどこかで共有できる部分があれば、雷電に誉を換装する計画が実現したのではないか、と思ったことと、もう一つは十五試水戦の陸上機化の検討が始まった時期と、J2M1がどうやら要求性能を満たせそうにないので火星二三に換装しようと検討が始まった時期はほぼ同じなのではないかと思ったのですがいかがでしょうか。海軍としては三菱には手堅く、川西には冒険をさせたかったのでしょうが、私は逆ではなかったかと思ったのです。その海軍の判断は正しかったのでしょうか。
    codfish

  6. 十四試局地戦闘機の発動機換装は何も無くてもじきに行われたことでしょう。火星二〇型は局戦のためだけに造られている訳ではないからです。どちらにしても手に入ってしまうはずの性能向上型でした。十四試局地戦闘機をJ2M1ではなくJ2M2から量産に入ることと決まったのは発動機の試作と審査状況からそれが自然だったからでもあります。
    また曽根技師のノートには十四試局戦の兵装強化が一号局戦のゴンドラ方式を参考にしながら検討されている様子が絵入りで示されています。加えて十五試水戦/一号局戦のように主翼を層流翼型に換装するなど、一号局戦の方が十四試局戦より先に進んでいるということで、十四試局戦の性能不足から一号局戦が造られたという訳ではありません。
    BUN


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